気になる動きが出て来ているので、今回はプレートの動きが地震と火山だけではない事を少し説明したいと思います。
7月24日に伊豆大島と草津白根山で地震が起きています。草津白根山の物は火山活動が活発化した物で、この時に約2日くらい地震が増加し、近くの道路の通行制限まで実施されていました。311直後の状況がまた、起きつつあるようです。
少し離れて九州の阿蘇山ですが、こちらでも活動が活発化しています。311以降阿蘇の火口湖は干上がる事が増えていて、2013年の暮れからはその面積が約1割になっており、今月に入ってほぼ完全に干上がっているとの事です。
干上がる理由は火口の温度上昇が主な物ですので、活動が活発化している事は間違いありません。
現状ではすぐに噴火につながる状況ではないとの事ですが、注意は必要でしょう。
伊豆大島でも7月24日に地震が増加し、一旦収まったのですが、昨日くらいから再び活動が活発化しています。26日には富士山の直下でも地震が起きているので、フィリピン海プレートの北側にエネルギーが溜まっている事になると思えるのです。
7月初めの台風の後はしばらくエネルギーは抜けた感じだったのですが、ここに来て再びリスクを感じる状況になっています。
伊豆大島の分は現在進行形です。この島の北側の部分に地震が集中しており、火口への影響はまだ少ない感じです。ただこの火口の直下での地震も少し起きていますので、この先の活動につながらないとは言えないと思っています。
地震の発生域は島の北側の部分から北西に延びて、伊豆半島の方面に向かっています。このエリアにも伊豆東部の火山群が存在していますので、火山を刺激している事には変わりなく、下にあるマグマ溜まりへの広域な影響が出ているのかも知れません。
九州については、相変わらず桜島は活発な活動を続けており、霧島のマグマも火口に溜まったままになっており、エネルギーの溜まった状況は続いています。
霧島は2011年以来活動していますが、阿蘇は2012年に一度収まり13年から再び活発化しています。
このエネルギーは、西之島の固着点から来ているエネルギーだと思います。
この固着点はフィリピン海プレート全体と、太平洋プレートにも影響を及ぼしていると思います。フィリピン海プレートの北側ですが、このエリアが南海、東南海、東海の地震のエリアであり、これまでに百数十年単位で地震を繰り返している所になります。
その中にあるのが富士山であり、伊豆大島となります。この二つの火山はお互いに影響しながらその活動を行って来ています。
フィリピン海プレートは、その本来の動きは太平洋プレートに押される動きです。この押され方には2種類あって、一つはいわゆるハワイ方面から押してくる力であり、もう一つがこの押しに合わせて発生しているマリアナ諸島を経由して北に押し上げる力です。太平洋プレートがマリアナ諸島にぶつかってこれを押すときに、その海溝の曲線構造がこの向きである北方に力を生み出しているのです。
フィリピン海プレートはこの2つの力の合成で動いていると思えます。
今回のフィリピン海プレートの北向きの動きですが、そのエネルギーが火山の噴火になるのか、それとも地震などの別の物になるのか、現在その動き注目しています。
この先伊豆大島の地震が火口に影響しなければ、この島のすぐ北側を通っているフィリピン海プレートの境界面に動きが出てくるのではないかと思えるのです。地震の発生域が伊豆半島に向かって延びているので、この心配をしています。
フィリピン海プレートは、関東のある北米プレートと、その西側にあるユーラシアプレートの下側に沈み込んでいます。この沈み込みはプレートの動きなので、その上に載っている物を動かす事になり、それらを沈めたり浮かび上がらせたりしているはずなのです。
この意識で伊豆半島の先端部分を見てみると、比較的浅い海に平らでない浅い領域が広がっているのに気づきます。ゆっくりと沈み込んでいれば、その時に海に削られてしまうので、普通は平らな領域になるはずなのです。
1万年単位で氷河期になって海水が凍るという事を繰り返してきている地球ですので、この約150m位の深さまでは普通はごつごつは消えてしまうはずなのです。この深さまでは周期的に海面に洗われ平らになり海に飲み込まれているのです。
実際にはこの場所が岩で出来ているか、砂で出来ているかでも大きく変わります。この場所は少なくとも岩が多いという事になりますが、日本においては珍しい状態である事も確かです。もしそうであれば、この部分の沈み込みがかなり新しい時代の変化である事を示す事になるのです。
伊豆半島と伊豆大島が沈み込んでいるとすると、次はその速度が問題であり、この速度がどう変化するかが心配なのです。大きな地震が起きると1~2m沈み込んだり浮かび上がったりするのがプレートの端であり、ここでは大きな沈み込みが見えるはずなのです。
実際にこれが起きて騒がれるようになるまでは、特に問題視される事はないと思います。それでもフィリピン海プレートの動きが加速しているという現状を考える事と、その結果として何が引き起こされる事になるか、改めて関連地震の検討が必要になるかも知れません。
311の動かした東北エリアが、他のエリアへの動きを誘発しています。フィリピン海プレートの動きは南海から東海への地震につながっていますが、これらはこの伊豆大島と伊豆半島の動きからも心配される事になりそうです。
今の時点でこのプレートの北側の変異に注意が必要な状態にありますので、地震と火山の噴火に注意を喚起しておきたいと思います。もし起きても地震は大震災にはならず、少し大きめという程度だと思います。地震の可能性が高まる場合は改めてここに載せますが、他の異変にも注意が必要に感じています。
稲生雅之
8/1追記
7/31に太陽でCMEの発生がありました。8月3,4日前後に地球に到達するそうです。4日は半月のトリガーになりますので、前後の地震が+1大きくなる可能性があると思います。
フィリピン海プレートの北側で動きの活発な地域には、さらなる変化に可能性が出てきます。伊勢湾については深いところで動きが増えており、変化に注意が必要です。
あと、北海道の根室、日高沖にもエネルギーが感じられるので、M6が+1するかも知れません。先月の東北沖と北海道東方のM6クラスの地震の調整の続きです。