中国情勢の続き            12月4日

 尖閣列島、南沙諸島での緊迫した状況は今も続いています。防空識別圏は変えられることなく存在し、お互いのメンツをかけた争いになろうとしています。
 米国は爆撃機を飛ばして示威行動を取っていますが、一方では民間航空機の飛行計画を中国政府に提出します。出さないのはJALとANAだけと言われており、おかしな事態になっているのですが、日本政府はメンツのみでこれを良しとしています。国民は他国の飛行計画の提出状況を正しくは知らされていないでしょう。

 今後の話ですが、JALやANAには中国の戦闘機がスクランブルをかけるなどして、日本に圧力をかけることが出来るのです。JAL123墜落事故のような、旅客機を目標に模したといわれるミサイルの発射訓練も中国にとっては実施上問題ないはずです。政府はここでも事故や衝突を望んでいるのでしょうか。米国でさえも飛行計画を出すのに、乗客の安全をどの様に確保するのでしょう。軍の嫌がらせが起きた後は、利用する一般企業にとっても明らかに安全が確保出来ないことになるのです。少なくとも両社の利用客はさらに減るのではないでしょうか。

 情勢を見る事なくメンツのみの日本の方が追い込まれている部分の存在することを認識して頂ければと思います。日本だけが飛行計画を出さないことで、中国軍部は日本政府に責任をなすりつける行動を取ることが出来るのです。訓練も含めて緊迫した情勢下で事故が起きたと演出されかねないのです。

 解析として12月には、テロの可能性と、紛争の可能性があることを前回お伝えしました。今回関係国との状況を調べたところ、紛争よりもテロの方が強く示唆される結果となりました。
 可能性の高くなったテロが起きるか阻止されるかは分かりません。テロ対策で一時的に中国政府が大変になるかも知れないにしても、日本は紛争にならないように努力することが大切だと思います。

 この後そのまま時が流れていった場合に、来年3月の紛争は今までに調べた3つの種類の未来が重なる結果となりました。この時期に紛争が起きる可能性が今の状況よりも高まるのです。
 12月の危機はこのままうまくすれば回避出来ると思いますが、状況としては3月に伸びて厳しくなるのかも知れません。その次は6~7月頃になります。長引く問題になるのかも知れません。

 ただ、情勢には流動的な部分があり、前回もお伝えしたように、国内の紛争に転化している可能性もあるのです。
 紛争が高いだけでなく、政府も地方も分裂に至るような国内での混乱に可能性があるようです。この点は改めて調べ直すことになります。

 12月の情勢がもう少し危機的な物であれば、この内容を調べるところでした。双方ともこのまま暴走するのではなく、この先の互いの小手調べみたいな状況を利用して、自国に有利な条件を作り出そうとするのでしょう。
 この意味で、日本政府はJALとANAまで犠牲にしかねない状況なのです。

 日本の情勢に目を向けると、米国の財務長官が来日しただけで、円は大きく円安に振れて102円まで来ています。株価も当然上昇し、1万5千円を超えている状況です。
 この動きがなければ米国の1月の財務状況が思わしくない物になるので、これは仕方がない物だと思っています。恐らく12月のQE3縮小も見送られて、経済を守る動きが強くなるでしょう。

 このまま事態は流れて行くと思いますが、米国の財政問題は再燃せざるを得ないので、その時にどの様なカードが切られるかで情勢が変化すると思います。
 今回は日本政府が米国債の消化に助け船を出したのですが、問題が大きくなると誰も助け船を出せなくなるのです。この演出がなされなければ良いのですが、今回の米国財務長官の日本訪問の動きの先に何があるのか、まだ分かりません。日本は株価に浮かれているのですが、米国のピンチを凌ぐ資金の動きが株高・円安を演出しているだけでしょう。

 この先世界の株価はもう少し下げることが必要になると思いますが、大きく株価が崩れて経済が大きく落ち込むことのないように推移出来れば良いと思っています。
 色々経済のリスクも書きますが、現在は戦争のリスクが大きく顕在化してきており、ここに経済の混乱が重なると、過去の戦争に至る道と同じになってくるのです。これは避けないといけないことだと思います。

 悪い人たちもがんばっているみたいで、日本の脱原発を推進する動きの中に、日本の原発停止に伴う代換エネルギーへの利権争いが起きているようです。脱原発は方向として望ましいことなのですが、この動きに合わせて新しく作り出す発電所や関連する雇用など、政治家と官僚の談合する世界になっているようです。
 既に週刊誌に書かれる位ですから、利権を求める動きには大きな流れも起きているのでしょう。

 戦争を求める人も、利益も求める人も、自分の都合だけ考えて行動しているようです。戦争をしながら利権を追求する道もあるので、政治が強権を発動するときには国民の目を欺く利権が出来てしまうのでしょう。
 流れには様々な物があるので、猪瀬知事の献金問題など、情報公開への流れが思わぬ結果を生み出すこともあると思います。

 数少ないエネルギー関連の多国籍企業への利益誘導など、あからさまに行われる結果となるかも知れません。単なる事実の公表が利権の構造を浮かび上がらせることにつながるでしょう。情報公開への流れをうまく使って利権の中身を公開されると、政治家も官僚も困ることになるのです。私たちが彼らの動きに目を光らせる必要があるようです。

稲生雅之