霧島山の地下で進む新燃岳西側からの噴火の準備 5月16日

 5月15日公表の新燃岳の噴火の資料は、霧島山地下の火山性地震の発生領域の変化を伝えています。イラスト1枚目の左上の図の赤い領域は2011年の噴火の際には見られなかった震源域で、その東側の青い領域も同様です。
 その左下の図は赤い領域への地震が起きた際に新燃岳の山体を動かすほどの影響があった事を表す傾斜変動のデーターです。この位置からの押し上げる動きで、新燃岳の山体を南に押したでしょう。山体下部のマグマの通り道を変形させている状況です。
 この結果で今後の噴火がどの様になるか、注意が必要です。東側の青い領域は14日の噴火を生み出しました。赤い領域に地震発生域が戻る時に何が起きるかです。
 北側の青い領域から火口へのつながりは不明瞭ですが、火口とこの領域の地震の発生は同時です。マグマのつながりという関係性を伺わせるでしょう。
 同様に赤い領域から火口につながる時に、位置関係から火口の西側への噴火になりやすいでしょう。これは1959年の噴火時に起きたことではないかと思われます。
 山体の形状を見ても、北側の青い領域と赤い領域には真上に対応する古いクレーターの痕跡が確認出来ます。ここも噴火出来ると思いますが、上側への噴火よりも新燃岳側の噴火口につながる方が距離が短く容易でしょう。その結果で西側の裂け目の火口からの噴火になりやすいでしょう。
 上に向かって2km以上の経路を生み出すよりも、恐らく地下では1km以下の距離で新燃岳の火口下部につながるでしょう。この方が小さなエネルギーで噴火になるという状況です。

 霧島山のマグマ溜まりは噴火口を南東から北西まで15kmもの幅で持つ大きな物です。同時に複数の火口を活性化出来ており、2011年は新燃岳だけでしたが今回は硫黄山も噴火させています。
 4月19日の噴火により、地下のマグマ溜まりの圧力分布を変化出来たでしょう。その結果かは明確ではありませんが、1枚目のイラストの赤丸のエリアに火山性地震を起こす変化を生み出せたと思います。
 霧島山ではその時々のプレートの動きに影響を受ける位置での噴火になると思えます。富士山から伊豆諸島の火山のマグマ溜まりが九州南部と琉球のプレートを南西方向に押しており、鬼界カルデラと阿蘇山を始めとする九州から琉球の火山が総出で上海エリアと北京エリアに地震を起こすかどうかと言う情勢です。
 富士山の動きによる3月25日の噴火と4月5日の噴火は、口永良部島と富士山のマグマ溜まりの交点付近に生み出された群発地震でその相関は明らかです。プレートが具体的にどの様に動かされているのかが明確に出来れば、新燃岳の噴火に変化を生み出している部分が明確に出来るでしょう

 3月25日の噴火以降、噴気を強めている西側の裂け目は、1959年に噴火した時の火口の痕跡です。同様の噴火は西側の火口縁を破壊しやすいでしょう。
 2枚目のイラストに当時の噴火で生み出された火口列の状況を載せています。今の火口の内部から西側に向けて約500m程の火口列が生まれたと書かれていました。
 この時の噴火は爆発的な物であったとされています。当時は火口湖もあったので、ここからの水の生み出す蒸気を利用しての爆発的噴火であったかも知れません。高温の噴石がなかったとされています。
 当時の資料では表層のガス爆発とされており、ガスの種類までは不明瞭ですが今回の赤丸の領域の山体を変化させるほどのエネルギーが新燃岳火口に向かえば、この位置での噴火を促せるでしょう。
 火口の内部から火口の西側の裂け目までが、20個ほどの火口列になったのが前回です。ここにエネルギーを送れると考えると、西側の火口縁の内側と外側を破壊して溜め込まれた溶岩の流出を伴う大きな噴火と火砕流を生み出しやすいでしょう。
 これは過去の噴火から想定出来る、今後の噴火の変化になるはずです。既に西側の裂け目から噴気を上げるほどに地下の状況が変化しているので、注意が重要でしょう。

 最新のGPS変動データーにも異常は出ており、霧島山のマグマ溜まりの潰れを維持している可能性を見せています。こちらは噴火に動きが出たところでの改めての記事化になります。今回は諏訪瀬島のGPS変動データーにも多少の気になる部分が出ており、結局富士山を始めとする関東から伊豆諸島にかけてのマグマ溜まりの動きで、九州南部から琉球列島にかけてのGPS変動データーに一時的な異常が出やすくなっている状況と思われます。
 GPS変動データーにも注意をして欲しいので、噴火時の状況を改めて載せておきます。現在の火山科学はマグマの浮力で噴火が起きるとしていますが、現実はプレートにマグマ溜まりが押しつぶされて噴火に至るケースが大半だと思います。浮力が大きいのはキラウエアやイエローストーン、非対称の構造線上の火口であり数は少なくそれぞれプレートの動きの影響も受けていると考えています。

 今回のデーターは2枚目のイラストです。噴火に先立ちGPS変動データーに異常が見られ、その後に溶岩の排出です。噴火は同時期であり2011年も溶岩を噴出する前から噴火は始まっています。
 気象庁もデーターを変えるわけには行かないので記述のみが3月6~7日からの変化と書かれています。誰が見ても3月始めから変化している部分を持つのがこのデーターです。2011年の時は12月から変化が活動として鈍化しているとされています。
 今年のデーターにはさらに早い時期の変化を伝える物があり、こちらはそのデーターを見逃したことで噴火予想を出来なくなっていたと思っています。これを気象庁は氷による変化、凍上としています。霜柱に持ち上げられるという話でしょう。
 現実には凍上なら過去にも同様に大きな変化があるはずですが、ここ新燃岳では今回だけの冷凍です。これを単純に信じることは難しいでしょう。本来であれば3月1日に噴火が始まった時点で詳細を確認すべき状況でした。今後の再評価でどの様に変わるかは分かりませんが、地下の動きがなければここまで大きな変化にはならないでしょう。

 ここまでは純粋な地球と噴火と地震の科学ですが、過去に起きている現実は科学では説明出来ない部分を含みます。因果関係です。
 3月6日の溶岩を排出させた大きめの噴火は、2月26日のパプアニューギニアのM7.5の地震で4649・4641を伝えた結果で起こされた物だと考えていますし、4月19日と26日の硫黄山の噴火は南北首脳会談の重要性を伝えていました。火口の位置を変えるほどの変化を硫黄山では起こしていますし、その結果でマール・ア・ラーゴを30.24度で指し示しています。トランプ大統領へのメッセージにされています。
 硫黄山付近からは、ソウルの景福宮、青瓦台、平壌の呪いの池や計測中心の公園などがほぼ一列に並びます。南北首脳会談が持たれた板門店も同様であり、この時期に合わせて位置まで変えて噴火をしたことになります。
 自然に意図があるからこそこれが可能ですが、現実がさらに重ならないと一般の人々には、人間以外に、それも動物以外に知的存在がいて大きな力を持つことを信じることは難しいでしょう。この現実があるので今後も情報の広がりには自然災害を始めとする自然の大きな変化が必要になり、しかもしばらくの間政治的な変化に連動し続けるでしょう。

 この意味で新燃岳の火口の形状の変化をもたらす大規模な噴火は、尖閣列島や南シナ海での米中紛争、日中紛争に前後して起きる可能性を感じています。実際にはこれ以外の災害に前兆として起こされる可能性まであると思います。
 科学者が前半の科学を否定出来なくても、後半の現実を受け入れるまでには大きな変化が必要になりそうです。
 今現在5月16日の12時です。大きな変化はありませんが、長野県北部では12日のM5.1の地震と同じ位置で2回ほど余震が起こされており今後への注意を促しています。
 ニュースでは南北閣僚会談の延期が流れており、これも重要でしょう。数日前に米国人が3人ほど釈放されていますが、今回の延期とセットになっていたのではないかと思えるほどです。
 もともと米韓軍事演習をやっても良いという話で米朝対話が始まっていたはずです。今回はその内容を反故にする物でもありますが、彼らの言いたい事への配慮がなかった部分は現実でしょう。これを演出することで釈放に対するバランスを国民に対して取れる状況だと思います。この様に何度もブレながら6月12日までを進めるのだと思います。

 イスラエルは国連安保理で大きく批判されていますが、米国の守る姿勢が明らかなので現状は維持されそうです。死者は61人まで増えています。
 イランと欧州各国の外相会談が持たれており、核合意の維持を明確にしていますし、今後の米国の経済制裁を欧州に関して無効化できるように動く事になります。トランプ氏は始めからこの動きを促しており、イランへの対処を欧州各国に任せて中東から手を引く準備をしている様に見えてきました。イスラエルの好戦派は外されるのでしょう。
 この動きであれば、シリアでロシアが平和を達成した続きでイランでも同様に平和への道が見えてくるのではないかと思います。
 時間の流れとしては米朝合意がなされて、その後のイランとの猶予期間の間にイラン問題を欧州の責任にする動きが明確になるのではないかと思います。戦争を望む軍産複合体とイスラエルの一部、その他の国の協力部隊がこれを阻止すべく動くと思えます。
 この状況かで何が起きるか、再びの4649・4641もあるので今後の動きに注意が必要でしょう。当面は本日も含めて2018520に向けての変化に注意が必要です。

稲生雅之
イオン・アルゲイン