昨日アメリカの株価が最高値をつけています。経済がそれほど改善しているとは思えないのですが、相場は常に正しく何らかの要因があると思います。
先週のイエレン議長の発言をここまで市場が好意的に受けとめるとは思いませんでした。金利は2015年以降上げないといけないし、QEの縮小も続ける必要があり、ただ現状のままに先送りが出来るとなっているだけだと感じていました。
アメリカの市場では株価を下げることは誰も喜ばず、金利の上昇が先延ばし出来るならしばらく買いだとなるのでしょう。世界の情勢を見てもベトナム、タイ、ウクライナなどは不安要因を抱えているのですが、アメリカの市場に大きく影響を及ぼすまでにはまだ至らないので、株価に対する懸念は大きくないのでしょう。
グラフを見直してみると、5月のアメリカの株価は政府部門から見ても、経済分野から見ても上げる可能性の高い状況でした。6月まで続くか分かりませんが、この先にまた下げることになり、上げ下げを繰り返すのでしょう。
3月に世界的に上昇する可能性が高いとみていましたが、4月の日本の落ち込みとその後の展開がどの様に影響するのかまだよく分かっていません。
日本とEUでは政府の望む株価の上昇と、経済分野の見込みの株価の低下が相半ばし、結果としてどの様になるのかはこれからの展開になります。
EUの株価は日本の株価よりもアメリカの流れに乗っている感じです。これに対して日本の株価はアベノミクスの流れによる変化を感じるところまで来ています。
本日の日本の株価は上げており、昨日のアメリカの株価の最高値の影響を受けています。ただ、ここまでの流れを比較してみると、今年になって日本の株価はアメリカと比べると明らかに低迷しており、同時に見てきた指標である円も高めに推移してきていました。
日銀の量的緩和については、G20などから出口戦略を明確するように圧力をかけられていると言われています。アメリカがQEを縮小する中で、日本が単独で量的緩和を続けられるのか、難しくなってきています。
消費税の3%の上昇が便乗値上げを呼んでおり、物価上昇率に表れているようです。このままの高値は定着しますので、3月末の駆け込み需要の後で一段落した経済がどこまで回復するかが次の注目になっています。
日本としては経済を刺激したいところですが、この刺激に待ったをかけるのが海外勢になります。
日本で実際に株価の上昇を通じて利益を得ているのは一部の人々であり、状況としては普通の市民は物価の上昇もあって苦しくなっているところの方が多いはずです。
政府日銀の始めの説明では今年中に経済が回復するはずでしたが、現状ではアメリカのQE縮小による影響で日本の株価と円の水準の維持に問題が生じつつあると思います。
こういった理由があるので、日本の株価は一時的に回復するかも知れませんが、量的緩和がうまく機能しない状況になってきています。
この先にはアベノミクスは日本だけを利する政策で、海外にダンピングなどの問題を引き起こすことになると認識されて問題視される状況が生まれてきます。
この意味でアメリカの量的緩和も道半ばですが、将来の方向性が示されています。これに対して日銀はこの道筋を示す事が始めから出来ておらず、この政策がどの様に維持されどの様に収束するのかが問題視されているのです。
将来が不明確なので安心して投資できないという意味で、そのリスクが日本だけの株価の低下に現れ始めているのでしょう。日銀が金融緩和の収束への道筋を示す事が出来なかったツケが回ってきているのが現実です。
海外の日本株の売り越しは今年に入ってささやかれている問題であり、アベノミクスが既に転換したとみて売りに入っているのかも知れません。
日本では消費税の導入があり、経済の指標がどの様に変化するのか、見極めるために時間を必要としています。この時間が過ぎたときにどの様な対応が起きるのか、日銀の金融政策が変化する所に追い込まれるのか、注意が必要になってきていると思います。
日本政府は国内向けにはアベノミクスの宣伝ですが、海外の評価では流れが変わったようです。市場はその影響が日本の関係者の認識に及ぶのを待っているような状態だと思います。方向が転換していることを政府としては認めたくないという状態です。
ウクライナでは2つの州が住民投票の結果を受けて独立を宣言しています。大統領選挙をボイコットすることになり、近隣の地区にも影響を及ぼすでしょう。西側は選挙の不当性を訴えていますが、それであれば、手続きも不当で選挙で選ばれてもいない暫定大統領にも大きな不当性があることになります。
クリミアとは異なり、東部地区のロシア人の比率は約半分程度か、多少少ないレベルだと認識していました。その為住民投票の結果が予想出来なかったのですが、ロシアにはこの結果は始めから分かっていたのでしょう。
この先も西側では住民投票は不当であり、大統領選挙も実施しないとなれば、ロシアへのさらなる経済制裁へと進むことになると宣伝されるのでしょう。実際に大統領選挙がロシア制裁への期限に設定されています。
実際にどの様な展開を見る事になるのか、民意をどこまで西側が踏みにじれるものなのか、変化が起きてくるように感じています。ここからやっとウクライナ経済の破綻問題も含めて議論されるようになると思えています。
内戦よりも経済の問題に目が向くような動きが出てくることになり、一部の人が利権を求めるだけの政府では対処できないことが明確になるのではないかと思います。
最後に地震です。こちらも本日深さ80kmでM4.9が千葉県北西部、その後深さ50kmM4が茨城県南部で起きてから、深さ50kmM3.9が茨城県沖で起きています。連鎖は続いて、深さ10kmM3.5福島県南部となりました。
これらの地震は5月5日に深さ160km、相模湾で起きたM6の地震の影響を受けていると思います。始めに銚子沖で深さ10kmM3の地震から始まりましたが、千葉県北西部M4.9の後は震源が浅くなってゆき、普段よりも早い連鎖をしている感じです。
本日のものは満月2日前で、電気もあまり流れていない状況での発振であったために震度が小さくなっている部分が否定できません。この点は自然の調整作用としてはありがたいのですが、早い連鎖は地殻の歪みをまだ残している結果だとも思えます。まだ注意は必要でしょう。また、この時期の桜島の大きな噴火もエネルギーの調整としてはありがたい物です。
太平洋プレートの連鎖で見ると、M6を越える地震はソロモン諸島M6.1とメキシコM6.4、パナマM6.8で起きています。チリ沖M6.1でも4月の地震とは異なる場所ですが、調整につながる場所での地震が起きており、西之島の固着点の関連の地震に可能性が上昇している状況です。
連鎖としてみた場合の予想は先週書いたとおりです。今週末のリスクとして上記の場所での可能性が多少低下し、北米プレート北側とフィリピン海プレート周辺の可能性が上昇した事になります。
M7の連鎖でない分4月よりも緊張は少し低いと感じていますが、満月や太陽風による磁気嵐など電気の大きく流れるタイミングにはM7クラスの注意が必要と思います。
宇宙天気としては、これから太陽風速度が上昇する可能性が指摘されています。今週末から来週初めにかけては注意を喚起したいと思います。
大きな地震や火山の噴火にはつながらないで欲しいと思いますが、これまでの地震を前震とみるとそれぞれ+1のM値の地震につながる可能性があるので注意が必要です。
稲生雅之
5/16追記
15日に相模湾で深さ130kmM4.2の余震がありました。これで関東の地震が大きくならないとは言い切れませんが、調整は進んだように感じています。安心できるわけではありませんので、引き続き注意をして頂ければと思います。
世界の地震の連鎖については、予想外の場所での発震がありました。ニュージーランドの東方の太平洋プレートの境界である中央海嶺でM6.5が起き、その後前回書いたパナマが起きています。この連鎖は理屈通りでした。
その後予想していたマリアナの少し南でM6.1、M6.6と2回起きて、その後フィリピンのM6.2となりました。
ここまで進んでしまうと、次は北米プレートの北部かフィリピン海プレートの北西部になります。この場所に緊張があることを琉球列島の地震の傾向から感じ取れるので、リスクの上昇をお伝えしたいと思います。
台湾からフィリピンの間でまた地震を起こすか、今地震の増えている奄美大島での地震で調整することになるかも知れません。
今桜島は大きく活動しており、周辺の火山島も活発です。九州の火山も含めてさらなる活性化で良いのかどうかは分かりませんが、エネルギーが出て来る場所になっており注意が必要でしょう。
あと、プレートとしては中国の沿海部から内陸部でも調整は可能なので、こういった場所にも注意が必要になると思います。タイのM6の影響でもあります。
太陽風は平穏ですが、地球に到達しないフレアは起きています。この場合地球の磁場に影響のあるケースがあるので、1~2日後から磁気嵐の発達による電気の影響がないかどうかを見てゆく必要があります。
21日くらいまで様子を見る必要があるというのが現状です。注意をお願いしたいと思います。比嘉さんの伝えるリスクは西日本です。