アベノミクス(10/24追記)  10月20日

 本日の日経平均は578円も上昇し、1万5千円台を回復しました。これほど一方的に相場が上昇する物なのか、二人の女性閣僚が辞任する中で経済の先行きは明るいとでもしたいのでしょうか。
 GPIF他政府筋の買いが大量に出ていると思っていますが、次のNYダウの下落に合わせて再び大きく下げるしかないでしょうから、日本の国益をアベノミクス維持の為に海外へはき出しているような状況です。

 円の方は107円で収まっており、こちらは株価に合わせて動くという状況です。一時的にしても105円まで動きましたので、このレンジまではすぐに戻るのではないかと思います。
 次の材料を何にして買いたたくのか、来週のFOMCに向けて様々な動きが出てくると思います。

 イエレン議長から米国国民の富が上位数パーセントに集中しているのは良いことではないというメッセージが流れていました。何を今更と思うのですが、富裕層に対する増税やこれまでの利権の削減を意味する物であれば、アメリカの為には良いことですが長期的な株価の低落を招くでしょう。加熱してきた株価に対する牽制でもあると思います。
 市場は暴落で応え議長が回復策を練るという事になるのか分かりませんが、市場のバブルに対策を必要としていると議長が考えている事は間違いなさそうです。

 日本の景気の足元は、来年の消費税上げの為に無理をしている情勢でしょう。10%に引き上げる為の環境を作る為に是が非でも株価を維持し、景気が良い振りをしないといけない物だと見えています。
 実際に新聞他マスコミは良い数字だけを報道しますが、正社員の有効求人倍率は0.68だそうで、アメリカ同様に非正規雇用しか職がないのです。

 5%の消費税を8%に引き上げて、これをすぐにも10%まで引き上げるのですが、5%分のお金が自分の手元に増えたと思っている人は少ないでしょう。
 円安の進行が一時ストップしていることと、石油は82ドルくらいまで下落していますので、インフレの進行が抑えられていることがあり、生活の厳しさは前よりは少し改善している程度です。

 4月の消費税関係の駆け込み需要の上乗せ分がなくなり、経済の実態が現れようとしていますが、これをなるべくうまく隠し、アベノミクスはうまく行っていることにして消費税を10%にしたいようです。
 4~6月のGDPは落ち込みますが、この数字と比較すれば7~9月のGDPは回復して見えることは間違いなさそうです。単に数字の変化であって4~6月が異常に落ち込む以上は回復して当然なのです。

 こんな恣意的な数字を経済が回復している理由にされて、10%への引き上げが決められるのは詐欺のような物でしょう。国民の大半の収入が1年で5%も増えるなどはあり得ない物であり、もしこのまま消費税が上がれば来年には怨嗟の声があふれるでしょう。
 政府としては景気の改善を演出すれば、あとの事はなるようになるという姿勢に見えています。これから始まる企業献金をする企業の一部に利益が戻る形が出来れば良いという姿勢なのかも知れません。

 グラフからアベノミクスを見てみると、9月が良くて11月に向けて下げてゆく流れと、今月下げて来月回復する流れが混在しており、可能性の高い未来にはなっていませんでした。情勢としてはNYダウに合わせて下げてゆくと思いますが、11月の始めに底を打つのではないかと思います。

 その先今の情勢では10%の消費税を導入する可能性が高いと思います。ここまでやれば気が済むでしょう。アベノミクスの失敗が明らかになるのはNYダウの下げ方次第なので、このままであれば、ひどい下げ方にならない可能性の方が高いのではないかと思います。石油が82ドルまで下げていますが、この流れがしばらく続きそうなのでこの様に考え始めています。

 石油とシェールガスについては改めて書くことになると思います。少し前に日本の商社がシェールガスで大きな損失を出したことが記事になりました。シェールのバブルがはじけつつある事を表していますが、これを促す現実が現在の石油価格の低落です。
 このバブルを明らかにして石油価格が再び上昇に転じるまで、しばらく時間がかかるようです。

 地震ですが、16日に小笠原の北側でM5.9が大きな物だったと思います。沖縄を始めとし各地でM5クラスが続いて調整になった所だと思います。小さいですがM2.9が浜松の南海上で起きていますので、静岡の彩雲はこれに対応していたのかも知れません。300km位の深い場所の地震ですが、電気の流れは地表に出ます。ただ少し小さい気もしますので、以後も少し注意してみています。

 大きく目立つサインは今のところありません。ただ少し気になる物としては18日にM5.3が奄美大島北西沖で起きた後、その近傍で小さな地震が続いています。関東の地震につながった栃木県北部の地震に似ており、エネルギーが一通り抜けるという状況にならなかった様子です。もしこれを前震と捉えるとこの周辺で本震がM6かそれより少し大きくなると思います。

 この前震の場所は島のない海上です。被害レベルにはなりにくいと思いますが、このエリアの近傍の地震と噴火に注意が必要になるので、口之永良部島や桜島、霧島の周辺などまで気をつけるに越したことはないと思います。九州の南側から琉球列島までです。
 太陽ではX1のフレアが昨日起きています。CMEの吹き出しは無かったと言われていますが、2~3日で多少の磁場変動は届いてくる可能性があります。24日の新月の前後に注意が必要です。

稲生雅之
10/22追記
 本日9時過ぎに沖縄本島北側でM5.5の地震が起きました。上記で心配した分ですが、これで一段落かが明確ではありません。24日の前後数日まで引き続き注意をお願いします。琉球列島でのM5クラスの地震が続いているので、トリガーには注意が必要です。
 九州の火山の噴火と地震、日向灘と伊予灘、四国の南側の南海エリアまでを含んでM6クラスの地震に注意をお願いします。南側が動いた分、上記前震位置の北側の連鎖が気になっています。熊本で本日8時にM3.6が起きていますが、調整を引き起こす呼び水の様に見えています。

 あと先日の台風の通過したエリアにもまだ注意が必要です。調整の続きとして大きくてもM6前後と思います。蔵王山もリスクが高まっています。
 本日はM8.7の中規模太陽フレアも起きており、CMEの吹き出しが起きたかまだ分かりません。上記のXフレア同様に2~3日で磁場の変動が届いて電気が流れやすくなるかも知れませんので、注意の喚起をお願い致します。

10/24追記
 山形、秋田の東北日本海側で地震の小さなサインがあります。火山の鳥海山が近い事もあり、念のためにその活動も含めて注意を喚起したいと思います。
 日本海側の地震は元々少ないので、この意味も含めての注意喚起です。トリガーに重なる分起きる場合はM6前後まで可能性があります。