地震対策にご協力頂いた方、どうもありがとうございました。今回は磁気嵐の発生と追加の太陽フレアが起きたので、少し心配していたところでした。現在宇宙の電気を取り込む環境にはありませんが、電磁波は変則的な動きをしていて、まだ停止していません。
太陽の活動度が高く、しばらく油断は出来ない状況です。次の夏至に向けての動き、来月に向けての動きなど改めてお願いしたいと思います。
かみんちゅさんのセレモニーと勉強会が6月18,19日(土、日曜日)山中湖で行われます。18日がセレモニーで19日が勉強会です。私は18日も19日も参加しており、18日のトークセッションと19日の勉強会では放射能汚染について話をすることになっています。よろしければご参加頂けると嬉しいです。
17日から現地にゆく予定です。富士山近傍か関東の地磁気を調べてその先の地震の状況を検討し、かみんちゅさんとも話した上で次を考えたいと思っています。
かみんちゅさんのセレモニーと勉強会
福島第一原子力発電所の原子炉は、燃料棒の入っていた1~3号炉の全てでメルトダウンが起きていたと公表されています。始めはメルトダウンはないと言っていましたが、人々のパニックと批判を恐れ、本当のことが言えなかっただけのようです。
1号炉も3号炉も事故の初期に水素爆発を起こし、その建屋を大きく損傷し、放射能漏れを起こしています。2号機からは爆発音が聞こえたとのことですが、何が起きたのかが知らせられることはなく、現在に至っています。
放射能汚染が心配でこちらの関連の情報発信が先になっていました。今回IAEAの監視が入ったことと、メルトダウンを認めるところまで情報公開が進んだので、原子炉の状態を詳しく検討することにしました。
1号炉と3号炉は、メルトダウンした時に発生した水素ガスが原子炉の中から漏れだして、建屋の上部に溜まって爆発を起こしています。これは誰の目にも映ることだったので、何が起きているのかをごまかすことは出来ませんでした。
3号炉の爆発には単純な水素爆発なのか、疑問がある状態ではあります。黒い煙が上がった点が1号炉と異なります。何らかの追加説明が必要になると思うのですが、まだこの点は不明のままです。
今回は2号炉について詳しく検討しました。検討したくなった理由は以下の3点です。
1,2号炉からの放射能漏れが他の数倍と最もひどいのに、放射能が漏れ出す状況と経路が爆発などによって造り出されたとは言われていない。
2,格納容器から爆発音がしたのに、その意味を説明する情報がない。その時容器にかかっていた圧力からは大きな爆発音がする状態とは思えない。
3,2号炉の冷却水取り入れ口から高濃度の放射能汚染水が4月の始めに流れ出している。何故2号機からなのか理由が分からない。
事実関係として、まず、2号炉の格納容器から、3月15日の朝6時10分に爆発音がしたことは間違いありません。この後で内部の圧力は下がっていますので、爆発により放射能の内部への閉じ込めが損傷しています。
まず、爆発について考えます。本来圧力容器(燃料を入れて燃やす圧力容器の外側にあり、圧力容器を保護する容器、西洋なし形をして書かれている部分)内部には酸素がないので、水素が出ても普通は爆発はしません。図を参照下さい。
1、3号炉では水素は圧力容器から漏れ、その後格納容器から漏れ、建屋に溜まってその場所の酸素と反応して爆発しています。
1,3号炉でも水素は圧力容器から漏れ出しています。この漏れ出しの始めにガス圧による爆発が起きたのであれば、ここでも爆発音が聞けたはずですが、その情報はないようです。ガスは静かに抜けていったのでしょう。2号炉だけガスが抜ける時に音がすると言うのは、可能性は低いです。不自然な話となります。
酸素がなくて爆発が起きる現象も存在します。これはまさにチェルノブイリで起きたことと同じ現象です。非常に熱くなった大量の燃料などの物質が水に触れ、その水を瞬時に水蒸気に換えることで膨張し、その結果として水が爆発するのです。
チェルノブイリでは原子炉が予期せぬ臨界となり暴走して加熱し、冷却用の水を水蒸気爆発させ、原子炉を破壊したのでした。そこから原子炉内部のウランなどの燃料が大気中に飛散していったのです。
福島での現象は少し異なります。正確な情報は情報公開を待つ必要がありますが、2号炉ではメルトダウンにより、燃料の再臨界が起きたようです。
2号炉では爆発の11時間前に圧力容器に穴が空き、メルトダウンした燃料が漏れ出すことで、圧力容器の圧力が下がりました。
圧力容器には溶け出した燃料のほぼ全てが底の部分に溜まっていっています。漏れだした気体が格納容器を加圧して圧力抜きが必要となり、爆発の6時間前には圧力が抜かれています。(いわゆるベントです)
この状態であれば、水素ガスの漏れ出しから爆発音などするはずがないのです。でも現実にはサプレッションチャンバーと呼ばれる格納容器の下の部分から爆発音がして、格納容器の圧力は保てなくなったのでした。
この時に起きていたことは少し想像が入ります。誰にも経験のないことだからです。メルトダウンした液体状の燃料には、制御棒も混ざっています。この制御棒付近では再臨界は起きないと思いますが、制御棒と燃料がすぐに均一に混ざることは、外からの力で混ぜないと起きないことです。
溶け出した燃料の中で、制御棒の成分の少なかった部分が再臨界に達し、核分裂を始めて熱を出します。この状態で圧力容器を溶かし、その下にある格納容器の内部にあった冷却水と反応し、水蒸気爆発に到ったのです。再臨界の熱があれば、容易に起きるからです。
水素は十分にあるはずなので、何らかの要因で空気が混入し酸素と反応して水素爆発したとの可能性もあるかも知れませんが、こちらはかなり低い確率です。
水蒸気爆発は1,3号炉の水素爆発とは大きく異なります。1,3号炉の水素爆発は炉心の外で起きており、核燃料を吹き飛ばすことはなかったのです。溶けた燃料からガス化して圧力容器内に溜まっていた一部分を放出した程度で済んでいます。
2号炉の水蒸気爆発は、その爆発の中心に溶け出して再臨界に達している燃料核物質が存在し、その物質を爆発ガスと同時に外部へ吹き飛ばしているのです。この事が2号炉の放射能汚染が最も激しい理由と思われるのです。
この爆発が起きたか起きなかったかは、時間が過ぎて2号炉を解体する時には必ず明らかになります。飛び散った核燃料が、格納容器の中で飛散していることが明らかになるからです。
再臨界はこの爆発以外にも何度も起きているようです。12~14日の間に何度か中性子という再臨界に際して放出される粒子が計測されたと言われていますし、塩素38の存在や飛ばされた核物質の比率から核分裂反応が起きていたと海外でも言われています。
メルトダウンした核燃料の状態は、私達にはよく分からないですし、コントロールも上手く出来ていないのです。再臨界に関しては他にも心配な事象が存在しています。
1号炉の放射線線量が4月7日の余震後に約30Sv/Hから100Sv/Hに上昇し、炉心の温度までも40度くらい上昇しています。
地震により冷却水の流れが影響を受けて変化したとも言えますが、放射線線量が増えるには再臨界が妥当と思えてしまいます。理論上時間と共に減るだけの放射能は、再臨界しないと放射能が増えないからです。余震で少し位置がずれたくらいでは、3倍にはならないのです。
爆発の説明には続きがあります。爆発により発生した水蒸気は、格納容器の最も弱いところから漏れだそうとします。それは格納容器の西洋なし状の部分と、その下に描かれるドーナッツ状のサプレッションチャンバーをつなぐベローズと呼ばれる蛇腹状の配管部分です。
爆発音はこのサプレッションチャンバー付近からしています。この部分が損傷してここから大量の水蒸気と、溶け出した燃料を含むガスや排水が建屋の下に漏れ出しています。
この場所で漏れ出したことが大気への拡散を大きく減らすことにつながりました。チェルノブイリでは直接大気に放出されましたが、福島では大部分がこの周辺に留まり、冷却水を汚染してこの汚染水が海に流れ出す構図となりました。
この燃料の漏れ出しにより1,3号炉と比較して、2号炉の排水には約40倍もの濃さで放射能が存在しています。
大気への漏出が少ないのは、再臨界を起こした燃料が少なかったという単なる偶然が起こしたことです。1,3号炉では冷却の状態の違いから起きなかったことですが、今現在の各炉の燃料の再臨界がどの様に起きているのか、私達はまだ知らずにいるのです。
もし制御棒も入らずに溶け出した燃料の再臨界が起きていたら、爆発はこの程度で済むことはなく、圧力容器も格納容器も吹き飛ばし、核燃料の多くを大気中に飛散させていたでしょう。
2号炉の爆発 の解析結果
2011年3月11日の東北の災害により2号炉でメルトダウンが発生し、3月15日の6時10分に局所再臨界による水蒸気爆発が起きた。弱い配管から気密、閉じ込めが失われ、大量の放射能が燃料と共に漏れ、拡散している。
汚染排水は地下から取水口を通じて海に4月6日まで漏れた。管理者は他の排水に隠して、この放射能を他の排水のせいにしようとしている。
詐欺と犯罪は、政権とカツマタの交代、訴訟により情報公開されるかもしれない。
現在の情報では、4月1日から6日まで大量の放射能が2号炉の取水口から漏れ出していたそうです。4,700tBqです。これに加えて4月4日から10日まで低レベルの放射能汚染排水を海に作業として放出しています。こちらは1,500億Bqです。
現実にはこの汚染水はどれほどの汚染物質であったのか、分からないと思います。2号炉の地下、発電タービンを通じて取水口まで汚染された水で一杯だったと思います。この水をこのどさくさに紛れて放出している可能性があるようです。
2号炉で起きたことを隠さないと、大量の放射能漏れを隠せないようです。4月には漏れ出した放射能はチェルノブイリの約10分の1でした。6月になってこれが約6分の1まで大きくなりましたが、ここにはまだ、2号炉の地下にある分と既に海に不正に放出された放射能は含まれていないと思います。
漏れ出した放射能は、一部は建屋に守られています。この守りを通して広がった物で既に約6分の1の汚染です。地下や海へ漏れた総量で評価するのであれば、約6分の1でも少なくて、もっとひどい数値になって行くと思います。
現政権と電力会社には情報隠蔽が染みついていて、既にぼろぼろの隠蔽体質なのに、まだこれを続けることしか出来ないでいます。それでも何度も起きていると思われる再臨界は、いずれ認めることになると思います。
政権の交代も人の交代も、資金の切れ目も目の前にあります。次の政権に期待できなくても、その次もあります。政治的にも経済的にも世界レベルで変化しますので、日本もそれに合わせて変化して行くでしょう。
稲生雅之
PS 尖閣列島について
尖閣列島へのデモですが、震災にあった後なので、600艘とかで船団を組んで尖閣列島にデモを仕掛けることはほぼないそうです。香港や台湾でデモなどをするらしいです。
それでも数隻でゲリラ的には来るかもしれません。この数量であれば必ず防げますので、関係各位の油断のない努力で守られることを願っています。
取り合えずしばらくの間、数ヶ月かも知れませんが、問題は先延ばしされたようです。来年もデモの仕掛けについては同じ事になるかも知れませんので、注意をしていたいと思います。
残る今月の大きなリスクは、自然と経済的な物です。
体内被曝の放射能被害について、ストロンチウムとウラン、プルトニウムを含んだ物を作り直してみました。ご自由にお使い頂ければ幸いです。