今年の10月28日に前後して半年くらいで経済の仕組みが変わって行く事をお伝えしています。政府発行紙幣による金利のない世界へ徐々に移行して行きますが、その状況をここしばらくずっと考えてきています。
理想的な状態になるにしても移行期間は必要ですし、今の現実の問題に対処しながらでないと物事は進まないと思います。
経済学の本をひっくり返してみても、現在の状況を正しく説明する物があるわけではありませんでした。世界全体で経済を考える時、そこには全体を上手くとらえるマクロ経済学は存在しないようでした。
各国経済がボーダーレスにつながる中で、各国の中央銀行による金利を使った経済運営が行われています。その実態について調べてみると、金利を上げると景気を押さえることが出来ると言う古典的な操作が出来なくなっている現実が見て取れます。日本で言えば、教科書通りに金利をずっと下げているのに、いっこうに景気が良くならないという事になります。
現在の経済を動かす金融の仕組みは、上記のように中央銀行が金利の操作を通じて景気を左右することと、市場への資金供給量を変化させて同様に景気を左右することです。
市場へ供給される資金は、銀行の信用創造の仕組みを通じて供給量の10倍くらいに増えた形で使われて行きます。現在の経済ではこの仕組みを使って経済を動かしていますので、この仕組みがどの様になるのかを考えていました。
金利のない世界を考えるのは単純には難しそうです。世界で見るとイスラム圏が金利を禁止しており、金利のない銀行システムが存在していました。
まだ調べている途中ですが、金利がなくても適切な利益、収益を追求することで、経済を活発に動かす仕組みが存在していました。
現在のイスラムの世界は西側と比較すれば、石油に依存した遅れた社会が多く、宗教が足かせになっているようにも見えると思います。
歴史で調べると、中世にはイスラム世界の方が進んでいた時代もあります。当時はキリスト教圏では教会が富を独占してしまい、社会の発展を阻害していました。
この時のイスラムは、富が喜捨によって共有されるがごとくであるために、富者から社会に富が還元されることで豊かな世界になっていました。
この後の変化はルネサンス後、産業革命後に現れてきます。キリスト教圏では教義の変化により利潤の追求が許されることになったので、銀行のシステムを通じて資金を大量に動かすことが可能になって行きます。信用創造の仕組みがあれば、必要な資金を現物の何倍にも膨らませることが可能になるので、必要とされる資金を作り出すことがタイムリーに可能になります。
これに対してイスラム教圏では、信用創造の仕組みはあるのですが、資金の流れに物の売買が伴う必要があり、資金を何倍にも膨らませるには時間がかかるのです。この時間の差が成長速度の差となって現れるので、それぞれの社会の発展速度には大きな差がついたのでした。
ある意味言い換えるとイスラム圏ではゼロ金利ですが、そこは信用創造の小さな経済成長の遅い世界であるのです。
世界について考えると、今経済発展をしている中国やブラジルなどの国では金利は5%以上で高くなっています。インフレを抑え、経済の成長を暴走させないためにはこのくらいの数値が必要なのです。
これに対してアメリカ、EU、日本など先進諸国は軒並み0~1%程度の低金利になっています。今までに発行した国債の利払いを押さえるためでもあるのですが、経済成長が必要なくなっていることの証でもあるのです。
信用創造についての解析結果
マヤの終わりの時期にも、銀行の信用創造は保たれる。
デリバティブ(金融派生商品)の決済と情報公開が必要であり、隠された物、国の資産と債券の精算も必要になる。
生産物のローン、イスラムに見る責任の共有が必要になる。
金利がなくなる話をしていますが、日本の0%に近い金利は金利を無くす手前まで来ていると思います。ほぼコストゼロの資金に手数料と収益を載せた状況になっており、大まかにですが、イスラムの金利のない世界が達成できているのとかなり似ています。
先進国で社会資本がある程度充実し、福祉社会になっているような所では、経済成長は低くなっています。アメリカもEUもほぼゼロ金利であり、金利のない世界への準備が出来ているようです。
金利のない世界では、自動車やテレビ、冷蔵庫などの生産品のローンは、今のゼロ金利の金額でのローンでそのまま使えると思います。イスラム金融のメインはこの種のローンであり、私達は既にこれに近い状況にあります。
家については政府発行通貨により取得することになります。高額で必要な物にはこのローンを認めることとし、長期のローンを金利無しで組むことになります。短期金利はほぼゼロですが、長期の金利はゼロではないのでこの対応が必要です。
政府については、今までの国債と資産の内容を情報公開し、必要な物には相殺による精算が求められることになると思います。日本の場合は特に資産が多すぎ、官僚達により隠され遊ばされていますので、これを有効に活用することになります。精算により私達の国債残高は大幅に減ることになるでしょう。
現在の政府予算は国債発行無しでは組めない物になっています。今後は税収、収入に応じた予算に変わって行きますが、建設事業など物や価値の認められる物に関しては、ここでも政府発行紙幣により担保と交換することで金利を伴う国債は不要になって行くでしょう。
債券市場の混乱後、日本も同じですが、アメリカ、EUもデリバティブの精算が必要になります。これを行わないと負債の責任が誰にあって何故発生したのかが分からなくなり、経済の混乱によりうやむやにされかねません。多くはレバレッジを使った金融商品が無価値なのに有価値として処理されており、これをなくして市場にある資金の量、資産の内容を明確にして行く必要があるのです。
アメリカとEUの債券はその負債によりデフォルトとなると思いますが、過剰な債務は返済できませんし、責任を必要以上に求めることになると戦争にもつながりかねません。今回は金融の問題であり、戦争により土地が疲弊しているわけではありません。今ある生産力をGDPの範囲で有効に使えば、国民が飢える必要はないはずです。
社会資本は既に整っているので、新しいお金をGDPの範囲で上手く使えば、混乱は一時的な物となり、金融機関の問題として処理されて行く事になるのではないかと思います。
ブラジル他金利の高い国では、今の体制で経済を発展させることで良いと思います。金利のない社会では発展には時間がかかるので、国民が発展を望むのであれば、今の体制でも良いと思います。
先進国が政府発行紙幣を上手く使う状況を国民が目にすると、徐々にこちらへのシフトが起きてくると思います。社会の発展スピードを見ながら徐々に変化させて行けばよいと思います。
無国籍の資金が市場をどこにでも移動して、金利の高い場所に留まって利益を求めています。今は資金の出し手が貸し手の立場として有利になっていますが、責任を持たなくて良いようにされています。歴史に見るとこれが強欲を呼び起こすことになるので、余剰資金の運用はイスラム的に投資先と責任を共有する必要があります。都合の良い所だけ抜き取る仕組みはお金を持つ物に有利なだけであり、その行き着いた先が現在の負債に苦しむ世界です。
これから起きる各国国債の混乱は、情報公開による決済を通じて金融の行きすぎた強欲を普通の物に戻す作業になります。重要な事は、戦争などにより実体経済が痛んでいるわけではないということです。隠されている情報を公開すれば、再びその実体経済を今度は公正に動かして行けるのです。
金利のない世界はまずは社会資本の整った先進国からになります。それに続いている国々も社会資本が整い経済成長の低くなった所から実行して行くことになるのではないかと思います。
今ここで既に達成している短期金利のゼロだけでなく、長期金利を政府発行通貨によりゼロに出来れば、私達は安定した社会を得ることが出来るようです。国債の発行と長期のローンを政府発行紙幣にすること、その発行を裏付けのある資産に求めることでこれらは可能になります。金利がゼロになることで、家などのローンに追われず今よりも豊かな社会を作って行く事が可能になるのです。
大阪で見てきた除災招福の砂曼荼羅の写真です。未来に良い変化が起きるようにと願っています。
稲生雅之
2月4日追記
かみんちゅさんの勉強会が2月に3回ほど行われることになりました。
2月20日日曜日 北海道(たぶん札幌)
2月26日土曜日 福島県(たぶん郡山)
2月27日日曜日 東京
内容は経済と食糧危機についてとのことです。私も1時間くらい経済についてお話しさせて頂く事になると思います。
場所はまだ未定です。詳細が決まったら改めてここに載せて連絡致します。
よろしくお願い致します。