火山活動とGPS変動       2月24日

 3月の変化に向けて、2月の経済がどの様になるかを見てきました。ウクライナ情勢が動いていますが、アメリカの武力介入を避けるべく、ドイツ、フランス、ロシアが行動し、停戦合意に至っています。当初は紛争地域が残り停戦が続くか心配されたのですが、その場所からはウクライナ軍が撤退し、激しい戦闘は避けられています。
 ポロシェンコ大統領がTVに出てきて撤退を公表しており、ウクライナも戦闘を望まない姿勢を明らかにしています。

 アメリカは戦争を望む人々が政治力を強めているので、このまま引き下がることはないと思いますが、3月のイスラエル選挙も近づき動けなくなる部分も出てくるかと思います。戦争を望む彼らはここががんばりどころですが、結果は予想出来ない状況です。
 日米共に株価は高いところにありますが、これがいつまで続く物か、疑問に感じているところです。現在1ドル63ルーブルで石油は1バレル50ドルくらいです。

 石油はこの価格に落ち着くにしても、ルーブルは格付け会社の格下げを経ても大きな下落にはつながっておらず、プーチン大統領の自信にもつながっているでしょう。
 この状況から何が起きるのか、注目しているところです。3月はイスラエルの選挙に加えて中国の全人代という国会があり、政治的な動きも出てくると思います。中国では経済の下落が目に見えてきていますが、このあたりもどこまで今のまま進むのか疑問の出ているところになります。来月改めて詳しく見てゆく事になります。

 2月の17日に三陸沖でM6.9の地震があり、その後もM6、M5クラスの余震が続いているだけでなく、岩手寄りに別の震源も存在して揺れています。東北沖の地震のエネルギーの調整だけでなく、噴火にもつながりそうな雰囲気です。
 311以後東北だけでなく日本中の火山が活性化しましたが、今回のこの地震でも同様に火山の活動を噴火として促すかも知れません。

 東北では、蔵王山と吾妻山で噴火の兆候が昨年から見られており、現時点では吾妻山の噴火に可能性が高まっています。しばらく前から続いてきたこの状況を刺激したのが三陸沖の地震です。この地震がこの噴火にどの様に影響するのか、これから見てゆく事になります。
 地震は地殻にかかる力を変化させ、その震動は火山内部の弱いところに破壊をもたらしているはずです。変化しつつある場所などには影響が出やすく、火道を広げるマグマの圧力にはプラスの影響だと思います。

 本日発表のGPSの地殻の動きのデーターを見ていると、関連する変化が起きているのか明確ではありませんが、日本全体で変化の見られる状況です。
 添付の1枚目のデーターは1月と本日発表の2月の比較です。2月のデーターは西日本ほど反時計回りに旋回しており、九州、沖縄では移動方向が90度以上変わったところも目につきます。

 昨年の8,9月にかけて、GPSデーターにはそれまでにない反時計回りの旋回が起きて、日向灘の地震や九州の噴火につながりました。御嶽山の噴火もこの一環だったと思っています。この時の状況に現在の状況が似て来ているので、その警告をしたいと思います。
 このままの状況で旋回が続くと、昨年の8,9月のレベルに変化が届くと思います。これまでとは大きく異なる方向に力が加わるので、マグマ溜まりなどには変化が出やすくなるのだと思います。

 現状で噴火に関連する火山はたくさんあります。九州は阿蘇山が噴火していますが、このGPSに見る動きは活動を促す事になるでしょう。霧島も同様です。
 桜島は山体の膨張に警告を出している位なので、大きめの噴火につながる変化が起きてもおかしくありません。注意が必要になると思います。  

 御嶽山にも注意が必要ですが、草津白根山では23日に火山性地震が増加し噴火のリスクが高まりました。17,8日には伊豆大島でも火山性地震が増えていますが、こちらはすぐには噴火しないと思います。フィリピン海プレートに関連する部分の活動全般が活性化したと見られるようです。

 2枚目のイラストにはGPSの長期変動のデーターを載せています。このデーターを見ると中央構造線に相当する場所が、他と比較して変動が少なくなっていることが分かると思います。
 このGPSデーターは上下なので、1枚目との相関は直接的な物ではないのですが、横に引っ張られたときもこの場所が動きにくくそこを堺にして影響が大きくなりやすいと考えて下さい。

 その結果で見ると、御嶽山の噴火を促す動きが昨年8,9月に起きたと見る事が出来ると思います。その続きで今回は御嶽山だけでなく草津白根山もリスクを抱えていると思います。GPSデーターが大きく動くとその刺激が噴火につながるかもしれません。
 注意する必要があるでしょう。また、浅間山もガスの放出量が一時的に上昇した事もあり、変化に注意が必要かも知れません。

 今回の三陸沖の地震後、昨日ですが千葉の80km下の震源でM4.5の地震が起きました。この震度分布を載せていますが、この震度分布は二つに割れて関東地下に入ってきているフィリピン海プレートの形状を良く表していると考えさせられました。
 形状が似た理由には東京や埼玉の西部は山間部で地震計が少なく、地震が途切れているように見えやすい事もあるかと思います。この事を加味してもプレートの地震はそのプレートの面でこそ揺れやすいという事を表していると思います。

 311で10年分加速した関東深部のフィリピン海プレートの歪みですが、この歪みが大きく解放される時に、今回の分布が最大M7以上の分布に変わる事になると思えます。
 今回のこの揺れは三陸沖地震、太平洋プレートの動きに影響を受けた部分があると思います。こういった事がもう少し正確に分かると良いのですが、この場所に他のプレートの影響を受けやすい地震の種が、プレートの歪みとして存在する事は間違いないように思います。今回の地震の連鎖が教えてくれた様です。

稲生雅之
イオン・アルゲイン