活断層に起きた地震を隠す悪質な苫小牧のCO2貯留実験 6月6日

 2017年の5月に中越と中越沖の地震の発震メカニズムを知る所に進んで来ています。GPS変動データーの異常と、1ヶ月分の震源地データーに構造線の動きを表す地震列が現れたことで、これまで明確でなかった長岡のCO2貯留実験が引きおこした中越と中越沖の地震がなぜ実験施設から15km、22km離れているのを説明出来るようになりました。前兆もある程度明確に出来ており、今後に生かせる所です。
 長岡のCO2貯留実験が引き起こす次の地震は、柏崎刈羽原発から長岡のCO2貯留実験施設までを構造線の断層地震として引き起こす物にするかも知れません。中越と中越沖の地震に挟まれたこの領域は地殻の劣化が進んでも、固い物にぶつかっていない部分が発震を起きにくくしています。それでも構造線の動きは明確になっているので、いつ動いてもおかしくない状況で時が流れそうです。何らかのきっかけがあれば、発震する可能性がある様に感じます。まだ様子を見ることになりそうです。
 長岡の状況が明らかになったので、苫小牧の状況を確認しました。こちらでは10km前後の深さでは地震がほとんど起きません。これは表層の地殻に動きが少ないことを表しており、長岡とは条件が異なる場所でした。
 2016年の4月より実験が開始されて、5月には7千トン前後の貯留量となりました。その後様子を見て2017年の2月以降に新たな貯留が始まり、4月末で約4万7千トンになっていました。
 この貯留実験には情報公開が行われており、ダウンロード可能なデーターがpdfで準備されていました。これを調べてみた所、2016年11月の地震のデーターが意図的に抜かれていることに気づきました。10月のデーターを2回使っているのです。
 恐らく地震のデーターを確認して公表する法的な義務はないのでしょう。あれば即犯罪です。最終的にはどの様になるのか分かりませんが、事業者が責任を逃れる為に御用学者を利用せざるを得ない部分になるでしょう。

 私たちの地震の科学は非常に遅れており、地震の予知は出来ないと地震学者が口にします。ここに予知が不可能であるという明確な根拠はないのですが、学者が揃って口にする以上、一般の人々にもこの状況が広まっている状況です。こちらは東日本大震災の311地震からその予知情報の存在した事を公表していますが、広めるには大きな災害地震を当てる必要があり、まだそのチャンスに恵まれていない所です。
 中越と中越沖地震の前兆も理解出来ましたが、311地震に比較すると弱い前兆です。M7クラス以下は前兆が弱く難しい状況があるのです。
 今回調べた結果ですが、苫小牧のCO2貯留実験施設が引きおこす地震には、既に前兆の断層地震が起きていました。それが抜かれているデーターの11月であり11月26日の4回の断層地震でした。明らかに断層上で拡がる震源のデーターです。数分間に4回が1カ所から連鎖していました。素人が見ても断層が動いていると分かるレベルでした。
 長岡のCO2貯留実験が引き越した中越と中越沖地震は日本の国会でも議論されていますが、科学がそこまで進んでいないことが理由で因果関係を明確に出来ていないのです。こちらも先月やっとこの因果関係を明確に出来た所です。
 これをそのまま苫小牧に利用出来ると良かったのですが、ここ苫小牧では条件が異なり、事例で似ている物は1995年1月17日の阪神淡路大震災でした。こちらも断層が明石海峡大橋の橋脚による重みで海水の浸入を受けて動いた物になります。この証明も難しいことがあり理論はこちらにとって明快ですが、この証明には新しい科学を使う必要があり、他の記事に書いているらせんの力の計測器と、垂直方向に流れる地電流を計測するループ磁場の計測装置を完成するまで待たされる状況です。

 苫小牧では断層が動きます。苫小牧の東側にある石狩低地東縁断層帯の地震であり、この断層の動きは最大でM7.7もあります。全体が動く場合の話ですので、ここまで大きくなるかは未知数です。
 この断層の動きはほとんどなかったのですが、11月26日にその南端部分が動いたことになります。M2からM1.6までの小さな地震ですが、この断層が今後動くことを教える重要な前震と言える物でしょう。
 苫小牧でも長岡の19Mpaと同様に高圧で最大23Mpaの圧力での注入です。この圧力で地層を拡散するCO2超流動体は断層やあらゆる隙間に拡散している状況です。
 地球は月と太陽の引力の影響を受けて常に上下に動いています。月に引っ張られると大半の場所が50cm~1m動くのです。この上下の動きによりあらゆる隙間が影響を受けて動きますし、構造線や断層など、動ける部分は非常に小さくですが動いているでしょう。この動きが上下左右に拡散する動きを促しているのです。
 長岡では深さ10km前後での地震を誘発していました。このレベルの深さまでCO2超流動体が拡散したと考えられます。構造線で囲まれるエリアに震源が集中しており、圧力のかかっている領域での強度の劣化が明らかでした。詳細は5月25日の記事、中越と中越沖地震の発震メカニズムについて、を参照下さい。
 この記事にはこれらの構造線と同様な物を苫小牧で検討してイラストに比較して載せています。こちらも参照頂ければと思います。以下まずこの点について簡単に説明します。

 長岡ではユーラシアプレートに押されて動く北東向きの力と、フィリピン海プレートと太平洋プレートに押されて動く北西向きの力が構造線上で交錯しています。この交点でありかつ、CO2超流動体により強度の劣化が起きた所で、中越地震が起きています。中越沖も構造線上に近く、その力の結果でした。
 これに比べると、苫小牧では表層の地震がなく、表層のプレートの動きを表す物がない事になります。動きが期待出来るのは断層か、火山活動に伴う動きになるという状況でした。これらを順番に調べる事になります。
 まずは断層の動きです。
 中越との地質図の比較では、硬さの大きく異なる場所がない事になります。樽前山の下には固い玄武岩があり、その表層部分には火山礫や火山灰などの柔らかい地層がある状況です。この地層が東側にある古い堆積岩層につながっている状況です。
 こちらの堆積岩層は東に行くほど古くなるので、ある程度固いことは現実です。それでもこの固い部分が長岡ではCO2超流動体と隣にある花崗岩質の岩盤に押されることで崩壊して地震になっています。その壊れた部分がこちらでは押す側になるので、それですぐに苫小牧沖での地殻が崩壊するかは何とも言えない部分です。もう少し明確な破壊につながる理由が必要に感じます。
 この破壊については樽前山が噴火する時に可能性が出てきます。この部分はあとで説明します。まずは断層の動きについての説明です。
 地質図で黄色い部分が苫小牧の東側にあり、西側の火山礫の部分との境界線上に断層が書かれています。元々地質が異なるので、硬さの違いなどからかかる力に応じてここに歪みとしての力の逃げ場が断層を作り上げることになります。構造線とも言える部分であり、動く時にはここが動きやすい部分になるという事になります。

 イラストには11月26日の震源地のデーターと、同時期のGPS変動のデーターも載せています。GPS変動データーによれば、この断層を動かしやすい力の加わった条件下での、断層地震の発震でした。水平方向は断層を滑らせる動きの最も強い条件であり、垂直方向でも上下の動きが断層の東西で異なる状況でした。動くべくして動いたと言う状況になります。GPS変動の方向は周期的に変化するので、1年に何度かこの条件を満たしてリスクを高める状況だと思われます。
 このイラストには阪神淡路大震災の発震メカニズムを載せています。ここでは断層に海水が注入されていますが、苫小牧ではその代わりにCO2超流動体が断層内部に拡散していっているのです。超流動体ですので当然の様に摩擦力は低下しますし、化学反応にも寄与しています。全体の流動性を海水同様に高めているでしょう。
 地震が起きた付近の断層のデーターもイラストに載せています。CO2超流動体の注入は深さ1km程度なのですが、この拡散が地下の深い部分へ進む裂け目、割れ目の存在と、断層の存在が分かると思います。CO2超流動体は高圧でこの領域を拡散しており、地震の起きた深さ6~8kmに届いたと思われます。断層の位置関係からも明らかな場所が地震の起きた領域です。
 11月26日に起きた地震ですので、本来であれば、CO2超流動体が起こした断層地震であるとして、CO2貯留実験がリスクの高い物である事を検討すべきでしょう。この断層が動けば最大M7.7もの大きさの地震になるのに、どうしてこれを隠して先に進めるのか、あとで責任問題になるでしょう。
 もちろん長岡で起きた中越と中越沖の地震の発震に因果関係を明確に出来なかったことを意識しての行為だと思います。CO2を処理する費用を自分の利益に変える為の詐欺的行為でありリスクを隠して利益を手にしたいのでしょう。今の裁判では長岡の例を引いて因果関係が確認出来ないという期待をしているのです。

 こちらがここに準備しているデーターを見せて抗議しても、権力が後ろにある御用学者は平気で嘘がつけるのです。その嘘を明確に出来ないとたかを括れるのです。
 実際にどうなるかはやってみないと分からない部分を持つのですが、ここに準備出来ている311地震の予知データーを裁判レベルで無視すれば、科学者として認められない能力レベルになるでしょう。因果関係を否定出来ないからです。その延長線上には中越も中越沖地震も出てきます。結局の所はこちらが大きな地震を当てる状況になるまでは、実績がないので難しいだけでしょう。
 ここ苫小牧で断層が動いて大きな地震になると、こちらは既にその状況を予想しているので予知をしたことになり、被害と震源分布の状況次第で簡単に認められるようになるでしょう。CO2も地表に漏れ出してくると思いますが、量が少ない予想であり海底が漏れ出す場所のメインなので、計測されるかは分からないでしょう。
 このまま大きな被害を出すよりも、CO2超流動体を地下から回収して、少しでも被害を減らすべきです。苫小牧の人々に状況を知らせて地震が起きる可能性を伝えることしか出来ないかも知れませんが、樽前山の噴火やGPS変動との因果関係は明確です。予知が出来れば被害もある程度減らせるでしょう。出来るだけ現状でのリスクを伝えることで、CO2超流動体を地下から回収すべきです。

 CO2超流動体を地下から回収するのは、樽前山の噴火に備える意味でも非常に重要です。こちらは樽前山が噴火する時に分かることなので、前例の三宅島の噴火を理解頂く必要が出てきます。こちらにもイラストを準備しています。
 火山の噴火はマグマ溜まりの潰れで起きる物になります。この例を三宅島と霧島の新燃岳で確認しています。イラストには三宅島の物を載せています。
 この時は潰れたマグマ溜まりが新島・神津島の物でした。これが理由で三宅島が噴火するという状況は理解しにくかったのでしょう。メカニズムはこの潰れにより表層地殻が裂けて動いたことで、その裂け目にマグマを吸い取った事が噴火につながる原因でした。抜き取られたマグマの残りがその後の噴火と噴煙を上げ続ける役割を果たしています。
 この例を苫小牧向けに選んだのは、この裂け目がCO2超流動体により強度劣化させられた苫小牧沖に生まれる可能性が高いからです。この場所の崩壊がM6クラスの複数の地震になる可能性があるのです。元々存在する構造線と樽前山が噴火する時の周辺地殻の動きからは、この可能性を指摘せざるを得ないでしょう。
 1739年に樽前山が噴火した時には、地震の記録も残っているらしいです。石狩低地東縁断層帯の評価文書には1739年が断層の動いた年の候補として出ています。メカニズムはイラストの通りであり、マグマ溜まりの潰れに従い、表層地表が動かされて、動きやすい場所にある断層が動くという仕組みです。
 苫小牧沖でこれが起きる時には、この部分に生まれる地殻の弱い部分の裂け目が震源地になる事に加えて、樽前山の噴火は石狩低地東縁断層帯の動きも促します。その時までに断層にはCO2超流動体が充満しているはずなので、断層の動きも激しい物になりやすいでしょう。大きな被害が双方から起きる可能性があることに加えて、GPS変動データーは上下の動きにも注意を促すことになります。津波にも注意が必要でしょう。近くて浅いので海水の動きは速くて大きな物になりやすいでしょう。大きな注意が必要なレベルです。
  
 311地震とマグマ溜まりの潰れのメカニズムについては他で使ったイラストを添付しています。マグマ溜まりの潰れは噴火だけでなく地震も誘発します。噴火がなくても大きな被害を出す地震が苫小牧に起きる可能性を指摘することになります。500万年前の地殻変動の残した構造線を載せていますが、この時に出来たと思われる構造線が苫小牧の海岸沿いに走る構造線です。この部分も重要なので関連情報として載せています。その後樽前山が動く時にこの構造線を動かしてきているので、影響はこの付近に今も残っているという事を明確にする為です。
 拡散しているCO2超流動体は状況次第で断層を通って陸側の地表にも出て来る可能性があります。こうなると健康被害なども含めてリスクを考える必要まであるのですが、その時には大きな地震に気を取られており、酸欠になる状況がどうして起きるのか、理解出来ずに被害を広げるかも知れません。
 こちらの懸念としては、それほどひどいことを起こしうる金儲けです。4万トン以上のCO2がガス化して地表に出てくる心配を断層があるのにしない理由がよく分からないのです。断層が動くことくらいは誰にも分かることですし、既に影響を受けて動き始めているのに無視しているのです。隠そうとしてもいるのです。
 事業者側は、長岡の例を参考にして責任逃れが出来ると考えているはずです。状況は長岡とは異なるのであり、目先のリスクを知るべきでしょう。長岡さえも柏崎刈羽原発付近の地震を起こす事になり、長岡も影響を受ければこれ以上の言い逃れは出来なくなるでしょう。そこまで事態が悪化する前にCO2超流動体を地下から抜き出して地殻を安定させるべきでしょう。被害を受けるのは苫小牧の人々であり千歳などにも断層地震の被害が及ぶ可能性があるでしょう。

 阪神淡路大震災の原因になった明石海峡大橋にも問題は残されたままです。現在も野島断層には海水の流入が続いており、以前とは異なる断層になってしまっています。火山の火口と同じレベルにらせんの力のエネルギーを体感出来る場所になっています。これもまだ科学に出来ていない部分ですが、気功の気を敏感に感じられる人には明確だと思っています。らせんの力の計測器による証明には自信のある部分です。
 イラストに載せる余裕がなくなってしまったので言葉による説明です。1995117では橋脚と陸の間が1m程延びています。それ以外にも橋脚の間隔も1m延びています。この時は橋の本体は未完成でした。移動量が1m前後ですんだので吊り橋のワイヤーが延びた程度で事なきを得ることが出来ました。元々日照の温度変化でワイヤーが伸び縮みするので、その余裕の範囲だったのでしょう。
 断層には今も海水が注入され続けており、2013年にはM6.3の地震が淡路島で起きており、破壊が今も進展していることを明確にしているのです。続きは神戸の北側にも起きると思いますが再び明石海峡部分が動くことにも覚悟が必要です。この時にもし2m断層が動くと、橋の本体がその延びについて来れるかは分からないでしょう。動く量による限界があるはずです。
 橋脚はM8.5まで耐えるらしいですが、断層が動くことを考慮しない地震対策では大きな被害に対処出来ないでしょう。その時は橋の一部が落ちる可能性があるだけでなく、もちろん淡路から神戸地区にも大きな揺れが再び襲いかかるのです。断層の影響を理解出来ていれば位置をずらすか、海底トンネルにしないといけない場所でした。同様に石狩低地東縁断層帯も、長岡の様にその被害地震を短期間に繰り返し引き起こす場所に変わるでしょう。断層地震は起き始めており、既に大きな変化は始まっているのです。柏崎にしても明石海峡にしても、苫小牧も同様ですが大きな被害が起きる前に対策すればその被害を大きく減らせるのです。

 311地震レベルが再び起きる場合は、この記事に紹介している前兆を伴うでしょう。南海トラフの地震が起きる時に明確になることです。科学として今これを無視するかそれともそれを理解して他のリスクに対応するか、私たちの科学が問われる事になります。一般の人としても、地震には関心が高いはずです。誰も被害には遭いたくないでしょう。苫小牧には今現在で明確な被害地震のリスクがあるのです。石狩低地東縁断層帯の断層が動く可能性が高く、CO2貯留実験のもたらす問題に向きあうべきでしょう。

 どこまでこの情報を広げることが出来るのかこれからの作業です。市役所や市民団体の方に情報を渡して、抱える大きなリスクを説明したいと思います。
 ご理解を頂ける方に寄付や借り入れでの支援をお願い致します。実際に苫小牧がすぐに動くのか、それとも柏崎刈羽原発付近の地震になるのかは分かりません。これまでにリスクを見てきた部分は他にもあるので、予知の出来る地震の場合にはそこからの動きになるでしょう。
 地震は南海トラフなど大きな物が来る時に当てられるでしょう。それを待つ間に苫小牧が動けば大きな被害になるのが現状です。被害がないと動けるようにならないのは非常に残念ですが、まずは出来る部分で情報を広めてリスクを警告したいと思います。実際に人命にも関わる話です。ご理解とご協力を頂ければ幸いです。

稲生雅之
ペンネーム イオン・アルゲイン