核抑止力の幻想からの目覚め   7月7日

 今日は、核には核でないと対応出来ないという説明が、幻想であるという事を書いてみたいと思います。核兵器による脅迫を恐れるようにこの世界は動かされていますが、現実の戦略を動かす物は核兵器だけではないのです。この先の核を手放す平和のために必要なことなので、現実を知って頂ければと思います。
 前回の解析により、三峡ダムの破壊が中国の他国への核攻撃に対する抑止力になると分かりました。巡航ミサイル1発約1億円ですから、これをたくさん購入して使えるようにするだけで、抑止力を得ることが出来るのです。

 ミサイル防衛のイージス艦が一隻約1,200億円ですから、この事を思えば数は十分に揃います。発射の関連と射程が十分かなども含め、詳細は色々あるのですが、現在の技術で対応可能です。
 日本がこれから核爆弾を開発し、自分で潜水艦とミサイル発射システムを作り上げて運用しようとすると、軍事専門家によれば、10年はかかるとのことです。費用も大きな物になるでしょう。

 核爆弾の開発には世論以外に政治的な圧力も大きく、NTPの脱退から始まる国際世論の非難に耐えて行かなければなりません。ウランは輸入できなくなりますが、日本にある物だけでも爆弾製造は可能だと思います。
 潜水艦や誘導衛星の準備など、時間もお金もかけて、ただ、相手国に核ミサイルのボタンを押させない状況を作り、その経済負担に耐えて行く必要があるのです。

 中国は空母も造り、戦力の増強に務めています。平和的に振る舞うのに空母はいらないと思うので、中国も戦力による様々な物の支配を願っているのでしょう。
 戦略を実行する上で、相手を黙らせる物が核兵器です。この攻撃をすると脅された場合に、その抑止力としての核を自前で持たないと、この脅しに耐えられないと多くの人は話をします。前回書いたように、日本を守るためにワシントンがこの脅しに耐え、日本に核の傘を提供するというのは本当に幻想なのです。

 日本政府も同様に、例えば尖閣列島の領有を諦めないと、東京に核ミサイルを落とすと言われると、ほとんど抵抗らしい抵抗は出来ないでしょう。
 この様な要求を中国が突きつけるわけがないというのが、中国の工作員の方々の意見です。侵略の片棒を担ぐのですから、最後まで中国を助け、今のアメリカの立場を中国に変えようと努力するのみです。

 アメリカの工作員の方々は、日本を核で守ると話し続けるでしょう。現実に日米同盟で今までやってきており、前回も尖閣を日米同盟の範囲に入れたなどと、実績を強調し、日本の独立につながるような協力は、裏で全力で回避する状態です。
 正直なところ、アメリカも、中国も、日本が核兵器を持つことを心底恐れています。核のボタンを押せない状態で日本と戦争をすると、勝つ事は難しいと恐れているようです。この恐れは日本を守るために死んでいった、何百万もの人たちが私達に残してくれた財産です。第2次大戦、大東亜戦争の記憶です。命をつないでゆく大切さを知ってほしいと思います。

 日本には広島と長崎の経験があり、今回福島では原子力発電所の事故まで経験しています。私達にとって核はまだ制御できない技術であり、その乱用は慎まないといけないと思います。今日本にとって必要なのは中国の核を抑止するための物なので、これが可能であれば、必ずしも核である必要はないと思います。また、核を使わない核の抑止は、この先の世界が核兵器を手放す事につながって行くと思います。

核抑止力 の解析結果
 核の抑止力に対して、社会資本へのミサイル攻撃で対処できる。原子力、火力、水力発電所、水道、送電、交通、燃料、弱い三峡ダムや都市を破壊する事になる。支配者を分断し、自滅に導く。戦争にも平和にもつながっている。
 抑止力対策として、民主化の政策、経済協力、技術供与、地球工学、メタンハイドレートなどの資源、汚染除去など協力して行く必要がある。
 中国、アメリカ、ユーロ、ロシアの脅しによる核の抑止力の洗脳を、情報公開により解放し自由で公正な物にする。核の抑止力は幻影であり、古い物として消えて行くかも知れない。
 マヤのコルマンの目覚めであるかも知れない。

 前回は上海と北京を分断する話を書きました。アメリカは同盟国なので、日本が検討する必要はないのですが、核を手放す手順のために例として少し書いておきます。
 アメリカの核に対抗するには、東と西の大都市と、ワシントンのインフラを破壊し、補給線を断つことになります。水と食糧と燃料のない状態、補給の出来ない状態が少し続くとすぐにパニックが起きます。銃の所持の問題により政府の手に負えなくなるのです。

 これは実際にこの様にするのではなく、核の報復としてミサイルでインフラが破壊され、ロスアンゼルス、ニューヨーク、ワシントンが機能しなくなると、政府はたくさんの人を助けられないと言いたいのです。その後政府は倒れ、新しい政府に変わる事になります。
 民主主義なので、ミサイルの報復の予想で大都市とその住人を失う事が確かとなると、政府としては一部を犠牲にするその選択肢、核による攻撃や報復は政策として使えなくなるのです。公表されているミサイル報復によりアメリカが大都市を人質に取られて動けなくなる姿です。

 夢物語と思うかも知れませんが、アメリカも中国も、自国がこの様な攻撃にさらされることをある程度考えていると思います。自国の原子力発電所が攻撃されたら制御できなくなる可能性の高いことは既に明らかですし、インフラを破壊された大都市などの大人数の所に必要な物資を大量に届けることが如何に難しいか、戦争における補給の概念ですぐに分かることなのです。

 第2次大戦後に核の軍拡競争が始まり、レーガン大統領のスターウォーズ計画により、ソビエト連邦は財政的について行けなくなって、一度国が崩壊し、今のロシアに変わりました。核の維持と技術競争には大きな費用がかかるのです。
 アメリカのその後は、どうなっていったでしょうか。東西の冷戦には勝ちましたが、この頃から財政赤字を垂れ流すようになり、今では連邦債務の上限を上げ続ける破産予備軍です。

 同様に中国も、無理な軍拡のために資金を印刷して回しているのであり、不動産市場の崩壊が目の前に迫っています。他国のソブリンファンドが資金を引き揚げている話も入って来ましたので、いよいよという感じです。
 今中国が求めている物は何でしょうか。以前覇権国であったメンツもありますが、メインは自国を何とかする経済利益です。尖閣の資源、南沙の資源が経済発展のために必要なのです。

 必要な経済発展を、アメリカ式に覇権で求めるから戦争になるのです。特に核を伴う戦争戦略はお金がかかりすぎ、国を滅ぼします。ソビエト連邦を滅ぼしたのであり、次はアメリカと中国の番になっています。
 核兵器も通常兵器も力以外は何も生み出しません。不況対策や、弾薬の在庫が溜まるたび毎に戦争や紛争を繰り返してきていますが、この利益に預かるのはほんの一部の人々であり、社会の利益にはなっていないのです。

 この壮大なムダに私達は目を覚ます時が来たのかも知れません。アメリカと中国の破産に近い経済混乱は戦争を呼ぶのか、それとも戦争を回避して求めるべき経済発展に向かって行くのか、私達の選択があるのだと思います。
 核ボタンを押させない道はある事が分かりました。戦争を起こさせない工夫にはまだ続きがあるようですが、平和に至る道が必ずあると思います。

 韓国は約500km射程の巡航ミサイルを持っています。日本はまだですが、この所持は大きく未来に影響します。
 フランスではドゴール大統領が、アメリカが核の傘で自国を守ってくれる保証がないのなら、自国で自国を守ると言う信念で行動しました。自国で核を開発し、独立を維持しています。
 この現実はソビエト連邦がフランスと戦争をするとなって、ワシントンに協力するなと核で脅した時にもフランスを守るかと迫り、アメリカ大統領が守ると答えられなかった結果です。この時代から核の傘は本当は使えないのです。今の日本をそのままにしています。

 日本には中国に核ボタンを押させないために、自衛力が必要です。インフラを効果的に破壊できれば、核は不要です。今達成可能な自衛力を考えて構築してほしいと思います。
 三峡ダムは、中国には珍しく、全人代会議の全会一致でなく決められた政策です。リスクを認識している人が多いことを示していますので、この場所へのミサイル攻撃を笑い飛ばすことは出来ないでしょう。
 実際にこの話が動き出すと、たくさんの米中双方の工作員さんの情報工作が行われることになると思います。

稲生雅之
PS 7月9日から4日間ほど改めて地震対策をお願い致します。12日くらいまで、また太陽から高速風が吹いてきそうです。
 沖縄の自然信仰家・比嘉良丸さんもリスクの高さを警告されています。たびたびですみませんが、この4日間の地震対策をお願い致します。今回も住んでいる所と福島のゆっくり地震に加えて、浅間山、伊豆大島、那須岳の小規模な噴火もイメージ頂ける様にお願い致します。