プレアデスとオリオン星雲        4月6日

 遺跡と伴星の論文を書き進めています。書く量が多く大変なので、しばらくの間ここに書く記事も少し影響を受けることになります。
 世界の政治ではイランの核開発が概略合意に至り、正式合意に向けての検討が始まったことが流れています。サウジは戦争に向けて動いている部分が見えていますし、イスラエルはこの合意に反対しており、まだ波乱要因を残しています。

 それでも平和を求める流れが世界に存在していることは明らかな現実です。イスラエルががんばってもアメリカを動かす以外には小国としての足かせを持つのであり、モサドがこっそりテロなどを起こす以外には行動に制約がつきまとうのです。ただ、もちろんこのリスクは上昇しています。
 ロシアにしてもドイツにしても、イランとの戦争など望まないでしょう。自国の核が優位性を失うことに恐れをなしているイスラエルですが、核が戦争抑止力の全てではないとなる時が近未来に来ると思っています。変化のタイミングになるかも知れません。

 論文を書くためにこれまでに調べて来たことを再確認しながらまとめています。伴星の本に書いたようにエジプトのダハシュールにある屈折ピラミッドは、伴星周期の1/4戻った時期に銀河系の中心部を指しています。
 その時期は正確に1/4ではなく少しずれていました。このずれの意味が知りたかったのですが、結局論文には事実を淡々と書く以外にない状況となりました。ここで触れても問題ないと思うので、簡単にご説明したいと思います。

 エジプトのギザのピラミッドは、オリオンミステリーという本に書かれたように、ナイル川を天の川に見立ててオリオン座を表しているように見えます。この本には屈折ピラミッドと赤ピラミッドが天の川の隣の位置で、牡牛座のヒアデス星団の明るい星アルデバランと固有名のないε星に相当するとされています。

 こちらの立場からすると天の川説は正しくて、メイドムの崩れピラミッドがカシオペア座のシェダルに相当します。このピラミッドの語る具体的な物にはここでは触れられずすみませんが、本に書かれているBC1万500年くらいの時は、大ピラミッドのレグルスとの重なりで表されています。解釈する意味は異なるかと思いますが、古い時代を指し示していることは確かな現実です。

 屈折ピラミッドに戻りますが、このピラミッドが銀河中心を指し示す時、他に何を伝えようとしているのかを検討してきました。これまでに見てきたピラミッドはその先端部分に星の輝きを重ねることで、特別の時期を示しています。
 これに対して屈折ピラミッドは、先端部分では星の輝きに重なりますが、下の部分は目視で延長して考えるしかない物です。この意味で輝く星を指し示す物ではないと考えており、銀河中心に注目していました。

 ピラミッドの角度は設計者の選べる物であり、屈折ピラミッドの下の部分も伝えたい時期に合わせて厳密に選べるのです。伴星の軌道パラメーターが確定したので、この時期を正確に出せるようになったこともありこの問題に向き合えるようになったのです。
 天文ソフトの計算する時期はBC4060年くらいです。この時期には今のところ歴史的な物を見いだせていないので、これからの調査になる可能性を残しています。

 こちらとしては銀河中心を選んで歳差運動に注目を促すなら、時期はやはりソフトの示すBC4400年くらいの1/4周期の時期である方が分かりやすいですし、厳密な計算にも向いています。特別な時を伝えるのに使える重要なチャンスを何に使ったのかが、分からない状況でした。

 この先は論文には事実関係しか書けないことなので、解説する本の中での説明になります。
 屈折ピラミッドの下部は、54度27分という急な角度で構成されています。試しにこの時他に何かを指し示していないかを調べてみました。すると牡牛座のプレアデス星団がちょうどこの角度に存在して重なるのです。
 輝く星ではないという予想を満足してはいるのですが、なぜプレアデスなのかは論文上は不明となります。

 このプレアデスを指し示すという状況は、実は偶然ではないのです。全天の星は歳差運動で回転軸のずれる動きをしています。その結果特定の時期に注目すると、ある部分では上昇し、180度反対の部分では下降する動きをしています。
 この時銀河中心は下降中で、プレアデスは上昇中なのです。高さが揃うのは歳差運動周期の中で2回しか起きない、約1万5千年に1度のイベントだったのです。

 こうして伝えたいプレアデスは、マヤなど多くの民族の伝承、神話の故郷です。加えて現在の位置にはオリオン大星雲が指し示されており、何らかの意味があることを伝えていることになるのです。
 実際にはメイドムのピラミッドも特別な時にアンドロメダ大星雲を指し示しており、これらが偶然なのかを私たちに問いかけているのです。

 論文中にはこの種の答えは書けないので、遺跡の配置がアンドロメダ座に重なる物があるなど事実のみを指摘することになります。メイドムの物は200年ほど重要な時からずれるので、本にのみ載せることになる予定です。もちろん一つの角度で厳密な時期を伝えられるのは1つだけであり、200年のずれはその次に伝えたい物を伝えるには十分な物になると思っています。

 ピラミッドは複数存在するので他にも指し示す天体はあり、シリウスもベガも含めて多くの星々を指し示しています。その中でも特別な時に重なる物がここに取り上げた物になります。
 私たちが様々な常識を見直しこの種の現実に向き合えるようになるのは、もう少し先になると思います。気づきを促したいのか、前文明の人々は関連する事実を残してくれています。

稲生雅之
イオン・アルゲイン