2012年の電力            6月6日

 まず地震の件ですが、北からの電磁波は動き始めています。結果としてカムチャッカの地磁気が乱れており、アジア上空も8日くらいまで影響がありそうです。念のために9日まで対策をお願い致します。
 今回何も起きなくても次は22日の夏至に向けてまた稼働すると思います。高速太陽風の地球への到達がいつになるか、宇宙天気を見ながらまた改めて状況を連絡致します。まずは9日まで対策イメージをして頂けますようお願い致します。

 前々回ですが、7月から6月を見てみました。今回は同様に2012年の電力の事情から今年を考えてみたいと思います。
 現在原子力発電所は地震の影響で停止している物が多く、新しく原子力発電所を作るのは難しい状態にあります。でも、これは今だけの話であり、この先時間の経過と共に原子力推進派も巻き返しに出て来るでしょう。

 福島で具体的な健康被害が広がるまで、チェルノブイリを参考にすると2年くらいかかるかも知れません。その後は患者数が増加するので、誰の目にも健康被害は明らかになる流れで今進んでいると思います。彼らには患者が増えるまでに巻き返しが必要なのです。
 国が原子力を今まで推進してきた以上は、その利権に群がる人々が多いために、簡単には方針が転換できないと思います。どの様な可能性があるのかを調べてみました。

 現在の原子力発電が危険な物であることは、ほぼ疑われることがなくなったと思います。でもすぐにこの発電を止められるでしょうか。
 原子力は予算の確保がしやすかったので、受託者にとっては確実に儲かる物でありましたので、今後もこの種の利権を求める動きは簡単には止まらない気がしています。
 新しい原子力発電であれば、より安全になります。この新しい方式を求める流れも存在していました。

2012年の電力 の解析結果
 補償による資金不足から倒産、政府管理、送電、発電などの分離の可能性がある。情報公開により公正に扱われるかも知れない。
 国債、政治、貿易、食糧危機に関係している。戦争にも平和にもつながる。
 投資は、自然関連、メタンハイドレート関連、ヘリウム冷却、トリウム原子炉などに向けられるかも知れない。

 今年以降に起きてくる流れがここにも一通り確認できました。国債の危機から貿易が半減する可能性が高いと考えていますが、その後国の予算が窮乏する中で、電力会社が追い込まれて行くようです。
 情報公開により一社独占の害悪が改めて認識され、送電と発電の分離もしくは公正な競争を促すような複数社の体制へと移行して行くのでしょう。

 メタンハイドレートは経済危機が起き、貿易が半減した場合にこそ見直される気がしています。現状の市場にはLNGがあまっているほどなので、市場価格で安く買えるのです。
 それでも開発投資をするというのは、身近にある資源を有効に使おうとする動機があると言う事なので、やはり国債から追い込まれて通貨に混乱が起き、ドルやユーロとの貿易が大きく混乱する可能性が高いのでしょう。

 原子力関連の政府予算は年4千億円規模だったと思います。今年の分を今まで通りにそのまま使うのはおかしな事ですし、現在の軽水炉では日本では安全性を確保することが難しいでしょう。
 この予算、今すぐ全てが、原子力産業以外に向けられることはないと思います。急激な変化は軋轢も問題も起こしますので、大きな方向性を政治が示し、それに添えたらよいと思います。自然ネルギーの太陽電池も風力も、発電量の問題で原子力の完全な代換えはまだ難しいのが現実です。複数のエネルギーを目指した政策の転換が望ましいのでしょう。

 現実に次世代の原子炉の候補に挙がっているトリウム熔融塩炉も、ヘリウム冷却による高温ガス炉も、商業利用にはまだ越えるべきハードルがたくさんあるようです。
 福島の事故を見ている私達に対して、想定外という言い訳は繰り返し言える物ではないです。地震により配管が壊れるとか、電気が使えなくなるとか、考えた上での商業開発が必要になるでしょう。数年以上は開発にも時間が必要と思われます。

 私達が放射能を科学的にもう少し理解し、この無害化に道筋をつけないと、原子力は安心して使える技術にはならないと思います。
 この壁を乗り越えて行くことができれば、超小型の原子炉も一般利用の対象となり、遠い将来のSFの世界のようですが、原子力で動く車などが一般化することにも一応可能性はあると思います。

 もう一つ大切なことがあります。基本的なこととして、アメリカやイギリス、中国やフランスなどは核兵器を所持しています。この兵器にはウランもプルトニウムも必要です。この意味で彼らは原子力産業を軍需産業とも捕らえているので、ドイツのようにその利用を止めることはなく、今後も、兵器のためにも使い続けて行くでしょう。

 私達はどうするのでしょうか。日本には数年前までは大量のプルトニウムが存在し、すぐにでも核兵器に応用出来ると言われてもいたのです。日本で原子力黎明期にこの産業を推進した人の心には、この軍事利用の側面が見えていた物と思います。彼らは核兵器を作って自立したかったのかも知れません。
 結局の所、核兵器を持たずに核兵器所有国と渡り合えるかを、真剣に考えることが必要になる気がします。

 その時期は、本格的な紛争につながるかもしれない6月17日の漁船デモ以降になるかも知れません。前出のドイツはフランスと協力関係を築いているので、核の傘が上手く利用できています。
 それに対して私達はどうなのでしょうか。アメリカも中国も核兵器を持ち、お互いを牽制する中で日本を利用しようとしています。私達の望む平和は自立の先にあるのか、依存の先にあるのか、それとも協調の先にあるのかはっきりとしてくると思います。

稲生雅之