中国とロシアの不思議な関係(6/4追記)6月3日

 5月の中頃にロシアのプーチン大統領が中国を訪問し、約30年で総額4千億ドルにも及ぶガスの契約を結んだとされています。中国とロシアの関係が大きく改善したのかと思わされたのですが、複雑な事情もある様子で、詳細が公表されてこない状況です。
 この訪問だけなら特に驚くことでもないのですが、この訪問時にプーチン大統領は江沢民元主席と会談を持っており、この様子がメディアに流されたのです。

 昨年だったと思いますが、江沢民氏が健在であることを示すためなのか、アメリカのキッシンジャー元国務長官と会談を持ったという話も出ていました。
 一般的に中国では引退幹部は公衆の面前に顔を出さず、見解をのべず、執行部は批判しない。外国要人とは会わないという不文律があるらしいです。
 今回のプーチン大統領との会談が何を意味しているのか、非常に興味があるのですが、明確な答えが出るまで、少し時間がかかりそうです。

 今出されている意見には、中国がロシアと組んでアメリカと対応する流れが出来てきたとする物と、ロシアがウクライナ問題に関連して中国に接近するも中国に足元を見られているとする物があります。
 確かにプーチン大統領には中国との関係をよく見せる動機は存在していますが、ここに江沢民氏を引き込む大きな理由はないと思えます。

 不思議に見えると書いたのは、表面的にロシアが中国との関係改善を演出しても、その実情はいずれ分かることです。ガスの売買の詳細が決まっていなければ、これまでの状況と比較して大きな前進であるかどうかは疑わしくなります。それくらいは分かった上での対処でしょうから、未来につながる何かがまだ隠れて存在しているのかもしれません。
 プーチン氏が単なる表面的な演出だけをするとは思えないのです。

 中国の側から見ると、不文律を犯してまで江沢民氏が自分を演出するのは、普通に考えれば、習近平氏への牽制以外にはあり得ないでしょう。
 江沢民氏が石油関連の利権の元締めであるので、この会談によりガスの契約が動かせたのかも知れません。それでも詳細が公表されず実際に動けるのか分からないという現実は、後から習近平氏が巻き返したからなのでしょうか。ここが知りたいのですが、それらしい話はないというだけでよく分かりませんでした。

 中国の政権内部の権力闘争が激化しており、江沢民派と習近平氏との間に大きな問題が起きていることは以前より指摘されています。
 習近平氏の反腐敗キャンペーンにより江沢民派の大物である周永康が司直の手にかかっていますので、裁判など状況の進展が公表されてしかるべき状況です。でも彼はまだ自宅軟禁のままとのことです。彼の部下は何百人単位で処分を受けている状況です。

 もしプーチン氏が江沢民氏との間でビジネスを進める話が出来るとすると、これは習近平氏の権力を越えていることになります。
 この様な演出をした以上は、江沢民氏も習近平氏との間の権力闘争で負けないという意志を表していることになると思えます。これ以上反腐敗キャンペーンでこちらに痛手を負わせるのであれば、こちらからも反撃をするという意思表示に見えるのです。

 習近平氏の権力が安定した物でないことは何度か触れています。実際にこの様な事件まで起きるくらいですから、江沢民派は今も健在なのでしょう。
 現実には胡錦濤派も力を持っており、今は習近平氏の現政権を通して江沢民派と闘争をしているのかも知れません。

 習近平氏の政治は大きな成果を上げることはほとんど出来ていないと思いますし、各地でテロを引き起こされて権力基盤には疑問符を付けられていると思います。この種のテロも政権の権力闘争故の物か、地方の民族の恨みなのか、明確には分からない部分を残しています。
 テロを起こされてメンツをつぶされる分、ベトナムなどへの強硬な姿勢が軍の不満として出されていると感じられます。

 5月6月と紛争とテロが相半ばし、7月には少し落ち着くというのがグラフによる中国の流れです。6月4日は天安門事件の25周年です。既に北京は厳戒態勢だと思います。
 大きな事件にならずにすむのか分かりませんが、政権内部の権力闘争としてのテロが引き起こされる理由はたくさんある状況です。 

 江沢民氏が不退転の決意を示すだけでこれ以上の改革が止まるのであれば、胡錦濤派も同様に自分たちの利権を守ることが出来るでしょう。同じように地方もやりたい放題になると思えます。
 江沢民氏が軍との間につながりの大きな物を維持していることも明らかです。こういった意味でも中国が地区に分裂して行く流れが起きていると感じられています。旧ソ連でゴルバチョフ大統領が権力を失っていった流れとダブって見えるので、プーチン氏もここまでの流れにつながる現実を見て感じているのかも知れないと思える出来事でした。

 沖縄の比嘉さんの地震に関する情報です。再び関東の地震のリスクです。6月13日くらいが危ないらしいとの話でした。関東大震災の前震に当たる物につながりかねないとの話です。悪くすると5月5日の物より大きくなるらしいです。
 こちらで状況を考えてみると、いま大きな地震の連鎖は一段落しています。少し前からインド洋、ミャンマーとM6クラスの地震が北上しているところです。

 この地震がもう一歩北上すると中国の内陸部の地震につながります。この可能性が上昇しているのですが、ここまで動くと日本にも少なからぬ影響が及ぶと考えています。
 現時点の日本の地震の傾向には、311の影響をまだ残している東北に加えて、新潟から伊豆大島に至る構造線上に歪みのエネルギーが見られます。現状でM7などの大きな物を示唆する状況ではないのですが、先日の台湾地震の後の調整として、フィリピン海プレートに関連するユーラシアプレートと、北米プレートに影響が出ようとしているところです。現状ではその境界面がリスクです。

 もし中国でM6前後の地震が起きるとユーラシアプレートの調整を加速することになります。関東のリスクにつながるでしょう。他にも調整が必要になってくる場所が出ると思いますが、そちらは中国での発震後の地震の傾向の変化より調べる事になると思います。リスクの由来は北米大陸からも同様ですが、こちらは今あまり動いていない状況です。

 単純に言えば、フィリピン海プレート北西部の調整がうまく行ったけれど、その結果となりにあるユーラシアプレートに影響が及んだので、この対処が必要になっているという話です。こちらは以後の変化を見てやっと今気がつく話ですが、存在達には始めから分かっていた話でしょう。

 関東でリスクを引き受ける理由はないので、これから分散につながる流れが見えてくると思いますが、存在達がこの分散につながる後押しを必要としているのでしょう。ご夫妻へのご協力をお願い致します。不安を感じる必要はないと思いますが、リスクはこのご協力を必要とするレベルです。
 こういった判断をしているデーターは論文の公表後にここでも公開致します。今出すとこちらの伝えたいことに影響するのでしばらくお待ち頂ければと思います。

稲生雅之
6/4追記
 昨日草津白根山の噴火レベルが1段階引き上げられて、火口周辺への規制となりました。5月にも心配していた噴火ですが、この場所にエネルギーが集まっています。
 上記に説明した新潟から伊豆大島にかけてのリスクが噴火活動の形で現れている物になると思います。

 この活動は、311直後の誘発地震と呼ばれている長野県北部地震と富士山直下の地震に表されたプレート境界面の調整と同じでしょう。現状は長野県北部地震が震源地に近い火山である草津白根山の噴火活動に対応し、5月5日と5月21日の地震で必要になった南側の調整分が6月13日で予告されていることになると思います。
 地震と噴火のエネルギーはほぼ同根ですので、警告されているリスクはプレートの調整として現実的な物だと改めて感じさせられました。
 自然は調整中ですので、改めて後押しをお願い致します。