地震予知をする上で重要な事に、地球の一通りのプレートの動きを理解する事があります。もちろん重要な物は日本に関係のある一通りのプレートの動きを理解する事です。
この動きは筆者の解析では地球科学の教科書に説明されている物とは異なります。これを一通り説明し、ある程度の理解が得られなければ、実際の地震予知に際して地震の連鎖関係が理解出来にくくなります。プレートの動きの方向とかかっている力の方向が重要な要因だからです。
地震予知の記事の差し止め時に、以下の理解が必要である指摘をしています。
1)太平洋プレートは一般に認められる方向に動いているわけではなく、この方向は何百万年も前の方向である。正しい方向を指摘出来る必要がある。
2)フィリピン海プレートの動きも同様です。こちらについてはプレートであるにもかかわらず中央海嶺とつながらないで、どの様に大きさを保ってきたのかを説明出来る必要があります。一般に言われる動きならばこのプレートは大半が海溝に消えているはずです。
3)ヒマラヤ・チベットの高地がどの様に形成されたかを説明出来る必要があります。これは日本につながるユーラシアプレートの動きの理解に直接関わるのみならず、プレートの考えにくいほどの激しい運動の過去を知ることになります。
この時に触れることのなかった北米プレートの動きは、日本には直接的影響が少ない物なので、この分をご説明してこれまでの地球科学の教科書の情報不足を指摘したいと思います。
北米プレートの動きを説明する上では、イエローストーンと呼ばれる巨大な火山と、この火山がホットスポットと呼ばれる地球のコアからのマグマを噴出していることを知る必要があります。
イラストに載せた一般に説明される本のコピーから、コアから上昇するマグマと、プレートの移動により火山の位置が移動してゆく様子が見て取れると思います。
このホットスポットの成り立ちはまだ理解されていません。ここではその仮説も含めてイエローストーンのホットスポットは西海岸から続いていることと、その成り立ちを説明する証拠を指摘したいと思います。
西海岸に見られるホットスポットの始まりとイエローストーンまでのつながりをイラストで見てみて下さい。中間が見にくく途切れていますが、グーグルアースでよく見てゆくと地質(ここでは見た目の色と考えて下さい。)が薄い円状になっており大きさがまちまちではありますが、イエローストーンの現在の点までつないでゆく事が出来ると思います。
この列は、地質学者が近い将来ボーリングと呼ばれる穴掘りをして、その地下にあるマグマ由来の岩石の成立年代を調べる事で、この仮説を明確にすると思います。現時点でもこれに似た線が上下に数本ありますので、既に知られているカナダのアナハイムホットスポットと合わせてこの時期のプレートの動きを表していると思います。
噴火口というか、火山の地上における動きが明らかになったところで、もう一つの証拠です。添付したグーグルアースの切り抜きをよく見ると、現在海の中に相当する部分に川に見える地形が複数存在するのが分かると思います。この種の地形は世界中に存在しており、日本海にも存在しています。地上の川と同じく川底と両岸の斜めに切り立つ川岸まで存在し、地上の川と同様の地質学的特徴を備えている物も多いのです。
この米国西海岸に存在する川の痕跡は海底の深さ約3kmにまで及んでおり、そこで消えている感じです。
筆者の解釈はこの種の川は実際に以前陸が3km分高く盛り上がった時の名残だとしています。この盛り上がりの理由が3千万年前の中央海嶺の北米プレートへの衝突になります。中央海嶺についてまず説明します。
これもイラストを見て頂くと分かりやすいと思いますが、プレートのつなぎ目に存在しその下からマントルが上昇して両側にプレートを押し出している場所になります。
マグマの成因ですが、高温のマントルに海水が混ざることで、構成している岩石の溶ける温度の低下することがその要因です。分かりにくいところですが、海水が存在しないとマグマは液体になれないのです。マントルは岩にも例えられますが、非常に粘りけのある粘土に似たものと理解する方が分かりやすいと思います。
米国西海岸では、3千万年前に太平洋プレートの東側に存在した中央海嶺が、北米プレートの下に潜り込み、消滅することになったのです。この時に起きた変化がホットスポットを生み出したのです。
本来海水により溶け出すマグマですから、海水の供給がなくなるとマグマを生産することが出来なくなります。すると下からわき上がってくるマントルはマグマになって向きを変えて左右に広がってゆく事が出来なくなるのです。この変動はマグマでこそ可能な、下からわき上がって左右に広がり溶けて固まる反応です。
その結果ですが、中央海嶺を形成することが出来なくなるのですが、なにぶん地球のコアの近くから長い時間をかけてわき上がってきたマントルです。慣性という勢いがあって水の供給がなくなっても下からのマントルの押し上げが止まらないのです。その結果プレートを3kmも持ち上げてそれまで海底だったところを陸にしてしまうのです。この3kmというのは現在の海底を見る時、深い場所と中央海嶺の高さの差が2~3kmありますので、この力の大きさには説得力があるのです。
そしてこの時間は数十万年の単位です。マントルの勢いの時間でもあると思います。
この時に起きる事ですが、マントルの勢いのある部分は、漏斗状になっています。これはよく見る絵でも明らかなので、マグマの熱の伝導的と流体的にも正しい絵ではないかと思います。
この漏斗の中身が数十万年かけて盛り上がり3km高くなった後、今度は重力に負けて落ちてくるのです。落ちてくる時は漏斗の中心に向けて中身が集中しますので、漏斗の表面を3km持ち上げると下では漏斗の面積比の分だけ何倍も下までマントルを突き動かすのです。
この動きは想像になるのですが、漏斗の状況から考えても上で3kmなら下は300kmあってもおかしくないと思います。ケーキの生クリームを袋に詰めてその先から絞り出すイメージです。
この下に突入したマントルは、マントル表面のD層を突き破ってコアに届いてしまうのです。するとD層に穴が空いてしまうのです。
このD層の穴はそのまましばらく残ります。温度の高い液体がコアですので、ここに突入したマントルは溶けて消えてしまいますが、D層に空いた穴から熱をマントルに渡すようになります。これがホットスポットを形成することになる原因なのです。
西海岸にある最も目立つホットスポットの形状は楕円形になっています。どちらかというとひょうたんのような感じで、陸に衝突した中央海嶺が一定の長さがほぼ同時であったことを表しているようです。
ホットスポットはこの反応に必要な時間が経過し、マグマが地上に届いて始めて形成されます。その結果が西海岸の少し内陸よりでのホットスポットの始まりです。
さらに続きがあります。ホットスポットはD層の形状が修復される状況に合わせて、ゆっくりと形を変えて大きくなり、その分発生するエネルギーも小さくなって最後は消えてゆくようです。
これは流体のコアが、その流れを通じてD層の形状の出っ張った部分を削り取ることと、コアとマントルの熱平衡が釣り合って再びD層を形成するまでの変化です。この点もイラストを参照下さい。
この点が重要なのは、D層に穴を開けたホットスポットも、ゆっくりですが移動しているという現実があるのです。ホットスポットとプレートの相対移動速度を計算すると、ホットスポットの方が早いと言う現実がありました。このホットスポットも動いているのです。
この種のホットスポットは既に知られているイエローストーンの周辺を見渡しても、山脈を削り取って平らにしてしまうほど活動的です。この能力で西海岸側の山脈も不自然に削り取られていることが分かると思います。
この目で他の部分を見ると、カナダにはもっと多くの不自然な場所があることが分かるのです。移動した線の候補を4本ほど指摘しておきます。
これらの発生は約6200万年前以降を想定しています。この線の向きがイエローストーン周辺の物とは大きく異なることがご理解頂けると思います。これらは当時のプレートの動きを表しています。
この当時も中央海嶺が大陸プレートに飲み込まれていたのでした。この状況は時期のずれは別として今の地球科学でも想定されています。
これでも駆け足で説明したのですが、かなりの長い説明になりました。ここに出て来たプレートの動きの痕跡は、これから地質学者によってきちんと研究されて時期の確定が行われた後に、6千万年分の動きを遡って私たちに教えてくれる物になります。
そしてここに見る動きはこれまでに語られているプレートの動きとは全く異なっていると思います。
実際プレートの動きにコンセンサスはないのだと思いますが、私たちはこれを調べるためのホットスポットの動きもその成因もまだ分からないのです。アイスランドとガラパゴス諸島の物は、関連するプレートが左右非対称に動いていることが大きな理由となり、海水の供給が激しいだけのマグマスポットだと思います。コアは影響していないと思われます。
そして有名なハワイの物には別のメカニズムを仮説として提唱します。こちらの物はそのメカニズムによりD層の上を移動するタイプと考えています。
これまでに説明してきた様に、プレートの動きとはただある方向に動くという物ではなく、マントルの動きと相まって立体的に大きな動きをしています。今私たちの住む日本も上下に数キロは動いていると思います。海底には教科書の無視しているたくさんの証拠が眠っているのです。
学界でほとんど無視される人々がこの種の情報を公開しているのは皮肉としか言いようのない現実です。彼らの情報を本で読んで本当に良かったと思っています。解釈が間違っているかも知れないとした上での、重要なデーターの公表は科学の進歩に大切な事でしょう。
科学の論文には査読というシステムがあるのですが、異なる意見を排除して消し去ってしまうと言う大きな問題も抱えているのです。進歩が偏るだけでなく、ここにあるのは正しさや真実への謙虚さよりも、自分たちの作り上げた常識に囚われてしまう科学的根拠に乏しい多数決です。解決されるべき科学のあり方の問題でしょう。
そして残念な現実はこの多数決が学界によっては各種産業界の様々な影響力で決まる事です。結果として学問が良心なき政治闘争に乗っ取られてしまうのでした。この姿を変えなければ日本の原子力問題のように国民が苦しむ事になるのです。
科学の進歩に関連する問題は、この種の利権の誘導にもあるのですが、これ以上の問題に感じる物が、研究予算の配分と評価制度だと思います。
学者の方々の書いた物を読んでいるとつくづく思うのですが、評価されない研究には予算が付かず、難しくて結果をすぐには出せない物に取り組む姿勢が取りにくいのです。これは利権問題以上に科学の進展を阻害している大きな問題だと感じています。
これを言い換えると、自然科学の新しい現象を調べて理論化する基礎研究には、結果を出すまでの長い道のりがあり、その間の過程が適切には評価されないシステムなのです。
研究者にとっては予算がなければ身動きさえ取れないので、これは大きなプレッシャーだと思います。
これに加えて今度は評価する側の問題も重なります。予算は学者達が官僚に協力して自分たちで予算配分を決めていると思っていますが、ここでも結果を重視して予算配分をしてきた経緯があるので、新しい分野にお金を出しても、結果が出なければその予算は消えてゆくのです。
当たり前のことだと思われるでしょうが、これは結果の推定が容易く研究で簡単に先の見える種類の工学のような分野なら当然でも、理学分野でははたしてこれで良いのかを考える必要があると思います。
今本屋さんに行くと、マネジメントを薦める本があふれています。何故今になってドラッカーなんだろうと思っていますが、マネジメントその物は会社経営にはもちろん様々な分野に応用出来るでしょう。科学の進展にも当然応用すべきです。
資源をどの様に適切に使うかはマネジメントでは当然の議論です。研究予算を有望な分野に投入するのは理解出来ますが、5年先の有望分野と30年先の有望分野は異なるでしょうし、結果が出せなくても、残した実験結果などが将来につながる未知の現象の囲い込みにつながれば良いと思います。これでも難しいことですが、すぐには結果の出せないことを理解すべきでしょう。多くの研究者の積み重ねた信じられないほどのたくさんの失敗の先に、社会の宝が眠っている事もあるのです。
科学の分野の予算の中で、これまでの運用で使う分を7割くらいにして、残り3割を科学の不明点の研究に回し、結果が上手く出せなくても研究者のマイナス評価にしないことが重要だと思っています。この3割への予算の資源配分というマネジメントは科学を大きく進展させる鍵にさえなると思います。税金を無駄にすることには批判も出るかと思いますが、国だからこそ出来る将来への投資である事をご理解頂ければと思います。
今の体制では、分かっていることの先にある残された少しの広がりばかり研究しています。本来科学者が立ち向かうべき科学の未知の部分への研究が行いにくいのです。これからの科学を進展させる上で、私たち国民と政治が取り組むべき大きな改善テーマだと思います。
地震予知について書いていますので、この点についても見ておきます。311後にこういった見直しがなされることを期待していましたが、結局振動の研究しか進展せず、電磁気分野を通じた研究の進展にはつながりませんでした。
結果が出せなかったこともあって今年から他の分野への予算が配分されるようですが、マネジメント自体を見直さない限りこれもいつまで続くかは分からない物でしょう。
筆者の目には振動の研究が5割、残りが5割位です。振動は研究の重要なベースですが、これだけで予知が出来る物ではありません。電磁気による解析が難しくても自然現象の全体を見ようとしなければ、その結果である地震の理解など出来ないでしょう。これまでの研究費配分へのマネジメントの不在は明らかでした。
そしてプレートの動きは北米プレートに紹介した物だけでなくて、もっと激しい物もあるのです。
筆者は地球科学や地震科学の専門家ではありませんので、この分野の最新の論文を読んでいるわけではありません。ですのでここに書いたことが最近論文で公表されている可能性もあるかと思います。その場合はご指摘を頂ければ別のプレートの動きで新たなご説明を致します。インドのプレートの動きも同様にこれまでに説明されている物とは異なる仮説で説明致します。
こちらには、どうしても今回の選挙前に多くの人に知って頂ければと言う物がありました。その為に本を書いてお伝えする準備をしていたのですが、安倍首相の予想外の時期の選挙の実施というフライングに、こちらも釣られてしまいました。今回の地震予知の情報開示は、こちらのフライングです。
沖縄の自然信仰家の比嘉良丸さんが止めてくれなければ、地震を当てたいたくさんの人々がこの手法の運用を誤って誤報を出し、社会の混乱を招いたかも知れないと思います。配慮が足りませんでした。普通に考えれば止められない物を止めて頂いたことには、大きな感謝を持っています。
地震予知は社会への影響が大きいので、こちらの情報開示後も公的機関の地震予知情報が開示されるまでは、この方式による分については一般の方の予知は控えて頂くことをお願いすることになると思います。いい加減な状況では運用を誤り揺れずにすむサインを開示して誤報になる事が良くないと思います。サインがある程度簡単な物なので、慎重にしたいと思います。状況次第ですが、恐らく政治にゆだねることになるでしょう。
今回の選挙では野党への投票をお願い致します。
稲生雅之
ペンネーム:イオン・アルゲイン