地震と火山について        10月28日

 前回の20日に心配した九州の南側から琉球列島の地震と火山の噴火の関連ですが、22日に沖縄本島北側でM5.5の地震となりました。その後その続きの心配もしたのですが、こちらは日向灘M3.5と奄美大島北東沖M4.3で過ぎています。
 今現在太陽のXフレアが3日も連続していて、極地でのオーロラの発生もあり電気の流れやすい状態も起きています。リスクのある状態はまだ続いています。

 霧島のえびの高原の硫黄山では、24日にこれまでの平常の判断が火口周辺危険の判断に変わりました。どの様な情報に基づいてこの判断がなされたのかは明確ではありませんが、23日に行われた火山噴火予知連絡会での検討資料が公開されています。この資料には以下の表現があります。
 「8月20日硫黄山付近を震源とする継続時間約7分の火山性微動が発生した。今後の火山活動の推移に注意が必要である。」

 それ以外には7月末以降に近傍の川の水温が上昇したことや、えびの高原の足湯の温度も上昇しているという話がありました。あとはGPS計測によるこのエリアの変形が観測されているので、火山活動につながっている事になると思います。
 恐らくですが、結局の所23日の打ち合わせでは今後の情勢は明確には分からないが、地殻の変動と火山性微動が噴火の兆候である可能性が否定出来ないので、安全策をとって火口周辺危険の判断になったようです。

 御嶽山の噴火は水蒸気爆発による噴火だったとのことで、マグマ性でないと噴火の兆候が分からないという話になっています。こちらのこれまでの理解では噴火はマグマの上昇があるので予知がしやすいという話でしたが、これは間違いだったようです。
 北海道の昭和新山の噴火など予想が上手く出来ていたのでこれを踏襲した物と思われますが、今回の御嶽山の噴火では9月11日頃の火山性微動の増加を噴火の予兆と考えなかったことが失敗でした。少し前の口之永良部島の噴火も同様だったと思います。

 今回のえびの高原・硫黄山の火口周辺危険の判断は、この失敗を踏まえての対応の様です。御嶽山も噴火の数日前から硫黄臭がきつくなったとの指摘があるので、こういった変化を見逃さない姿勢を取る物としての判断の様です。
 温泉の温度の上昇は下部のエネルギーにつながっているので、この活性化を危惧している物でしょう。

 こちらが20日の時点で危惧した噴火に関わる状況の変化はなかったようですが、このエリアのリスクの高まりが公式に認められるようになったことは、良い変化だと思います。
 続いて蔵王山ですが、こちらは重力異常が2013年7月からの1年間の変化で認められたという情報が同じく23日の打ち合わせ資料で公表されました。
 この種の重力異常はマグマの上昇の間接的な証拠といわれています。現状表面的な変化は19日の御釜の白濁と10月に入って4度の火山性微動の発生です。

 地殻に目立った変形の異常がないことと、御釜の白濁が水蒸気発生に変化するなどの活性化が起きていないので、まだ規制をかけるには早いという判断をしているのかも知れません。麓の温泉もスキー場も心配なところだと思いますが、今後も慎重に見てゆく必要がある場所だと思います。

 こちらの心配した場所には、あと一つ鳥海山があります。普段地震のサインのでない場所にサインを見つけたので、ちょっと心配になって書いた物です。今年に入って十和田湖の地震と蔵王山の変化を始めとして東北の山々にも変化は起きています。
 火山が活性化するのは311の影響で仕方のない物ですが、今年に入っての十和田湖は昨年末の西之島の噴火の影響を受けた物だと理解しています。この変化は他の火山にも影響する可能性があるので、注意している物です。

 鳥海山は1974年に水蒸気爆発を起こしているとのことです。この爆発というか、噴火の数ヶ月前から地震が増加したとのことなので、地震の予兆は噴火にもつながっているかと思います。
 明確なことはもう少し様子を見ないと分からないですが、注意するに越したことはないと思います。

 太陽からの電気はもうしばらく流れると思います。直近はトリガーを外しているので大きな地震や噴火にはならないと思いますが、今日触れた場所とその周辺では注意の継続が必要になると思います。次のトリガーである半月は31日、満月は来月の7日です。
 御嶽山の活動は低下してきていると思いますが、その影響である東海、東南海、南海と新潟寄りには今も注意をしています。変化が見られた場合はここにリスクを警告します。

 ウクライナの選挙でポロシェンコ大統領派が勝利しました。極右派の人々は議会を去ったようなので、この先には安定につながる変化が見込めます。
 ただ話は単純ではなく、天然ガスのEUへの供給と東部地区の独立の動きでもう少し混乱は演出されると思いますが、混乱を望む勢力を抑えるところまでもう少しかかりそうです。11月から12月にかけての動きに現れてくると思っています。

 今日明日でFOMCが行われて、FRBのイエレン議長の政策に揺さぶりのかかる事態が起きるのではないかと思っています。来週はその状況の解説を行う事になるかも知れません。市場はもう一段下げてしばらくしてから回復に向かう物と思います。
 本来ならアメリカの中間選挙もあるので大きく動かさない物だと思いますが、今回は民主党の得票率を下げるにはここでもう一段の下げをウォール街は演出する気がします。

稲生雅之