前回富士山と箱根山について書きました。心配している経済はギリシャの25日の選挙がEU脱退につながるのか検討する予定で来週書けるようにしたいと思います。関連するのかフランスでテロが起きていますが、こちらにもどんなつながりがあるのか考えています。
地震予知の代わりに火山の噴火を説明する事にして準備を進めています。桜島は2009年から活動が活発で以後頻繁に噴火を繰り返しています。阿蘇山も311以降活動が活発化して、昨年11月末に噴火をしています。
311後に日本の火山は全体的に活発化しました。火山はもともと主に太平洋プレートの動きを受けた活動ですので、こうなるのは当然と言えば当然です。どの火山が噴火するのか分かると良いのですが、前兆の分かる物でも難しい物もある様子です。
桜島は常々噴火している感じですが、1月始めに鹿児島の気象台が少し大きな噴火に備えるように警告を出す事態になっています。
一般的に噴火の前には、地下からマグマが立ち上ってくるので、山体が膨らんで山の傾斜角やGPS計測による距離が伸びる形で変化が起きてきます。
今回の桜島はこれまでよりも急に動いたらしく、気象庁のHPに状況の計測データーが出されていました。変化が起きる時はこの様な感じで起きるのではないかと思いますが、状況としてはこれまでとは異なり噴煙を上げるだけでなく、火砕流としてマグマの噴出が始まるかも知れないという事を本当は強調したいのかも知れません。
昨年9月の御嶽山の噴火で予測が出来なかった事により、少し慎重になっているように感じます。リスク重視はこちらとしては望ましく、当面リスクには備えるしかないでしょう。火砕流のリスクがどれほどなのか、あとから分かる形での説明がなされると思います。
桜島は当分様子を見るしかないのですが、昨年の8月以降は西日本がずっと活発になっている感じで、九州の火山は大きく影響を受けています。
阿蘇山の方は、11月の25日に噴火となりました。阿蘇山の噴火は分かりやすい噴火のパターンを繰り返していると言われており、火口湖の湯だまりが大きくなったり小さくなったりして活動状況を知らせています。
活動が活発になると湯だまりが干上がって、その後に噴火をするパターンです。今回も2013年の後半から湯だまりが干上がり始め、2014年の夏過ぎには干上がっており、噴火を待つような状況でした。
待っている間に火山性の地震が続き、マグマの上昇を示す地殻の変動も観測されて噴火に至っています。周辺の地下水の流れもマグマの上昇も定期的な変化を起こせる様子で、近傍での大きな地震などの地殻変動が起きない限りは、ある程度安心して見ていられる噴火をする火山のようです。
大きな流れでは、フィリピン海プレートの活動が西之島の噴火活動により活発化している物だと思います。この場所の噴火も安定して続いており、まだ終息する気配を見せていません。大きな島に成長しています。
この場所がこのプレートの運動を制限してしまい、反対側のフィリピン海プレート西側に大きな影響を及ぼしていると思っています。
この意味では台湾もフィリピンも地震と噴火の影響を受けると思います。今のところ地震は普通に起きているようですが、噴火の方はこれからかも知れないと思います。フィリピンにはたくさんの火山があるので、その中には活動を活発化させる物も出てくるのではないかと思っています。
この意味で桜島も阿蘇山も、その活動が一段落するとしても、311前の状況に戻るレベルではないと思います。西之島の噴火が収まらないと活動は続くのではないかと思います。加えて霧島の新燃岳も心配なのですが、こちらのマグマ溜まりの状況はよく分からないです。地下の活動はある程度活発であると思いますので、こちらの噴火のリスクも高止まりしたままになる感じです。
昨年の8月以降に九州が活発化した時点で、同時に新燃岳も活発化して良かったと思うのですが、活発化したのはとなりの硫黄岳でした。少し離れた場所になりますが、霧島連峰の一つになります。
どうすればこのレベルの予測が出来るのか、考えているところです。地下のマグマの状況を知りたいのです。
地震の予知に際して太陽風の影響と、関連して地球に発生する環電流の影響を見てきています。噴火についても似たような傾向があると考えて調べてみました。2003年以降の太陽風のデーターはある程度公表されているので、こちらを参考して約10年分の噴火についてその因果関係を調べてみました。
こちらの地球に流れる地電流に関する知識が増えたせいでもありますが、噴火は地震以上に太陽風と環電流に相関がありました。電流が地球に流始める時と、太陽風の磁場の変化が終わり、電流が元に戻る時に噴火に関連する多くの変化が起きていました。
マグマは電気抵抗が低く電気が流れやすいのです。マグマ溜まりが膨らんで電流をたくさん流せるようになり、地表に近づいてくると地電流も大きく流れられるようになるのでしょう。
噴火やマグマの上昇時に、障害になる部分を破壊する大きなエネルギーがこの種の変化から取り出されている部分があるようです。流れる電流が大きい分摩擦を減らすというか、マグマの圧力を高める作用につながるのでしょう。
こう考えると、火口の回りに大きなリング状に電線を張り、ここに流れる電流を計測すると磁場の変化やリングの内部を流れる電流を計測出来ると思います。太陽と地球の間の太陽風と環電流に比例した動きの中に、火山独特の変化の情報が見られると思います。
この種の計測は地下のマグマの活動に比例するはずですので、桜島や浅間山など解析の進んでいる火山で情報を収集し、地下の状態を知るパラメーターの一つにすべきでしょう。
まだ分からないことのたくさんある火山活動ですので、この種の電気的なアプローチも重要になるでしょう。地震を電磁波で調べている人々もいますので、噴火にも同様のアプローチとは行かなくても、電磁気である程度簡単に調べるパラメーターがある状況です。
本にはこういった関連をデーターもつけて書きたいと思っています。リスクの高まってきている富士山の地下についての情報が知りたいので、こういった提案もしてゆく事になります。
例えば富士山の中心から直径10kmのリングと、山頂の火口のリング、宝永火口の一通りをカバーするリングと、貞観噴火の一通りの火口をカバーするリングを作ります。その中を流れる電流を計測すると、現在どの火口に向かって活発なマグマの動きがあるのか、ある程度推測する結果が得られるかも知れないと思います。
地震の予知に向けて日本中の地電流を計測するには大きな予算が必要になりますが、この種の火山の計測にはたいした費用はかからないでしょう。
こういった所から解析を始め実績を積み上げて、地球科学としての火山噴火を予測出来る様になって行ければ良いと思います。
稲生雅之
イオン・アルゲイン