少し先の安倍政権の流れについて 1月7日

 先週は安倍政権の動きについて解析しました。もう少し先の流れがどの様になるのかについて簡単な紹介をしたいと思います。
 グラフの解析はこの先起きるイベントにより変化します。何が起きるかで未来が動くのは当然ですが、現時点での可能性をもう少し先まで見ることには意味があると思います。

 オバマ政権は、安倍首相に直接圧力をかけるのではなく閣僚を通じて物事を動かそうとしているようです。安倍首相に失望という言葉を使い、この先のことから首相を外す様に行動してくるのかも知れません。
 TPPや辺野古の基地の問題など日本に圧力をかける材料には事欠きません。また、安倍首相が一人がんばったところで、米国の政権を恐れる閣僚と官僚がどの様な動きをすることになるのか、ある程度の覚悟はしていることでしょう。

 当面の心配は今月のオバマ大統領へのテロですが、こちらも多くの人が語るところですので、簡単には起こせない状況と思います。失敗すればその後の政策上の後退も重なることになるので、なかなか難しいと思います。
 この先の数ヶ月で世界のどこかでテロを起こすことは出来るかも知れませんが、911のように直接戦争につながる物になるか、これもなかなか難しい部分を持っていると思います。画策は続くと思いますが、選挙などの政治のイベントの流れの中で実際に効果を上げられるかが疑問になる感じです。

 日本では4月に消費税上げの反動で経済が落ち込み、5月に安倍首相にピンチが訪れます。これはもう避けられないと思います。今回の靖国参拝が大きな落ち込みを彼に渡すことになるのです。
 また、ある雑誌による「失望」という言葉の解析では、もし日中の戦争になった場合に失望する相手に命を賭けた協力など出来ないだろうと書かれていました。外交上はそれほど大きな意味を持つと、考えなければいけないのです。

 その結果として8月と12月くらいに安倍政権のピンチが訪れる可能性が高くなります。5月を今までの実績で凌いだとしても、その先に経済の明るい材料がどれだけ出せるでしょうか。日銀ががんばっても国民は支持していません。
 経済は輸出など一部で良くても大多数の国民には恩恵がほとんどなく、どちらかと言えばガソリン代などの値上がりに消費税のアップが加わって苦しくなるのです。

 本来であれば安定多数を利用して力ずくで様々な法律を改正し、自分の進みたい日本の自律の道を始めるところでしょう。尖閣での紛争も起こしたいのではないかと思います。
 5月のピンチは安倍おろしを始める合図になり、現状では自民党の中で安倍氏に変わる首相が出てくる流れを引き起こす可能性が高いと思います。

 どうして前回と同じ形の辞任に向かう流れを再現してしまうのか、この点はまだ分かりません。靖国参拝にこだわる姿勢は明確でしたが、今この時点でそのカードを切らなければいけないほどに切迫している部分がまだ見えてきていません。
 様々な意見があるのですが、オバマ大統領を明確な敵に回す必要はないのに、この政策を実施しています。戦争へとつなぐ流れが途切れるからだと思いますが、他の代換え政策を含めた検討をしたのかどうか疑わしく感じるほどです。

 米軍基地の問題は沖縄の知事が東京の病院から辺野古に関連するメッセージを出すなどおかしな展開を見せてもいます。なにか表に出せない動きもあるのだと思いますが、1月には名護市の市長選挙もありこの先は波乱含みだと思います。
 沖縄県民の願いである平和につながる流れをどの様に阻止するのか、ここでも安倍政権は試されることになるのでしょう。

 安倍政権が混乱する理由は、米国に戦争を望む勢力と反対する勢力があるからだと思います。オバマ大統領が後者に属するので、安倍首相としては政策を進めにくい状況です。
 それぞれが戦争を望む政権であれば、すでに尖閣での紛争が演出され、米国からの武器の購入が始まるところだったかも知れません。過去の歴史を調べても、この種の動きは現実化していたと思います。

 ヒトラーのように戦争を望んで引き起こす者もいれば、ルーズベルト大統領のように自らは戦争を仕掛けられないので、相手に宣戦布告をさせる方法をとる者もいたのです。単独で事をなすも協力者を得て事をなすも、状況次第でしょう。時の権力者の意向が大きく左右するのです。
 今の日本の現状ですが、政府与党は一枚岩ではないでしょう。安倍首相の暴走を止める事が出来ないだけであるとすると、彼は既に一人で政権の中で浮いていることになると思います。

 この意味でも自民の中から平和を望む人々が出やすくなっています。米国の政権がこの流れを後押しするので、安倍首相にとっては厳しい状況がこれからたくさん起きてくることになるようです。
 この意味で8月や年末の12月まで政権が持つのか、今までのジンクス通り米国ににらまれた政権は消えてゆくのか、結果を目にすることになるでしょう。

 グラフとしては3年先のオバマ大統領の任期が終わるまでを見ています。その中には悪いことが重なる時期も何度かあり、この様な時期に米国財政の問題が再燃したり、QE3の縮小に関連する変化が生まれてきたりもするのでしょう。
 流れは流れとして存在していますが、政治経済の混乱が避けられない流れであるとは思えません。それぞれがこの先のイベントにより時期や可能性が変化します。
 自民の中の平和を望む勢力と戦争を肯定する勢力、米国にも存在するそれぞれの勢力の今後が未来に大きく影響しています。

 自分の求める利益を目指して政策を実施する一方で、他方が足を引くという状況が続いていますが、日本の安倍政権が倒れるときに平和への道が広がる感じです。
 決まっていない未来の流れの中にあって、国民の声も大きく影響していると感じ始めています。アベノミクスの失敗から国民は安倍政権を選んだことを後悔し、そこから変化する可能性も出てきています。

稲生雅之