雌阿寒岳の微弱地震の再発    1月19日

 噴火を予想させる雌阿寒岳の変化について、これまで状況を説明してきています。
 1月12日と1月14日のM6クラスの地震の影響を受けた様子で、12日の後は噴煙が弱まったのですが、14日の分を経て噴煙は以前よりも強まっています。ポンマチネシリの噴煙がメインでしたが、ナカマチネシリの噴煙も目に見えて大きくなっています。
 1月17日には微弱地震の群発が再び起きています。前回の微弱地震は根室沖の地震の発生後に止まっていますので、こちらのプレートに変動が起きると活動を抑止する方向に働くのかも知れません。マグマ溜まりの状況次第で加速するケースもあると思いますが、今回の微弱地震は十勝側のプレートの動きの影響と感じています。

 昨日から北海道の天候が不順で、噴煙の状況を見る事が出来ていません。変化は進展していると思うのですが、天候の回復を待つ必要がある状況です。
 今回の微弱地震の群発が、火山性の微動や地震につながっていないか知りたい所ですが、こちらも気象庁の公表する情報を待つしかなさそうです。
 本日のGPS変動データーを見ると、周期的な変動に加えて、青森と岩手の三陸海岸部が少し大きめに変化していることが分かりました。この変動が1月14日の地震につながったのかは明確になりません。高低の変動も見ましたが、相関は不明瞭でした。

 GPSのこの変動は十勝沖のプレート変動を表していると思われます。変動は雌阿寒岳のマグマ溜まりにも影響すると思われるので、GPS変動の点からも今後に注意が必要になります。
 大きくないと思いますが、噴火に向けた変化が進展している状況であると思います。引き続き注意を喚起です。

稲生雅之
イオン・アルゲイン