小千谷市と大雪山のGPS変動データーについて 3月14日

 過去から説明してきている小千谷市のGPSの上下変動における異常ですが、今も継続しておりその理由を考えていました。
 地震の啓発サイトで上下変動の経時変化を見せてくれる所が見つかり、ここでの評価が可能になって状況の理解に前進しました。
 結果はやはり異常があるのですが、なんと積雪による上下変動が他よりも大きく見られるというのが現実でした。
 この上下動がどの程度拡大しているかが次の関心事項になるのですが、積雪量は年によって変動があるので比較が難しくなります。比較出来たのは動きが似ている年における積雪量の差であり、1998年と2016年での比較です。それぞれ前年も比較が可能でした。
 以前の半分近い積雪でも同程度の沈み込み変動が見られるのが現状ですが、積雪が2倍になっても沈み込みは数cm増える程度です。そして積雪は1月に多いのか2月に多いのかでもGPSの上下変動に差を出すでしょう。評価が難しくなり、最後は専門家のシミュレーションによる地殻の硬さの評価で落ち着くことになりそうです。ここまでの評価を片手間では出来ないので、柏崎刈羽原発の付近に大きな自然災害が起きてからの評価を促せればそれで良しとする状況です。

 紹介している年を見ると沈み込みは8cm前後です。今年は今のところ15cmに近く積雪量の評価が未定ですが、こちらの推定で1.6m~2m位はあるのではないかと思います。以前よりも大きく動いていると思いますが、評価が固まるのは雪が溶けてGPSの上下変動が回復してから、全体の動きと積雪量の小千谷市の公表データーが揃ってからになります。
 地層の関係で動きがある事に加えて、2004年の最初の中越地震では、25cm以上も土地が隆起しています。2007年の中越沖地震では変化なしであり、影響域が異なるのでしょう。
 2011311でも瞬間変動が10cm以上あるのですが、この時はすぐに元に戻っています。影響は大きかったのですが、動いている地殻の大きさのレベルが異なる様子で、広いエリアの動きがすぐに元に戻ったのでしょう。
 今後の予想ですが、単に強度の劣化の進展が見られるだけであり、上下変動に関してはどこに限界があるかなども不明瞭です。ただただ見守るしかないのですが、長岡のCO2貯留実験以外に地殻の強度を劣化させる要因はないでしょう。次の地震で3回目ですので、いい加減に問題に向きあうべきでしょう。東京電力も大金を掛けて耐震対策をしていますが、これを無駄にしている物こそ長岡の実験です。破壊した地殻の強度は簡単には元に戻らないのであり、原発の立地には安全な場所ではなくなっているという現実があるでしょう。

 イラストに載せているように水平方向にも異常が見られていますが、これは時々起きる動きの異常であり、長岡のサイトが土地を柔軟にした部分も影響していると思いますが、多分に日本列島の回転運動の進展に際して生まれる物であり、この動きに合わせて時々地震が起きやすくなるレベルと思います。
 柏崎刈羽原発に向けて地の声は警告をしている所ですが、これを動かすと見られるようなデーターには今一歩の所でしょう。いつでも動かせる状況を続けており、今のその流れの中にあると言う状況でしょう。

 昨日の公表GPS変動データーでは、ざっと見たところで北海道の大雪山のマグマ溜まりの潰れを思わせるデーターが出ていました。これもイラストに載せています。
 こちらは時々起きる変動だと思います。富士山も同様の変動を見せていましたが、直接的な動きを見せずに今はあまり変化を感じさせない状況です。
 現実的には富士山は活動的であり、様々に歪みのエネルギーを受け取ったり配ったりしています。この意味で大雪山も同様かも知れません。
 こちらの目的はなんと言っても苫小牧エリアへの関与でしょう。十勝岳と共通の大きなマグマ溜まりとして北海道の南側を動かして、樽前山や有珠山とも連携出来るでしょう。
 こういった部分を見せているだけで騙す目的も強いと思いますが、動ける状況を見せることで備えを促している可能性もあるので、苫小牧域にも注意が必要なのでしょう。十勝周辺に大きめの地震を起こしてから樽前山に影響を戻すことも可能ですので、北海道の南から西に掛けても注意が必要になりそうです。

 地の声は柏崎刈羽原発だけでなく、栗駒山や樽前山にも注意を促しています。女川原発、川内原発にも注意は必要でしょう。苫小牧サイトは長岡サイトと同様の問題を持つ場所でありCO2貯留の問題に向きあうために、優先して動かすふりをするのかも知れません。
 実際の所はただただ様子を見るしかなく、備えと注意をお願い致します。

稲生雅之
イオン・アルゲイン