構造線と火山による地震発生と日本列島の形成1 10月18日

はじめに
 2011年の東北太平洋沖地震(以下311地震とします。)以来、地震の予知方法について解析を続けてきました。連動する大型の地震について、関係する火山のマグマ溜まりの活動と、そこから生み出される震源の島、微弱地震の発生と、マグマ溜まりの潰れを示すGPS変動が大型地震の前兆現象である事を明確に出来ています。
 日本の原発の安全基準は震動に対して620ガルとされており、岩手宮城内陸部地震で記録された4022ガルの実に1/6以下でしかありません。今でもこの数値であり、原発は大きな加速度に耐えられないことを明確にしています。これで安全であると言う理論には明確な根拠がないのです。これは私たちが地震の仕組みを知らずに来たからこそ、可能なリスクの隠蔽です。
 南海トラフの地震が起きる時に、311地震での前兆が、同様に複数観測出来ると考えています。連動する大型地震になる場合、震源の島が南海トラフ上に生み出され、大きければ大きな地震になる状況ほど、微弱地震の前兆も強く広く出て来るでしょう。
 東北太平洋側と南海トラフで繰り返し起きる地震については、これで前兆現象は明確になっている部分が大きいでしょう。他にもさらに前兆現象は存在するはずなので、今後も解析は続きます。
 これと比較すると、内陸巨大地震の事は理解が進んでいませんでした。2016年の熊本地震の状況は理解出来ていますが、こちらは中央構造線を動かす状況が桜島により準備して作り出されており、これに合わせて起きたユーラシアプレートの押しという原因を明確にしています。九州から中国にかけての構造線がユーラシアプレートの押しにより定期的に動かされる事を表すと考えています。
 内陸最大の地震は1891年の濃尾地震です。M8.0の大きさに加えて震源地付近に80kmもの長さの大断層が出現したことで有名です。当時の死者数は7273人です。この地震の原因がどこにあるのかを調べる必要性が生じていました。

 JRリニアの安全性に大きな問題のあることを記事を分けて書く予定です。JRリニアの隠されている最大の問題は、地震を始めとする事故時に超伝導電磁石が損傷するリスクを公表しておらず、対策も全くなされていない部分です。こちらの解析している自然が伝える地の声は、JRリニアを現代のタイタニック号として強烈に批判しています。
 トンネルが9割もある鉄道です。関東大震災でも濃尾地震でも、大型の地震が起きるとJRリニアはその軌道からはじき出されるでしょう。縦揺れがほぼゼロで非常に運良くはじき出されずに軌道に留まるにしても、最大加速度4000ガルを受ける可能性が有ります。上向きの4000ガルの場合は重力の4倍の意味であり、時速500kmで起こされる壁面との摩擦も考えると簡単にはじき飛ばせるはずです。運悪く断層に突っ込めば、大きな被害です。
 これを横だけの振動として運良く車両が受けることが出来たとしても、超伝導電磁石の電磁石は加速度に耐えられずに損傷するでしょう。この可能性は非常に高いはずです。その結果で起きる事は乗客全員の窒息事故です。冷却用の液体ヘリウムと液体窒素が超伝導電磁石の中に電流で生み出される熱により気化し、トンネル内部で拡散するのです。
 縦揺れではじき出されて側面を時速500kmで損傷するとします。ここからは火災が起きて有毒ガスでトンネルを充満させて、続きが火災による熱から生み出される冷却用の液体ヘリウムと液体窒素の気化です。止める方法などないのであり、トンネルの中にある逃げ口までリニアを誘導するなど超伝導電磁石が損傷を受けると、ふざけていると感じる程の絵空事なのです。未来の兵器として水蒸気爆弾を紹介していますが、ほぼ同様に働く部分が冷却用の液体ヘリウムと液体窒素の気化作用なのです。今回は窒息ですが、状況次第です。ある程度の爆発も起き得るでしょう。酸素を吹き飛ばし、人間を瞬時に窒息させるのです。

 簡単に分かることですが、事故や災害時において、既に起きている車両火災だけでなく、冷却用の液体ヘリウムと液体窒素が全ての乗客を窒息死させる事故を避けられないのが今のJRリニアの仕組みです。
 自然災害の観点から、原発とJRリニアの安全性を批判することを目的として、まずは日本に起きている巨大地震の仕組みを明確にしたいと思います。そしてその過程で日本列島の誕生と、この先の未来に起きてくる地殻変動における地殻の変化についても知る事になりました。この記事では自然の仕組みについて以下の項目の順番で説明をしたいと思います。

1)構造線と火山のマグマ溜まりによる地震
 a)関東地震とその関連
 b)岩手宮城内陸部地震、過去最大の加速度を生み出した仕組み
 c)内陸部の巨大地震の仕組みとしての濃尾地震
 d)人災地震と構造線の作用の実例(追加予定として10/20に追記)
2)日本列島を生み出した地殻変動と、近未来の地殻変動
3)平野を作る構造線の例と日本列島の形成

本文
1)構造線と火山のマグマ溜まりによる地震
 311地震の連動の仕組みは別記事にまとめています。イラストを再掲しておきますので参照下さい。海側の地震の多くは富士山のマグマ溜まりが中心で引きおこされる地震です。富士山はフィリピン海プレートが北に押し上がる先頭に位置する火山です。プレートの構造の特徴により、先頭にはプレート全体の大きな力が加わります。その結果で大きな地震を起こせるだけの力を持っているのです。
 この章ではこれに似た力の起こす地震として、太平洋プレートとフィリピン海プレートの運動が作り出している構造線を起因とした地震について、その仕組みを説明します。マグマ溜まりの働きはここでも重要ですので、これを説明しているイラストと必要に応じて元記事も参照をお願い致します。

a)関東地震とその関連
 関東平野の地震を説明するために、比較対象としての高知平野の地震の影響から説明します。構造線が平野を広げているのですが、この構造線は平野に埋もれていて分かりにくいので比較するためです。高知平野の状況は南海トラフの地震対策には重要であり、現状の高知県の対策では不十分な部分を教えています。この関連は3)の記事に改めてまとめます。
 高知平野のイラストを見てみて下さい。高知平野の特徴は、イラスト左の地質図と下の衛星画像に書いた、構造線と言える断層の存在です。
 この断層は黄色の矢印とよく似た方向を向いており、その先にはプレートの沈み込み角度の変わる境界と、海山の存在があります。
 フィリピン海プレートは、遠くオーストラリアの南側にある中央海嶺により、北上する動きを持たされています。日本でも北上ですが、東側にある太平洋プレートの押しの力を受けており、実際に四国に及ぶ力は少し西寄りに傾いています。
 海山は四国の下に沈み込むところですが、高さが約1kmもあって、沈み込みに際しての大きな抵抗力になっています。その押された力がかかる結果でこの海山の両側から地震が起き易く、構造線の起点にもなるのです。大きな力故にです。これはインドネシアでも同様に起きている物であり、このあと関東平野の例に移ります。
 力の向きは平均的にこの方向であり、日本列島の国土地理院の計測点をGPS変動データーで見ると分かる通りに角度は変化します。これを黄色い点線の矢印で表現しました。高知平野はこの種の断層が繰り返し四国の南側を刻んだ結果で出来ているのです。
 イラストには下図右側に3本の黄色い実線の構造線を書いていますが、この3本の間には、これらの3本と平行な構造線が無数に走っていると考えて下さい。
 南海トラフの地震は100~200年おきと言われています。これを日本列島の誕生を1500万年前として200年で割ると75000回の地震です。時に大きく、時に小さくもあると思われますが、断層が山脈を刻み、平野を作り上げるのみならず、海岸線を北北西に向けてどんどん四国を削り取ってきたことも現実でしょう。
 繰り返して同じ場所で起きる地震には、その土地の山々を崩して平坦にする作用が、川の浸食作用と合わせて存在しています。75000回の地震は平行に走るたくさんの構造線上で起こされているはずであり、いつも同じ場所で起きるわけではなく、位置を変えながら弱いところを破壊しているでしょう。
 高知平野を見ると山を貫いて流れる川が複数存在し、この事を明確にしています。単純な浸食作用の場合、本来であれば1つの川で太平洋に流れ出せるはずですが、ここでは何故か狭いエリアに複数です。時々起きる大地震が断層を作るので、そこに川が出来るのです。こちらも関東で実例を見る事になります。
 あと、高知平野の川は断層上であり、南海地震だけでなく、動く時は大きく動くはずです。ここに行う浸水対策を大きく損なうでしょう。一部または多くが損傷することを始めから考えて修繕までを計画しないと、約600億円と記憶している地震による浸水対策の多額の費用を無駄にすることなる状況かも知れません。

 比較例を説明するだけでも長くなりましたが、これからやっと関東の地震と構造線の説明です。南海地震は白山、神鍋山、大山、三瓶山のマグマ溜まりと富士山のマグマ溜まりの交点で発達する震源の島に従い起きる可能性が高いです。
 これに対する関東の地震ですが、少し事情が異なります。ここでも富士山は主役の状況ですが、マグマ溜まりとしての交点を持たず、プレートをほぼ同時に跳ね上げる役割が、伊豆東部火山群、新島・神津島、三宅島のマグマ溜まりに持たされています。これらの動きに加えて、三重会合点の付近に存在する非常に数の多い平行な構造線が、関東の地震の主役でした。これをイラストで高知平野と比較して見ると驚くほどの広域に及ぶ影響を認めざるを得ない状況です。

 関東に起きる地震の性質は、どこの火山のマグマ溜まりが動くかという区分と、どこの構造線が動くかという、日本列島と関東の動きで決まると思われる状況でした。関東の動きはGPS変動で評価出来ると考えており、今後に構造線の地震の実績が積み上がると考えています。構造線上での巨大地震が起きる時にデーターが集まるので、今後の予測を助けるでしょう。
 過去の事例を見て行きます。イラストに紹介している1923年の関東大震災は地震での死者約11000人、火災での死者約92000人でした。
 この地震には広域に震度6が見られることと、長野まで震度6が届いていることに特徴があります。これはGPS変動が関東を長野まで横切る構造線に角度が一致していた可能性を示していると考えられるのです。
 この地震は複合地震と言われており、相模の地震が始まりで、続きに強い地震が丹沢から届き、さらに続きの地震が相模湾から届いたと言われています。これは始めに下図の伊豆東部火山群のマグマ溜まりが動いて地震が始まった事を表し、続きで富士山のマグマ溜まりが動かされて、その後再び相模湾が動いたことを表していると考えられるのです。
 この状況は明確ですが、この部分で震源地が決まるので、その後の地震の被害状況を考える上での誤解を生じやすいでしょう。揺れの状況から考えると、その後に東京深部にさらに地震が誘発されて、構造線を長野まで動かす状況を否定出来ないはずなのです。
 この部分はマグマ溜まりの科学とプレートの境界面の状況から明確です。マグマ溜まりは火山の中心から外側に押し出す力でプレートを動かします。富士山も伊豆東部火山群も、関東の方向への力を送り出しているのです。その結果で川崎から館山市までの断層が動いたと考えられ、川崎まで変化が届くとそこにある構造線の力が解放されて長野までの動きを生み出すのです。東京のさらに北の深い部分にまで影響が及んだので、深さ故の広域地震と、構造線を動かした事による方向性のある遠方への影響を及ぼしたのでしょう。

 同様に考えると、1703年の元禄地震は死者約1万人、この時には関東南部に被害と揺れが集中しており、GPS変動は三重会合点から関東を横切らず富士山の方向に向いていたと考えられる状況です。
 この為に富士山から伊豆東部火山群と新島・神津島のマグマ溜まりが動いても、北側には拡がらない広域地震になったと思われます。江戸に被害が少なかったのは、動く構造線が南側だけであったことが主な理由と考える事が出来るでしょう。この時には三宅島のマグマ溜まりも影響している可能性が有るので今後のために評価すべきと書いておきます。
 この二つの事例は相模トラフ巨大地震に分類されています。
 これまでの科学では震源域が重なる部分があるので、同じ種類の地震に分類されています。こちらとしても始めは元禄地震においては、新島・神津島のマグマ溜まりが地震に加わるかどうかの差であると考えていました。その分少し大きなエネルギーを解放しているのです。
 しかしながら地震の揺れの分布は同じ地震ではないと評価が出来る物でした。この意味はやはりこれまでの科学では分からないのですが、ここに来て自然に構造線に注目することを促されたおかげで、この二つの地震の違いをある程度明確に理解できた様子です。
 まだ理解しないといけないことはたくさんあると考えていますし、新しい科学としてのらせんの力の計測も出来ていなければ、地電流も垂直成分の検出など残しています。今後も地震科学を進める上では更なる計測は重要でしょう。
 元禄地震時には、関東南部のGPS変動の方向が、富士山の方角を向いていたのでしょう。この結果で構造線に大きな力が働いていた部分でエネルギーが解放されたので、この部分のプレートを広域に跳ね上げたのでしょう。北側を跳ね上げる構造線には太平洋プレートの押しの力が加わっていなかったので、その上にあった江戸は被害を少なくすませることになったのでしょう。

 関東の最後は、南関東直下地震に分類される地震が残る1855年の安政江戸地震です。死者は同じく約1万人でした。この地震は伊豆東部火山群の活動でGPS変動が関東を長野まで横切る時に起こされる物でしょう。
 伊豆東部火山群は東京湾下部を通って茨城県方向に活動しています。東京湾のある程度深い部分で三重会合点から長野までの構造線を横切っています。ここに群発地震を起こすように伊豆東部火山群が活性化し、太平洋プレートの押しの力が強まったところでこの地震が起きるのでしょう。
 こうなると、この例は伊豆東部火山群ですが、過去の地震には富士山から三宅島まで単独でのマグマ溜まりの活性化で地震が起きるはずです。埼玉から千葉県沖まで震源は分布できるでしょう。実際に過去の震源分布を見ても、富士山と伊豆東部火山群は区別が出来ますし、新島・神津島も同様です。連動する地震だけではなく、各マグマ溜まりが単独で活性化しても、被害を起こす地震につながりやすいでしょう。
 地震予知において、富士山から三宅島までの火山のマグマ溜まりの状況と、GPS変動の向きを知る事で、今後の予測に役立つでしょう。GPSの動きの大きさも参考になるはずです。

 ここまでを考えると、過去の断層周辺だけが地震のリスクではないのが平野の現実です。構造線の近傍のリスクは同様に考えるべきでしょう。ここでの計算には100年に一度の例を使っていますが、平行に走る構造線の位置を変えると1000年に一度、2000年に一度も可能性が有り、それは関東を横切る構造線上で起きる事なのです。
 この意味で考えると、関東の平野には無数の構造線が走っており各地で地震に備えるべきですし、普段動かないからと行って構造線の動きが現実化しないわけではないのです。
 関東平野は広域にわたって、無数の構造線により刻まれて、今の平野になった可能性が高いのです。昔は山々で有った可能性が高いでしょう。日本列島の生い立ちの章で説明します。イラストには高知平野同様に、山が川に刻まれている部分を載せています。
 100~2000年の繰り返し周期の幅の存在ですが、この意味は新宿などの高層ビルが安全であるかにもつながるでしょう。これまで考えてきた関東大震災のモデルで震度を解析しても、目の前の断層の出現による4000ガルなどの揺れに対応出来るかは分からないでしょう。大きな内部の揺れは人間を潰すレベルにさえ大きくなるでしょう。
 ざっと見たところ大阪駅周辺でも同様です。構造線は隠されているのです。この部分は2049年以降に向けた将来の課題でも結構ですが、ビルが倒れると被害の大きさは甚大であり、私たちは将来の地殻変動に備える上では、高層ビルは現実的には住めない環境でしょう。M9やM10の断層地震まで起きうるのです。今後の古いニューヨークのビルがこの関係の情報を更新することになるかも知れません。

 イラストに紹介したここ100年ほどの大きな被害地震を見ると、三陸地震、東南海地震、南海地震と東北地方太平洋沖地震が富士山のマグマ溜まりの影響で起こされて含まれています。栗駒山や秋田駒ヶ岳など各地の火山のマグマ溜まりとの交点で巨大地震を起こしているのです。これまでに何度も記事に書いてきた部分です。
 同様に太平洋プレートの回転運動が生み出す動きは、イラスト上図の構造線を通り近傍の断層と自分自身を断層として動かす事で、大きな被害を出している事が明らかになっています。構造線による被害は関東だけではないのです。
 関東の構造線は別イラストですが、これだけの巨大地震を太平洋プレートが生み出していることはほぼ間違いないと思います。この構造線の向きに注意が必要であり、今後の地震の予測には、プレートの運動方向を考える事も重要になり、GPS変動の角度でリスク域が明確になるでしょう。
 この部分はこれから実績の積み上がる部分です。GPS変動データーは遠くの動かないように見える点を使う相対データーなので、予測への利用には今後の積み重ねによる運動方向の推定も重要になるでしょう。

 関東の地震については、今後に予測が重要になるデーターとなりました。構造線を動かすGPS変動の向きと、関連する火山のマグマ溜まりの動きが重要です。それぞれの火山が活性化したり、群発地震を生み出す時に、何が続きで起きるかを備える事が重要になるでしょう。闇雲に相模トラフ巨大地震と南関東直下地震を恐れる必要はないのです。これまでに分からなかった地震の仕組みが明らかになったことで、90年周期と言わずかなりの頻度で関東には地震が起きると言う事が明らかです。その中には大きな被害を出す物も出て来るでしょう。
 普段の備えが重要ですし、自然がどこまで地震の状況を地の声で教えてくれるかも重要になるでしょう。人間が彼らの望みに向きあい今後の環境破壊を減らして海面上昇を防ぐなどの具体策を取れば、被害を減らせるように協力をしてくれるかも知れません。
 こちらは科学には興味があるのでどんどんと解析を続けるのですが、今回の進歩は地の声が構造線の解析を促さなければ進まない部分でした。一人で地震科学だけをやっていれば、数年かかる仕事だったでしょう。これを短い時間で達成しているのですが、これは間違いなくこちらの力よりも地の声の導きであり、彼らの望みを実現する部分です。
 章の途中ですが、書いておきおます。彼らとの協力協調が進む事を願っています。

 続きはb)岩手宮城内陸部地震、過去最大の加速度を生み出した仕組み です。まずはここまでを10月18日に書きました。
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