安倍政権と日本について        1月1日

 明けましておめでとうございます。
 安倍首相が靖国神社に参拝をしたとのニュースが年末に流れました。この時期にどうして参拝が必要なのか、その善し悪しを冷静に判断して行った物なのか、大きな疑問を感じています。本日も閣僚の参拝があり他国を刺激しています。まだ米国の反応は伝わっていませんが、中国の外相と電話で話をしたとのことです。

 安倍首相は2006年に政権を取り、2007年に辞任しています。この時の辞任の理由はテロ特措法という法律を通す目処が立たないので、辞任をするというお話でした。
 当時のテロ対策として実施していた海外での自衛隊の給油が、これ以上継続できなくなることに責任を取るという形でした。

 実際には2007年の参議院選挙に負けて安倍おろしが始まりました。その後体調を崩し国会で所信表明してこれから代表質問という所で、突然の辞任となったのです。
 その時の胃腸の不調に関しては、今は良い薬が出来ているとのことです。どこまで大丈夫かはこの先分かるのかも知れません。

 当時のこの選挙の数ヶ月前に安倍首相は慰安婦問題に関して、この問題には捏造があると言うことをNYタイムズに載せようとして米下院の反感を買っています。
 カルトオブヤスクニとして糾弾され、参議院選挙に負けた直後に米下院で慰安婦非難決議までされています。昨年4月26日の解析でこの事が辞任の原因につながっていると解析しており、今にも影響しているのです。

 今回の靖国参拝は海外から歓迎される話がほとんどありません。米国国務省からも「失望」という否定的なコメントが寄せられているのです。
 オバマ大統領に戦争につながる動きを牽制されているのが昨年の以下のニュースです。それでも靖国神社に参拝する理由はどこにあるのでしょうか。

昨年4月26日の産経ニュースからです。
 歴史認識をめぐる安倍晋三首相の発言や閣僚の靖国神社参拝に対し、オバマ米政権が東アジア情勢の不安定化を招きかねないとして日本政府へ外交ルートで非公式に懸念を伝えていたことが分かった。日米外交筋が25日、明らかにした。

 誰が考えても、オバマ大統領とはうまくいかない政策を実施していることになると思います。日本の歴代政権は米国政府に明確に逆らうことは出来ずに来ています。これを何とか出来る自信が安倍首相にあるとは思えないのですが、大きな影響を起こす政策を実施したのでした。このリスクにどれくらいの自覚があるのか疑問に感じています。

 もちろん中国からは首脳会談は出来ないという反応が出ています。戦争や紛争を望む姿勢を国民に明確にして望むならともかく、今関係の悪化している国との間に問題を作り出す必要がどこにあるのでしょうか。
 米国には共和党を中心として戦争を望む勢力が存在していると思います。戦争を望むのであれば、今靖国参拝を利用して問題を起こす事に意味があるのです。

 この時期に中国ではテロが引き起こされており、習政権の基盤は大きく揺らぎ始めていると思います。新疆ウイグル地区でのテロが12月に2回も起こされて、政権はメンツを大きく失っています。
 こちらのグラフの中国の予想は、12月に尖閣や南沙諸島の紛争か、中国でのテロが起きる可能性が高いという物でした。テロの可能性の方が少し高かったのですが、結果としてはこの様なテロが起きています。

 テロの流れの先にある物は、中国の戦争ではなく分裂への流れになると考えています。安倍首相の靖国参拝という行為は、戦争から遠ざかる未来の流れを再び戦争へと引きつける物になるのです。何の自覚もなくこの様な行為に及ぶ政権は存在しないでしょう。
 恐らく自分一人で決めた政策ではないと思います。

 日本の政権は少なくとも米政権のオバマ大統領とは信頼関係を築き上げることには興味がないようです。この先どの様にして政権を運営してゆくのか、うまく立ち回れる物なのか、自分の未来を賭けてもいることでしょう。その中にあって国益を自分の思いに合わせて動かしたいのでしょう。

 賭けに巻き込まれる国民は戦争のリスクを高めるのみならず、他国との関係も悪化させる流れにのせられるのです。経済ももちろん影響を受ける物なので、この悪化を通して戦争への画策がされかねないのです。
 問題はもう一つあるのです。消費税の上昇によりアベノミクスが息切れするという先が見えてしまったので、今のうちに途切れつつある戦争への流れを作り出そうと無理している様です。アベノミクスを強調する年頭所感が出されていますが、QE3も縮小を開始するので、米国に帰る資金も増えて日本にはマイナスでしょう。安倍政権を左右する政策になると思います。

 靖国参拝による影響を受けたグラフからの予想を紹介したいと思います。QE3の縮小開始だけの状態と比較すると4月のアベノミクスの落ち込みと5月のリスクが上昇します。グラフは数値の上下が激しくなり、経済が上下しやすくなるのです。リスクは8月と12月前後にも上昇してくるのです。

 彼のマイナスはここにありますが、プラスとしては1月に経済が多少落ち込んでも2月にはバブルとして改善する予想です。3月に切れる消費税の駆け込み需要も加わって今が彼の動きやすい時なのでしょう。
 この先3月に何が起きるかで、未来が動き出すのかも知れません。大きな何かを起こせないとその後には不景気と負債の上昇というこれまでのツケが回ってきます。

 戦争を望む人々は、靖国の参拝を演出することで中国の分裂を防ぎ、1月と3月にはテロを準備していると思います。どうなるかは決まっていないのですが、彼らの狙いはこの時期に大きく問題を起こすことにあるようです。恐らく米国の中間選挙を控えての事でしょう。自分たちの先行きが苦しくなるので、失敗のリスクを取る感じです。
 2月までには米国の財政の問題が再燃しますので、ここでも現政権に圧力をかけて戦争への流れを明確にするのでしょう。

 対するオバマ政権は、もちろん一方的に押されているわけではないでしょう。日本の5月の落ち込みにはアベノミクスへの大きな警告を放つことになるでしょうし、日米間の懸念事項は他にもあるでしょうから、沖縄の米軍基地の問題やTPPなど安倍政権に対する攻勢に出ることは簡単でしょう。

 2014年は安倍政権の戦争への画策から始まりました。この先は一方が押せば他方が押し返すという流れが続く感じです。中国を戦争に利用する流れに難しい状況が生まれつつあるので、この流れをどうするかを双方が考えて動くことになるのでしょう。イスラエルの追い詰められている中東情勢も影響してきます。

 私たちは国民として戦争を望まない姿勢を示す事と、テロと経済の悪化などにより戦争へと扇動されないことが大切になるでしょう。2013年よりもリスクは目につくようになると思いますが、良い悪いで揺れながら2015年へと進んでゆける道があると思っています。
 本年もよろしくお願い致します。

稲生雅之