ウクライナ情勢と地震について     5月7日

 ウクライナでは東南部地区での政府と反政府の衝突が続いており、内戦につながるリスクが上昇しています。
 5月25日の大統領選挙に反対する反政府派と、この選挙を強行したい政府派の争いになっています。

 今日のニュースにタイのインラック首相の失職という物がありました。
 「タイ憲法裁判所は7日、2011年の政府高官の更迭人事が憲法が禁じている公務員への不当な人事介入にあたるとして、違憲判決を下した。」とのことです。
 この先はこの判決に連座しなかった副首相が後を継ぎ、7月20日の総選挙で出直す事になるようです。

 タイの情勢は長く続くデモと関連する争いであり、今回の判決で影響を受ける首相派が力を失うことになるのかもしれません。ただ、この争いも都市部と農村という地区に分かれた争いですので、利害の対立を何とか出来なければ、まだまだ続く形になります。
 経済に大きく影響が出て、国民が動き出すまでは今の状況かも知れません。

 ウクライナに戻ると、ウクライナの大統領は政府派の攻勢により逃亡していますが、法的にはまだ大統領でしょう。正式な手続きを踏まずに追放し、暫定政府はやりたい放題をした現実があるので、東部南部地区でのロシア系の住民が反対することには自分達の権利を守るという意識があると思います。

 西側は大統領選挙を強行することで、政府の信任を得たいと考えているようです。これに対してロシアの支援する反政府派は、大統領選挙の不法性を訴える争いになるのでしょう。
 この状況下のウクライナで正しい裁判などは期待できないと思います。これを踏まえた上での東南部地区の自治権の拡大を目指す動きがロシアの望んでいる物かも知れないと思います。

 西側は大統領選挙を強行し、東南部地区はこれに反対してこの地区での選挙結果はほぼ無効にされるでしょう。それでも大統領の当選を宣言し、ここでも不法と言われながら政府として強権を発動してゆくつもりではないかと思います。
 この状況までは東西がお互いに予想しているとして、それ以降にロシアが経済面を含めたウクライナへの制裁につながるのだと思えます。

 その結果で新政府がどこまで対処できるのかが試されるのかも知れません。本格的な内戦はロシアも西側も望んでいないと思われるので、ウクライナの東南部地区が自治に近い形になる中で、政府派の地区が経済的に追い込まれる流れを作り出すのかも知れません。 5月末の選挙結果を待って6月に問題が表面化し、そこから今度は9月まで、紛争状態が続いてゆく可能性が高まったと思います。

 グラフ上は6月で一段落する流れもありますが、今の情勢だとこの時期に一段落することは難しく、ここから経済的な動きが出て、その後の本格的な解決につながってゆくのではないかと思います。9月に解決できなければ次は12月と流れるのでしょう。冬を前にガスが止められる所まで続くかも知れません。
 内戦状態にならないことを願っています。ここでも利権を求める一部の人が未来を決めるのか、国民が東西で協調する未来を選ぶのか、試されているように見えています。

 本日は経済のことを書く予定でしたが、5月5日の地震とその後の動きを気にしています。経済については来週改めてお伝えしたいと思います。
 5月5日の地震は沖縄の自然信仰家の比嘉良丸さんの警告していた地震でした。中央構造線に絡んで起きる地震で、熱海と相模湾を気にされていましたが、地震の起きた場所は丁度この部分でした。

 少し前から岐阜の焼岳の北と南で群発地震が起きていました。規模は小さいのですが、震源がごく浅いと言われており、火山性に近い状況です。位置的にはフィリピン海プレート関連の地震になるので、この影響が次にどこに出るのかを注目していました。
 結果として起きた物がこの地震でした。規模はM6なので、この地震が4月末に起きていればもう少し規模が大きく被害も大きかった物と思います。この時期まで延びた理由が分からないレベルでした。

 比嘉さんは地震発生後に情報を発信されていて、この地震の発生を事前に公表することを止められていたとのことでした。西之島の海底火山の噴火の時と同じ状況のようでした。
 情報では5日の12~15日後に何らかの災害が起きるかも知れないとされています。この災害の具体的内容を比嘉さんも知らされていないので、対応に苦慮されていました。

 災害には様々な物があるので、地震と決まったわけではありません。ただ、こちらの科学の立場としては地震は心配なので、大きな地震の流れを説明しておきたいと思います。
 今までの流れで心配をすると、M6の前震起きたところに本震のM7クラスを心配することになります。日本の可能性は低いと思いますが、この場合東北沖、関東、伊予灘になります。

 太平洋プレートの大きな地震の流れとしては、次はマリアナ付近、フィリピン付近、西之島が動けないので反対側の対処地の米国西海岸、あとはソロモン近辺になります。4月に大きな地震の起きた場所も要注意です。
 5月は統計的に地震が大きくなりやすいです。地震だけでなく火山の噴火でも同様にエネルギーの対処ができるので、インドネシアとフィリピンの火山には注意が必要です。

 火山については日本でも群発の起きている焼岳周辺での変化には注意が必要でしょう。噴火の場合は地震よりも予想が容易なので、新燃岳など他の日本の火山も含めて気象庁が警告することになると思います。次の満月は14日なので、この辺りから状況に注意して様子を見てゆく事になる予定です。大きな被害の出ないことを願っています。

稲生雅之