ヒッパルコスの歳差            4月1日

 2014年の年度末の経済は、大きな売り崩しなどの変化もなく過ぎました。前日のニューヨークが大きく値を上げたこともあり東京はその余波で済んだようです。
 本日の株価は下げており、これも予定通りなのでしょう。今月は選挙の月になるので、ここでも大きく崩されることのないようにがんばるところだと思います。大きな波乱につながる物は見えていませんが、イエメンの政変やサウジの空爆などこの関連は大きく変化してきています。改めて書く事になる予定です。

 今こちらでは遺跡の伝えようとしている物を論文化しているところです。その為にこのHPに公表したものを取り下げていますが、その後新たに判明した物などうまく進んでいる部分はすみませんが公表出来ない状況です。
 参考程度にしかならないデーターは公表出来るので、この部分を少し書いておきたいと思います。

 ヒッパルコスは紀元前150年くらいの人で歳差運動を発見した人であり、望遠鏡も衛星もない時代に三角法で月までの距離をかなり正確に計測した人でもあります。
 彼は150年ほど前に作成された星図から昼と夜が等しくなる太陽の位置である春分点を求めたところ、自分で計測した春分点との間に2度ほどずれのある事に気づきました。この動きがいわゆる歳差運動になるのですが、当時は肉眼で計測している時代です。皆既月食時の乙女座スピカの位置を使い、月の大きさを参考にして春分点の位置を計測し、そのずれを導き出したと言われています。

 彼の計算した歳差運動の値は、46.8秒から44秒程度まで様々な幅を持って語られています。彼の書いた本は失われており、後の時代のプトレマイオスの書いたアルマゲストという本から推定しているようです。
 現在の歳差運動の値は50.24秒程度にされていますので、大きな狂いはないのですが、ずれていることは確かです。

 こちらでは太陽の伴星の軌道パラメーターが確定出来て、シミュレーションも出来るようになりました。正確なシミュレーションにはならないのですが、こちらの求める精度が暗号解析の精度なので誤差20年で十分です。この状況はクリア出来たので、歳差運動の数値が変化しているという実データーを探していました。

 こちらの計算によるとヒッパルコスの時代の歳差運動の数値は49.4秒になりました。現在の数値とあまり変わらないのですが、1万4千年遡るとこの数値は38秒まで小さくなり、明らかな変化となります。
 当時の春分点の位置も、この速度の変化により現在の推定からは位置がずれるので、もしかしたら何か分かるかも知れないと思い調べていました。2000年分の変化に期待したかったのです。

 プトレマイオスの残したアルマゲストには星表が入れられており、当時の春分点と星の位置が明らかにされています。この春分点がデーターとして使えると良かったのですが、データーはずれが大きく、伝えられている時期よりも古いAD53年頃の物であると計算出来てしまいました。元のままだと4%早い歳差運動の値を出していて明らかにおかしいのです。
 AD53年は今の歳差運動から求めたもので、こちらの進める伴星の影響からの物ではありません。伴星にした時に大きなずれがある事を期待したのですが、計算出来たずれ量は0.1度でAD46年に遡るという程度でした。

 もっと大きな数値だと良かったのですが、このレベルだと計測が難しく誤差に埋もれてしまうレベルです。肉眼での計測では1分(1度の60分の1)という角度の誤差が出るのですが、春分点の比較にはこれが合計4回分必要なので、その結果として49.4±2秒となるのが現実です。46.7秒は偶然短く計測された物であり、データーとしての信頼度は残念ながら低い物だと分かりました。

 遺跡の側ではこの種のデーターは期待出来ないので、歳差運動のデーターを古い物まで遡ることは難しいと分かりました。遺跡は当時の一年の長さや月の周期を測ることに使われており、その痕跡を分かりやすい形で留めています。この点は論文での公表になります。
 他にも神話との相関も再確認しました。ここまで進んでくると見落としていたものが大きかったことに今更ながらに気づくのでした。

 歳差運動の神話としてエジプト神話を見ると、昔の1年が360日であったという記述だけでなく、7を強調していることが分かるのです。14,28,56が繰り返し登場し72と合わせて歳差運動につながる数値になっていました。
 伴星の本を書いた時には4320×6=25920に注目させることには気づいていましたが、本当は4320×7=30240であると言う事は分かりませんでした。

 同様に見るとヒンズーの神話にも1728,1296,864,432という数字の羅列が出てくるのですが、1728+1296=3024が組み込まれていました。
 ヒンズーと仏教の遺跡であるアンコールワットも4320にこだわっているのですが、まずは現在の数値25920に関心を持ち、その後に30240へと導く仕掛けになっていたものと今は分かる気がしています。遺跡も関連する神話も歳差運動の本当の周期は約3万年である事に気づいて欲しかったのでした。説明すべきメッセージの遺跡はその後増えて8カ所で、参照する遺跡が3カ所です。

 歳差運動の原因である伴星の存在は多くの人には信じがたい物であり、現実の証拠は地震の発生原因になるくらいです。当時の本のデーターを載せておきますが、今回はこのデーターを12月21日を1ヶ月の中心にして作り直したものを使います。添付のデーターから推定出来ると思いますが、そうすると12月のデーターが他の全ての月を越えることになるでしょう。今のデーターとの比較で中心位置とその大きさが分かりやすくなるのです。

 これに加えてデーターの信頼度を高めるために地震予知の話を使います。地球外部の磁場の存在で地球全体が広域に揺らされることになるからこそ、広域の大型地震につながるという話です。メカニズムを説明すると大型地震の予知が出来る現実が明らかになるので、この点からも伴星存在の現実が理解されるようになることを期待しています。

 地震予知の論文はらせんの力を絡めて書く予定でしたが、一部を伴星の論文に載せて、詳細を別に書くことになる予定です。まだ記事を取り下げていないプレートの運動なども書かないといけないのですが、こちらは長い説明が必要になるので後回しにすることにしています。地震予知上の重要事項を伴星の側に載せて、詳細が別論文となります。

稲生雅之
イオン・アルゲイン