先史文明が伝える古からの地球の歴史と未来7 9月28日

 1366万年前に始まったと思われる人類の歴史について以下の項目を説明します。その内容を元にして私たちの文明に重要な動きの始まった8万年前以降の状況について、まとめの記事をお送りします。項目の順番に作業を進めます。
 ここにまとめる記事は、遺跡や遺物に残る直接的で誰にも検証可能な証拠に基づいており、あの世の声を聞いたという証拠の提示できないオカルトの類いとは異なります。科学技術の進歩の結果で得られるデーター類も利用し、客観的な評価に耐える事実とそこから推定できる人類の過去の歴史の流れをお送りします。

1)1366万年前の人類の始まりから8万年前までの遺伝子実験期間
1-1)月と人類の誕生と恐竜との共存 証明されていなかった恐竜絶滅と人類の始まり
1-2)プレート運動の歴史      ホットスポットの教えるプレートの動き
1-3)520万年前と現在の地殻変動、地震予知技術 約520万年前から現代へ解決策を託している
2)暦の遺跡の情報          2度の極移動と暦の変化の記録
3)歴史書と宗教書の情報       極移動に対応した宗教の変遷の記録
4)客観性のない科学の遅れ      権力の支配に利用されている愚かな姿
5)月、金星、火星、ティアマトの状況 忘れられた宇宙技術の遺跡
6)善と偽善の地球の遺跡の情報    世界に散らばる先史文明の遺跡の存在
まとめの本記事
8万年前以降の歴史の流れと未来    宇宙に文明を拡げる上でのティアマトの再生と、他者と共存する未来の姿

この記事の項目
3)歴史書と宗教書の情報 3/3

 ここまでの状況を見ると、8万年前以降の6万年くらいまでの時代では、リグ・ヴェーダの宗教と仏教、ゾロアスター教が競い合っていたことが明確です。米国大陸ではテオティワカンの宗教だけが栄えていたのかも知れませんが、アジアでは宗教間の争いが続き、インドには牛を聖牛扱いする所まで事態は動いていたのではないかと思われます。
 偽善の側のバラモン達は社会の進展と人口の増加により、いつまでも人々をだまし続ける事が出来ないことを知っていたのでしょう。予想出来る事ですし、過去のアトランティスなど存在したのであれば、同じように文明は栄枯盛衰を繰り返しているのではないかと思います。
 彼らが弱体化して追い込まれるところで、6万年前のティアマトの破壊と極移動が彼らにより引きおこされたと考えると、当時の状況を理解できるところです。ティアマトの破壊で力を見せつけていますし、極移動は自分達の移る場所の確保です。
 ゾロアスター教はイランやイラクで盛んでしたし、インドはヒンズー教がインドラ神の信仰からシバ、ビシュヌ、ブラフマーに変わった時点で、善の側の宗教に変わってしまっているのでしょう。この流れがあるからこそ、彼らバラモンは新天地を必要としたし、権力者に対してはその力を誇示したかったのでしょう。8万年前に始まったと思われる社会を作り上げるための一度目の宗教の争いは、善の側が優勢に進めていたところを、偽善の側が力で状況を転換したという事になると思われます。

 ティアマトが破壊されて極移動が起きた後に、アジアの南部にはベニテングダケが生えなくなってインドラ神を失墜させています。これは覚悟の上の物でしょう。インドにはクトゥブ・ミナールの遺跡が残されており、偽善の側の物になります。影響力がなくなったわけではなく本拠地を移したという事になると思います。
 ハドソン湾極時代になると、エジプトの宗教とローマ・ギリシャの宗教、ユダヤ教などが生まれてきています。これらが何故生み出されたのかは、その宗教書の中に刻み残されています。
 この時代を理解するために、ここでエジプトのギザのピラミッドの指し示す宗教への情報を見ておきます。イラストを参照下さい。

 ギザからは岩のドームの向こうに、ゾロアスター教の本拠地であるサマルカンドを重ねています。コーカサスの地であり教祖ザラスシュトラの活動したエリアでしょう。
 遺跡は地殻変動の数値として104度を強調しています。この軸から42.13度は西洋と東洋の不吉な数値の組み合わせで岩のドームを指し示しています。岩のドームの宗教に大きな問題のあることを教えるのでしょう。ゾロアスター教を習合した支配の宗教である事を示唆していると思います。
 自分達の宗教についても情報を残しています。スフィンクスの隣の太陽の祭壇は12660年前を表すだけでなく45.5度の神殿に666mを組み込んで重要度を表し、その先にはバールベックを指し示していました。ここに祀られているバール神との関連を明確する物でしょう。
 彼らはエジプトの宗教がシュメールとウガリット神話の影響を受けている事を明確にして、一方では岩のドームの旧約聖書の宗教がゾロアスター教の影響を受けていることを明確にする為に位置を選び方向を指し示しているのです。シュメールの影響はデンデラの天文図にイナンナ女神がイシス女神として描かれている部分から明確であり、バビロンの遺跡がギザの役割を補完してきた部分からも明確でしょう。

 エジプトの宗教より説明します。イラストに見る様にデンデラの天文図に書かれているオシリス神は、バール神の構図を真似た物です。ウガリット神話の中では棍棒を持つバールですので、ここでは麦を脱穀するために打つ穀竿が右手にあり、左手には槍を意味する丈でしょう。図柄としては神を意味する物でもあり稲妻でもあるでしょう。
 ウガリット神話ではバール神は雲に乗る者として描かれており、バールベックにおける西からわき上がる雲と雨、嵐の神なのでしょう。その地に豊穣をもたらす神です。神話には3と7が多少強調されており、12や36は見られません。恐らくグリーンランド海極の時代には既に存在していた神であると思われます。
 シュメールのイナンナ神も同様にグリーンランド海極時代から存在したと思われ、神話はバール神同様に3と7を強調する物でした。こちらはティアマトの破壊を神話にしているのでこの点からもさらに古いグリーンランド海極の時代から存在していたことは間違いありません。

 78360年前にトバ湖に破局噴火が起こされたときに、地球の環境は大きく変えられていると思われます。この時までは巨獣のいる環境でしたが、大量の火山灰とその後の寒冷化により、大型の獣は大きく数を減らしていると思われます。イラストに載せる大型獣のナマケモノやマンモス類、その他の数メートルある巨獣類は、人間が農耕社会に移行する上での障害になっていたでしょう。
 この意味でナイル川沿いのエリアには、アフリカのジャングルとのつながりがあるので、大型の巨獣が多く農耕には適さなかったでしょう。ここに破局噴火による巨獣達の受難です。人間達があたらな耕作地をナイル川沿いの確保することには全く問題がなく、入植は順調に進んだのではないかと思われます。ここにバールベックやバビロンからの人々が移り住んでいったのではないかと思われます。新しい社会を作るために新しい神を習合して生み出した物が、オシリスでありイシスなどの神々でしょう。
 この地でユダヤ人も数を増やし、出エジプトとしてカナンの地をバール神の民族達から奪って住み着いたこともこの時期ではないかと思われます。6万年よりも前でしょう。

 ティアマトの破壊が起きたときに、地球の権力者達は当時のメギドの人々が犯人と考えたのか、このエリアを破壊しているように見えています。岩のドームも関わっていたと思われますが岩のドームはティカルの遺跡に666を向ける組み込みを見せることで、世界への協力姿勢、ティアマトの再生への協力を遺跡の上に表現し、その地の支配を行っていました。本記事で触れますが、岩のドームの地はティカルとメギドの丘の位置関係で決められた物であり、イサク燓蔡の地としての選択ではあり得ないのです。
 岩のドームの宗教である旧約聖書の宗教ですが、これは終末の到来と救世主や一神教などがゾロアスター教よりそのまま概念を導入した物です。ウガリット神話の影響も受けていると指摘する本があり、現実的にもバール神のエリアを乗っ取っているので、彼らの行為を批判する内容が旧約聖書に残されることになっているのです。後から生まれた宗教である事に疑いの余地はなく、ハドソン湾極時代に整備された宗教書です。少数支配に失敗した過去を改めるために、ユダヤ人のための宗教として少数支配を維持する工夫がなされている部分にも人為的な物を感じさせます。現代の私たちの時代になってこの民族制約を外す動きを促しているのです。

 現在に残る旧約聖書は当時の宗教書を先史文明の人々が改竄して暗号を組み込んで残した物になります。元々からして神の言葉ではなく、当時の人々が他の宗教を参考にして、敵対関係までを考慮に入れて民族の支配の為に作り上げている物が旧約聖書のオリジナルだったでしょう。
 オリジナルは現代の私たちに向けて暗号を組み込む材料として、宗教の問題点を明らかにするために、先史文明の人々の残した遺物です。先史文明の遺跡には未来の計画が組み込まれて残されており、911同時多発テロやリーマンショックなど暗号の情報と遺跡の示す情報は一致が見られるのです。未来を計画してそれを予定通りに実行する部分にはこちらの科学がまだ追いつかないのですが、情報の一致は明らかな現実です。
 旧約聖書は人為的な介入で作り出された科学の産物であり、ここに神の言葉など入り込む余地はほとんどないでしょう。当時は支配の為に残されてきた書物であり、これを宗教の問題に向きあうために改竄して利用しているのが先史文明の人々でした。

 ギザの準備している情報には続きがあります。
 ギザは以下の数値を各地からの呪いに返す破壊出来ない物として、情報公開のために私たちに残しています。

アンドロメダ銀河の中心    2062年 78.375度x4=313.50度
ギザからバチカン大聖堂の角度 313.50度
アンドロメダ銀河の中心    4155年 68.239度
トラペジウム         4155年 53.198度
シリウス           4155年 38.009度
アンドロメダ+トラペジウム+2xシリウス=カーバ+岩のドーム=197.45度
カーバの角度         135.56度
岩のドームの角度       61.89度

 ギザの遺跡が気をつけるべき時期と敵として伝えたい物は、ローマ・バチカン、岩のドーム、カーバであり、伴星接近の2062年と地殻変動の4160年になると思います。
 岩のドームについては説明できましたので続きをローマにしたいと思います。ローマにはミトラ教が存在していたと思われます。
 ミトラ教は信頼できる書が存在しないので判断が難しい所になるのですが、彼らのシンボルが牛を屠るミトラなので、アーリア人のバラモンが持ち込んでいるリグ・ヴェーダの流れを強く感じます。彼らはローマ・ギリシャのエリアを温暖化しており、ハドソン湾極時代になってこのエリアの入植が出来ていたでしょう。あたらにこの地に偽善の側の宗教を作り上げるには良い機会になっていたでしょう。
 このミトラは元々人間との契約をするリグ・ヴェーダの神の一人です。ここにゾロアスター教の終末の到来と救世主や一神教などの概念が組み込まれて利用されているように見えています。ローマ・ギリシャの神話とも一体化していた様子です。
 ローマ・ギリシャの神話はウガリットの神話に影響を受けていることは明確です。旧約聖書同様にここでも神の概念のコピーが行われており、良いところを取り込んで自分達の神にしているのです。
 グリーンランド海極時代の西セム人の宗教をハドソン湾極時代の新天地のローマとギリシャが利用して、様々な組み合わせの中から選んだ物がミトラ教でありローマ・ギリシャの神話体系だったのでしょう。偽善の側の代表であるゼウスなどこの頃にはその姿を作り上げられており、隠れて悪をなす部分が既にこの時点で重要だったのでしょう。

 カーバの宗教については、マホメッドの破壊によりその多くが失われておりよく分かりませんでした。本記事の側で説明しますが、カーバはこの時代において、ゾロアスター教を飲み込むために準備をしていた場所になります。マニ教の流れを色濃く残し、断食月であるラマダンを利用してその支配力を高めたのでした。
 360個の神像がカーバ神殿の周りにあったと記憶しています。多神教の素朴な人々だったのかも知れませんが、それ故にこそ支配を求める存在達には動かしやすかったのかも知れないと思います。

 続きはアジアの関連です。
 中国の史記は明らかにハドソン湾極時代の物ですが、1年366日という改竄がなされており、過去を隠すための作業である事が明らかでした。日本語の史記も十八史略も全訳ではないので見落としている数値があるかも知れませんが、解説の中に多くの神話が削られて編纂されたと書かれています。
 こちらの読んだ範囲では、歴史の始まりから春秋時代と呉越の時代までは、ハドソン湾極時代の歴史書であると思います。後で説明するチベットの王伝、日本のホツマツタエ同様に、支配の正当性を書き残していた書物であると思われます。
 これを改竄して現代の書に書き換える大きな理由ですが、この時代まで善の側の地であった北京に偽善の側が入ることになったので、その為の作業ではないかと思います。
 周辺の遺跡は一通りが善の側の遺跡であり、少し離れた平壌のみがアジアにおける偽善の側の拠点です。自然に拡がった支配体系であれば、この二つだけが偽善の側である事に理解をしにくいのです。
 単純に12660年前に始まった二つの争いにおいて、始まりの時点で北京と平壌を地割りで得ているようにしか見えないのです。支配の観点で考えると、中心だけが悪で周辺に協力者がいないのは、腐敗を利用した北京のやり口からはあり得ない状況です。本来であれば、北京が偽善の側として存在出来ないか、周辺は力によって悪に染まるでしょう。
 史記はこの点から考えても勧善懲悪的な神話は抜き去られ、現実の世界で悪と戦い善政を勝ち取った呉の物語をある一つの話に矮小化し、悪の栄える書物にしていると思います。この手法はこれを真似する悪を広げる物であり、ギリシャ神話のように悪を書けば悪がはびこるという循環を求めている物でしょう。

 チベット王伝は所々にハドソン湾極時代の数値も見られますが、基本はこの時代に向けて過去からのつながりを示す書物です。先史文明の人々の関わりの明確な書物でありハドソン湾極時代にも使われていたと思います。この点は日本のホツマツタエ同様であり、特定の部分から先に自分達の歴史を書き足して利用してきていると思います。
 ホツマツタエについてはこれまでに何度も書いてきています。360日と365日が意図的に混在させられており、ハドソン湾極時代と今の時代の双方で使われてきた書物でしょう。875隠ろ日のおかげでハドソン湾極時代の遺跡の数々に解析を拡げる結果をもたらしてくれました。
 ハドソン湾極時代の面影を残さない日本書紀と古事記は、白村江の敗戦の代償であり、日本の歴史を改竄して中国向けに自傷した物でした。漢文で書かれている理由こそ、敗戦文書である事の証です。敗戦文書の相手国語側には、自国にとっての嘘が書き並べられるという外交文書の代表例でしょう。カディシュの戦いが有名ですが、それよりも遙か昔から同様にしていたと思われます。
 ここにある古事記と日本書紀は、史記と同じ性格です。偽善の側になる為の悪の書物の性格を持たされているのです。ホツマツタエと内容を比較すれば明確です。

 この記事の最後に、人々の年齢の変遷について簡単にまとめておきたいと思います。
 シュメールの王名表には、数万才の寿命で可能な統治年代が書かれています。これの和を取ってみたのですが、20万年に届きませんでした。1000万年の支配の情報には全く届かないです。
 この王名表も12,36などのハドソン湾極時代の数値で占められており、グリーンランド海極時代の37が出ていませんでした。この意味はこの時代に数値が改竄されたか捏造して作り出されたかになる所です。
 他の物で比較をします。ホツマツタエでは2万才ですが、その昔はさらに長く20万才、100万才とされています。
 チベット王伝にも2万才の記述があります。双方とも先史文明時代の書物なので合わせている部分があるのでしょう。
 実際に人間が猿から生まれたという表現が双方に見られます。チベットは猿から生まれ、ホツマツタエでは猿が人になった者がいるという表現でした。これらも遺伝子操作の存在を知った後で見ると、彼らの配慮に見えるのです。こう考えるときに2万才の寿命がどうしてもグリーンランド海極以前の最長レベルにあると思えるのです。

 ハドソン湾極時代の寿命ですが、ホツマツタエには数百才の人が登場するので、1000才くらいまでは可能であったと思います。
 ウパニシャッドには修行に24年、44年、48年という表現があり既に紹介したところですが、バラモンの修行期間でありこの後こそ彼らの本来の活動が始まる時期でしょう。寿命は116年の数倍はあると思います。
 変わったところであと二つ紹介します。
 史記には春秋時代の重耳の話が残されています。

 出立に臨んで、重耳は妻を呼んだ。
「必ずおまえを迎えに来る。だが、二十五年待っても戻らなかったら、他に良い相手を見つけてくれ」
 妻はにっこりとして、
「二十五年もたちましたら、もう私の墓に大木が生えていますでしょう。でも、私はお待ちしております」 

 こちらの目には二十五年も待てという気持ちは再婚への配慮に感じられなくなるのですが、重耳と言う人は配慮の出来る人です。すると意味を考える必要が出てきます。
 今の女性に二十五年待てと言って再婚を延ばしていると、子育ての時間がなくなってしまうでしょう。今は晩婚ですが昔の人間五十年と言っていた時代を考えるとほぼ不可能な条件です。
 こうしてみると、私たちの3~5年の感覚で25年を使っているように感じられるのです。改竄者はこの点にも配慮をしたので墓に大木が生えていますと言う表現なのかも知れません。ここでの指摘は二十五年は長すぎるという事です。5倍の寿命でないとこの数値に真実味が出てこないのです。
 最後はハンムラビ法典です。
 幼子のある離婚に対する説明文です。

 夫は妻の持参財を返さなければならない。子供の養育については耕地と果樹園と動産の半分を妻に与え、彼女が自分の子供達を育てる。
 子供達が育った後は、息子一人の相続分に相当する財産が彼女に与えられる。

 離婚後の妻の再婚の権利に関しては、彼女の意に適った夫が彼女を娶ることが出来たとされています。
 現代の私たちよりも子供の養育について配慮のある考えです。当時の女性には自立があったのではなく、基本的には家は男性の家長の元にあり彼の決定に従っている状況です。
 その中にあって女性と子供という弱者への配慮です。女性の生きる手段を確保して再婚をシステム化しているところに、寿命の長さを感じるのです。加えて離婚の問題が多いことにも可能性があるところです。
 この意味を年齢から考えてみて下さい。例えば500才まで生きられるとして、子育てには20年前後でしょう。結婚して子供を育てて20年過ぎて夫婦だけになる時、離婚してまた他の相手の子供が欲しくなるなど、今とは価値観が変わるはずです。子供はきちんと育てる必要があるので、社会としてこのあり方を整備しているのです。ある意味離婚が増えても良い社会です。
 夫婦の関係は、子育ての間は価値観が異なってもある程度の我慢が出来るでしょう。これが終われば一緒にいる必要はなくなるのです。この時不満がなければ家に留まれると思いますが、相手に大きな不満があれば、相手を変えることになりやすいでしょう。
 現代の私たちは、寿命が短いせいで女性の自由を奪っていることになるのです。子育ての時間を考えると多くの人には何度も結婚する自由はないでしょう。これが必然なので不思議に感じないのですが、寿命が延びて自由を感じたときに、家庭の在り方まで変わるでしょう。この意味でバビロンの離婚に対する法制度には、寿命の違いから来る離婚の在り方の差を感じざるを得ないのです。

 感じ取りにくい部分もあると思いますので、ハンムラビ法典の先頭の2条文を載せたいと思います。当時の重要な部分が先頭にあるはずです。

1.もし人が(他の)人を起訴し、彼を殺人(の罪)で告発したが、彼(の罪)を立証しなかったなら、彼を起訴した者は殺されなければならない。
2.もし人が(他の)人を呪術(の罪)で告発したが、彼(の罪)を立証しなかったなら、呪術(の罪)で告発された人は川に行き、川に飛び込まなければならない。もし川が彼を捉えたならば、彼を起訴した者は彼の家(産)を取得する事ができる。もしその人を川が無罪放免し、(彼が)無事生還したならば、彼を呪術(の罪)で告発した者が殺されなければならない。川に飛び込んだ者は、彼を起訴した者の家(産)を取得する事ができる。

 当時のバビロンの社会が嘘に厳しい環境を作り上げていることがご理解頂けると思います。それでも2つ目の条文には戸惑うと思うのです。呪術の罪をどの様に立証すれば良いのか、何とも言えないところです。訳本にはブラック・マジックの罪と書かれており、一種の詐欺でもあると思いますが、詐欺ならともかくブラック・マジックの証明は難しいでしょう。
 それでも何かあると言う場合に、神明裁判として、川に飛び込んで身の潔白を証明する必要があった様子です。判決を下すことが困難な場合に解決を神に委ねる仕組みであり、条文には他にも川に飛び込む話が数多く出てきます。
 有名な目には目を、歯には歯を、そして骨には骨をと言う条文も後の方に出てきます。先頭にあるのは嘘と詐欺や偽証を嫌う条文です。正義を追求していたことは明らかであり善の側の社会であったと言えるでしょう。
 川に飛び込むとして、水温が低ければ溺死の確率は上がりますし、どのレベルの距離を泳ぐのかも不明瞭です。泳げるか泳げないかも大きいですし、公平な神明裁判にはなっていないでしょう。それでも社会はこれを受け入れていたのです。
 ここでもう一度離婚後の妻の再婚の権利と子供の養育の問題に戻ります。ここにあるのは福利の考えであり、ありがちな離婚に対する歯止めではなく、起きてくる問題への選択肢であり、弱者の保護でしょう。目には目をの厳しさでもって、女性の生きる権利と子供達を保護しているのです。
 今の社会では責任や自立が求められるのであり、離婚の状況次第で働けない貧困から満足に子育ても出来ない現実があるでしょう。間接的に離婚を推奨しないシステムでもあり、これはキリスト教型の概念でもあるのです。結婚したら添い遂げるという物です。
 これに対するバビロンの制度は離婚は前提として存在し、生み出される弱者の保護を求めています。ここに寿命の違いを考えると、増加する離婚に対する適切な処理であり、これがなければ女性達に不満が高まるだけでなく、子供が減る結果になり社会が衰退しやすくなるレベルだったのかも知れません。
 今の法制度には間接的に結婚したら添い遂げるという物が組み込まれており、寿命が短く子供を育てたら人生一段落の考えです。これに対してバビロンの物は、子育てを繰り返せる条件を満たしていますし、離婚も普通に起きてくる問題であったのでしょう。この部分の法整備が行き届いているのであり、1条目の条文を比較に考えても、人生の長い寿命と結婚と離婚、再婚を制度化し子育てを重視するシステムになっているでしょう。一つの命を扱う1条と比較して、子供を始めとする多くの弱者の命と未来の国益である人口に関わる女性の命を重視している姿勢を、感じ取って頂ければと思います。

 宗教書と歴史書は、先史文明の遺跡と同じく、グリーンランド海極時代と、ハドソン湾極時代の存在を伝え残す情報にあふれていました。
 当時は今とは異なり月には5度の黄道傾斜角がなく、皆既月食は半年間続き残る半年は見えない期間です。部分月食はありませんし日食も同様でした。日食は赤道直下のみで発生しており、今のような金環日食と皆既日食のない時代でした。

稲生雅之
イオン・アルゲイン

出典
原典訳 アヴェスター 伊藤義教 訳
ブッダの言葉 中村元 訳
リグ・ヴェーダ讃歌 辻直四郎 訳
アタルヴァ・ヴェーダ讃歌 辻直四郎 訳
シュメール神話集成 杉勇 尾崎亨 訳
古代メソポタミアの神々 監修 三笠宮崇仁 親王
ハンムラビ「法典」 中田一郎 訳
ウガリト文学と古代世界 C・H・ゴールドン 著
ケルトの神話 井村君江 著
エジプト神話集成 杉勇 屋形禎亮 訳
エジプト神イシスとオシリスの伝説について プルタルコス著
マハーバーラタとラーマーヤナ 前川輝光 著
ラーマーヤナ1 ヴァールミーキ 著
原典訳 ウパニシャッド 岩本裕 編訳
バガヴァッド・ギーター 上村勝彦 訳
旧約聖書 解析はモーゼ5書
チベット仏教王伝 ソナム・ギェルツェン 著
史記1覇者の条件 司馬遷 著 市川宏 杉本達夫 訳
はじめてのホツマツタエ 天、地、人の巻 今村聰夫 著