イスラエルの選挙           3月18日

 17日がイスラエルの選挙で、与党のネタニヤフ氏が勝利宣言をしています。120人の議員の議席のうち29取れたとのことで、24の野党に対しての勝利とのことです。よく調べてみると野党の党首も勝利宣言をしていて、これから連立工作が始まり、どちらかが政権を取る事になる状況のようです。

 ここでネタニヤフ氏の与党が負けると、イスラエルは大きく左旋回することになるかと思っていました。残念ながらその様な事態にはならなかったのですが、野党が勝利宣言出来る状況というのは、ネタニヤフ氏にとってはぎりぎりの勝利である事を表しているようです。

 実際にどれくらいの時間がかかって政権が成立するのか分からないのですが、少なからず左寄りの政策に振れる要因を抱え込んだのではないかと思います。
 イスラエルの右派にとってはイランとの戦争しか道がないように見える様子で、3月始めのアメリカ議会でのネタニヤフ首相の演説は、オバマ大統領のイランとの核協議を非難する物でした。

 議員の40人くらいが欠席する中で、言いたいことだけ言ってきたような印象です。実際に現政権との距離は大きくなったでしょうし、イランとの核協議に反対こそ出来ても、代案を出せないのが今のイスラエルの状況です。
 ロシアがこの情勢をどの様に見ているのか確認したかったのですが、まだ記事になっておらず、西側でない意見の確認はまだ出来ませんでした。

 それでも目を疑うニュースが載っていました。オバマ大統領の発言だそうです。ロシアの声からです。

 オバマ大統領は、米国のテレビVice Newsのインタビューに応じた中で、現在イラク及びシリア領内で活動中のテロ組織ISの起源について語り「ISの影響力が強まったのは、ジョージ・ブッシュ大統領時代の2003年に行われた米軍のイラク進攻の予期せぬ結果である」と強調し「ISは、米軍の侵攻により肥大化したイラクにおける『アルカイダ』の分派であり、前もって意図された結果ではない」と述べた。

 イスラエルも中東での戦争を望む以上、イランだけでなく他の組織とも戦うことが必要です。実際にイスラエルがISISとどの様な関係かを調べてみると、表向きは敵扱いですが、シリアとの国境を通じて接触があり関係は保たれている状況です。
 このタイミングでオバマ大統領がこの発言をする意味がどこにあるのか分かりませんが、ISISは戦争を望む人々の動きの中から生み出されてきた事を認める発言です。

 西側のニュースには載りにくい内容ですが、オバマ大統領と共和党の戦争を望む人々との間での闘争が激しくなっていることを伺わせる状況です。
 この先の6月が交渉期限のイランとの核交渉がどの様に展開するのか、次にこのタイミングが重要になってきているようです。何度も何度も伸ばされる交渉期限ですので、この先もまたどんどん伸ばされることには可能性があると思います。
 オバマ大統領が解決を望む状況でなければ続かないことでもあり、彼の任期がリミットになるでしょう。

 3月の経済に注目してきましたが、株価は19400円まで上昇し円は1ドル121円まで下落しています。これはいくら何でも行きすぎだと思いますが、EUまでQEを始めるというアナウンス効果も大きく、円の下落を誘った物でしょう。EUの実効的な物は遠からずはげ落ちるはずです。その後効果は薄まるでしょう。
 ルーブルは1ドル62くらいで大きな下落につながっておらず、ロシアががんばれていることを示しています。

 そして一方でシェールの油井は止まってきています。影響が大きく出るまでもう少しなのかまだまだなのか、難しいところです。少なくともリーマンショックの直前のような情勢ではなく、まだこれから経済指標が悪化する中でぎりぎりまで大丈夫という演出が続くでしょう。シェールバブルが潰されるとウオール街が困るのです。

 イエレン議長もむずかしい状況にどんどん追い込まれており、バブルを潰したくてもバブルは膨らむ一方に見えています。
 バーナンキ議長も市場に警告を発して株価を大きく下落させたことがあります。イエレン議長も市場に流されるだけでなく警告を出す時がもう少し先には来る気がします。目に見えてシェールバブルが萎む時、変化を試される感じです。他国のQE影響をどうするのか難しいところになります。

 今月で世界の株価が曲がり角に来ると見ていましたが、現状このままもう少し続き、日本は年度末をバブルで乗り切りたいという状況でしょう。ここに向けて売り崩しがでるかと思います。
 大きな変化にはならずに峠を越える感じで進んでゆくのではないかと思います。

 ここ数回遺跡とコードの解説記事を載せましたが、現状を論文化して出すことにしました。その為に記事は一旦取り下げておきます。地震予知も同様で公表出来るようになったところで公表出来る物に戻します。
 伴星の軌道を改めて計算し、シミュレーションも出来るようにしているところです。この中で星々との重なりに以前の見積もりミスがあり、この関連も修正が必要になりました。正しい物はまずは論文に載せて、その後こちらでの公表となる予定です。

稲生雅之
イオン・アルゲイン