9)原子核の電磁結合を加味した核配置の理論について
この先の原子核の説明において、陽子や中性子の核の配置が電磁的なルールに従う部分が重要になります。これを分かりやすくするために、核の配置の位置関係を明確にしたいと思います。ここでやっと以下の具体的な説明です。
原子核には、電気的につながったクオークの背骨がある。安定は強い力だけではなかった。
水素、ヘリウム、リチウムと原子量を増やしてきたのですが、数が少ないので核を適当に取り付けても似た形になるのです。並べるだけだとそうなるのですが、実際には「陽子と中性子のUとDが引き合うので、それぞれの三角形が頂点を揃えて、平行に揃う形が電気的に安定となる。」であるので、陽子と中性子をこの3角形を平行に揃えて交互に並べて、直線を組み立てて行くのです。この結合が最も強い核内部の結合になるので、これを背骨と名付けているのでした。
もう一つ素粒子論的に、中性子と陽子という核の形がどうなっているのか、実際には重要な所です。これは簡単に御理解頂けるでしょう。例えばですが、陽子と中性子の内部クオークが基本の3角形が、そこに抱えるグルーオンとしてぺらぺらに薄い三角形だとすれば、核が増えても電気的に背骨が重なるだけとなって、この後記述する原子核が大きくなって行く過程の性質の変化など起きないでしょう。
この意味で、少なくとも陽子と中性子は、ぺらぺらの3角形ではなくて、おにぎり型から球形に近い形状だと推定が出来るのでした。この推定ですが、電磁気と核力から来る形状の推定を、原子核の核数が増えることによる性質の変化で、核の形状までをある程度推定できるはずなのでした。球に近いおにぎりなのか、ぺらぺらに近いおにぎりなのかを、後述する現状の原子核の性質との比較で検証できるはずなのでした。
極端に言うなら、球形の核を並べた場合と、ぺらぺらの3角形の並べた場合の差になるのでした。これがシミュレーションで推定できる所に、私達は進むのです。電磁気と核力のシミュレーションでこれが可能であり、この先の必須の研究課題です。
この先の議論は、その簡単化のために原子核が球形の場合で進みます。実際には恐らくおにぎり型でしょうが、これをどの様に実装すれば良いのかが、原子核全体を250個くらいまでの並びで、外部に現れている性質の実現状況との比較で検討する必要があり、今後のシミュレーション科学の進歩を待つ所です。
「ヒッグス場が教えた相対論等価原理の仕組みと空間理論の基礎について4」に書いている内容ですが、陽子を加速器実験で光速度に近い領域にまで加速することで、その形状がおにぎり型かそれとも球形かを調べることが出来ると書いています。この状況はここに書いているとおりに原子核の核数を増やすことで起きてくる性質の変化を頼りにシミュレーションする核形状の結果に一致してしかるべきでしょう。一方が他方の検証実験になるのでした。私たちの科学はここまで進めていると考えて下さい。
これで前提条件が説明出来たので、ここからは核の並びの説明です。背骨に垂直方向と水平方向で番号を振り付けて、重元素であるウラン原子核レベルの一通りの原子核がどの様な核の配置になっているのかを説明します。その後項を分けて、配置の特徴が原子核の性質にそのまま当てはまる部分を説明します。
これはイラストで見て頂く必要があるので、参照をお願い致します。背骨にあたる部分に始まりから1、2と番号を振ります。これは背骨を水平方向から全体像を見える形に見た物になります。
背骨が一通り重なって1つにしか見えない垂直方向の画像にも、核に近い順番に番号を振ります。背骨に近い縦の列ほど、番号が若いと考えて下さい。遠くなるほど原子核の性質が変わる変化を起こし、核に対する結合力の変化を明確に見せているのでした。
背骨を水平に見る番号とそこに付随する列の核の数とその合計
背骨の番号
背骨 2列目 3列目 4列目 5列目 合計核数
1
2 4 6
3 8 11
4 12 8 24
5 16 12 (16) 33
6 20 16 24 66
7 24 20 32 83
8 28 24 40 32 132
9 32 28 48 40 157
10 36 32 56 48 182
11 40 36 64 56 207
12 44 40 72 64 232
13 48 44 80 72 257
背骨が重なって見える垂直方向からの番号(列の分類)
番号 分類
1 背骨
2 2列目
3 2列目
4 2列目
5 2列目
6 3列目
7 3列目
8 3列目
9 3列目
10 4列目の1
11 4列目の1
12 4列目の1
13 4列目の1
14 4列目の2
15 4列目の2
16 4列目の2
17 4列目の2
18 5列目の1
19 5列目の1
20 5列目の1
21 5列目の1
22 5列目の2
23 5列目の2
24 5列目の2
25 5列目の2
26 6列目の1
27 6列目の1
28 6列目の1
29 6列目の1
これで見る様に、いわゆる閉殻構造を取る時に安定度が上がります。その結果で原子核の安定度も上がって存在数が増えるなどの結果につながるのでした。以後の項でその説明を進めます。列による原子の性質の特徴も、ここから浮き上がるのでした。
イラストに地上における原子核の存在量を載せますので、閉殻構造に意味がある部分を確認出来るでしょう。
132Xe 電子も含めて安定、化学的に反応しないので地上での数は少ない
157Gd 前後の原子核よりは安定、その程度の多さ
182W これよりも大きくなると、数は大きく減る
207Pb ピークを持つほどの安定存在数
232Th 前が不明瞭だが、ここにもピークがある
257Fm 前後の比較で寿命が長い小さなピークを付けている
閉殻構造の安定度が明らかになるので分かりやすいでしょう。
続きにも配慮が一部で可能です。208Pbは安定で数も多いでしょう。これは恐らくですが、閉殻構造の207Pbに対して、背骨の部分にNが取り付いて208になる状況の安定なのかと思います。
続きのウランですが、232Thに背骨2個と2列目4個で238Uの安定核です。これは背骨の安定度と、2列目の電磁気的安定度が利用できた末にある構造に見えるのでした。これは想像を含む部分であり、安定度は電磁気と強い力のバランスと核の形状を元に、計算されるべきでしょう。
こうして見るだけでも、電磁気的な安定度の影響力の大きさを、感じることが出来るでしょう。
続きで背骨の隣に増えて行く列による、原子核の性質の変化が起きる部分を説明します。これは背骨から遠くなるほど、電磁気的に核に取り付く力が弱くなるので、その分強い力に頼るために変化を受け入れて性質が変わる姿に見えるでしょう。
これは電磁気的に核の背骨に取り付く力の低下こそが、中性子を増やして陽子の電荷の反発を強い力で吸収する姿であると言えるのでした。
10)陽子と中性子の数の比が変化する列の仕組み
この現実も実際にここまで原子核の位置を組み立ててみて明確に出来た物になります。列の2と3までは、適切に配置が可能なら、陽子と中性子の比は1のままです。これを超えると、列の4と5においては、陽子と中性子の比は中性子が過剰になるように変化するのでした。
これはもちろん、前の項に書いたように、「これは背骨から遠くなるほど、電磁気的に核に取り付く力が弱くなるので、その分強い力に頼るために変化を受け入れて性質が変わる姿に見える」という現実を表しているのでした。この現実を、イラストに示す核図表を用いて順番に見て行きます。
原子核の陽子と中性子の比率を同じに保つ最大の原子核は、40Caまでです。これよりも小さい原子核でも、その配置により中性子が過剰に必要になるケースも存在します。これは特例的な物でもあるので、どこまで陽子と中性子の比が1に保てるのかは、電磁気力との絡みで重要なのでした。
40Caと42Scにおいては劇的と呼べるほどの変化になり、安定核になるScは45Scまで中性子を過剰に必要とするのでした。この意味を説明したいと思います。
核数が33までの増加では、4列目の核の追加を必要としていません。この続きで最大の核数は66まで増えるのですが、4列目が24個ほどそれ以外の部分から追加になると考える時に、ここまで見てきた閉殻数の概念は42個となるのでした。
核数を42個だとすれば、陽子数が21個でScになり、これで安定して欲しいところです。しかしその現実は45Scでの安定ですので、いきなり中性子が3個も過剰になり、この先の原子核ではもう、陽子と中性子の比を1にすることが敵わないのでした。何故でしょうか。
この議論には、多少の推定も含みます。どうやら、42個の閉殻構造を達成した瞬間に、4列目の位置には、3列目までの原子核が過剰に抱えていたと思われる、陽子の電磁気力を解消するために、釣り合いを取る中性子がいきなり必要になるのでした。これは40Caでは必要ない物であり、閉殻構造を取れることで、4列目が使える様になるからこその変化なのでした。現実がここに表れていることになるので、驚かされたところでした。
原子核の背骨は、クオークのDとUの結合で出来ているので、他の結合とは比較できないでしょう。2列目も2個2組と考えるなら、一方はクオークのDとUの結合で出来ていると考えられて安定しているでしょう。他方も大きくその安定度を失わないがきたいd地でした。
これが3列目になると、背骨からの距離も出てくるので、同じく2組2個の列を形成するのですが、その結合力は低下するでしょう。それでも陽子と中性子の比を1に保てているので、電磁気的な力がこの列まではそれなりの強度を保てていて、核力である強い力を大きく支えていたはずだと思うのでした。
4列目はこの議論を全くもってキャンセルです。閉殻構造が達成された瞬間に、それまでの無理が表面化して4列目に中性子が取り付いてくるのですから、これは核構造の特徴であるとしか説明がしにくいのでした。
核図上で見てもこの部分は明らかです。核図とは陽子と中性子をそれぞれ縦軸と横軸にして、現実の原子が安定しているかなどを分かりやすく表現した図です。イラストにも紹介しますので参照下さい。
安定核が陽子20個中性子20個の所までが、それぞれの数が比例する上限です。これを超えると中性子が過剰になるのが、現実の原子核の姿です。これを説明できる物こそ4列目の存在なのでした。ここから電磁気力が、背骨からの距離において核1個分低下するので、その影響で電磁力の低下分を核力で補うために中性子を過剰に必要とするのでした。これは核図においては見たとおりだと言えるのでした。
これが正しいのであれば、5列目でもさらにこの現象が加速する変化が得られるはずでしょう。これが現実に現れているところを説明します。
5列目の始まりは、核数にして100の所です。この核数で安定している原子核は、100Ruと100Moです。核図上では陽子数42と44に対応しています。
この位置から大きく陽子と中性子の数の比が変わると分かりやすいのですが、数学的には原子数を10とか20個増やさないと分かりにくいでしょう。核図上ではその様にデーターが見えているのでした。少なくともこの先において、陽子と中性子の比が変化して、さらに中性子を必要とする状況となり、その先は安定原子がなくなるまで続くのでした。
比の変化は、電磁気力がさらに弱まって、強い力の核力をさらに必要とする変化で現実を表しています。2列目と3列目までとは、大きな変化がある物こそ、原子核の並びから来る制約であり、4列目と5列目はさらに、電磁気力の低下で中性子の数を増やす必要がある配置しか取れないのでした。
これらが核図上に現れている、現実の核の、配置から分かる姿だったのでした。結論には驚かされたのですが、電磁気の理論上は簡単に説明出来るので、シミュレーションで核力も含めて、原子核の形状までも含めて、釣り合いを評価する事こそ重要でしょう。これを促すデーターが得られていることは、間違いないでしょう。
11)原子核の電磁気的配置が決めている、軽元素の安定度の象徴例
まずはO16原子とF16原子を比較することで、電気的な安定度の問題を確認します。F16が原子数が同じですので、形としてはO16と同じですが、電気的な性質が異なるのでした。これもそのままに半減期に反映するのでまずはデーターです。
陽子9個のF15 203m秒
陽子9個のF16 10^-19秒
陽子9個のF17 64.5秒
陽子9個のF18 1.83hr
陽子9個のF19 100%が集中して安定
陽子8個のO16 99.76%
陽子8個のO17 0.038%
陽子8個のO18 0.204%
前項の説明でも極端に半減期の短い物があり、しかもそれよりも原子核を一つ減らすとより安定になるのでした。これが電磁気的に起きると思えるので原子核を陽子と中性子の分極に合わせて並べてきたのでした。そしてここにもF16と言う不思議な組み合わせがあるのでした。液滴モデルで言うなら、陽子9個と中性子7個の組み合わせよりも、陽子9個と中性子6個の組み合わせの方が安定しているなどは、あり得なくて普通でしょう。
振り返ってみると以下がガスや液滴モデルでは説明しにくい原子核の安定度です。
陽子3個のLi6 7.5%
陽子3個のLi7 92.5% 中性子を増やすと釣り合いよりも安定する
陽子4個のBe8 1x10^-16秒 釣り合うはずが極端に不安定
陽子4個のBe9 100%が集中して安定 中性子を増やすと安定する
陽子5個のB8 770m秒 中性子を減らすと1つ多い状態よりも安定する
陽子5個のB9 8x10^-19秒
陽子9個のF15 203m秒 中性子を減らすと1つ多い状態よりも安定する
陽子9個のF16 10^-19秒
これらの現象は一通りを電磁気的な配置の問題として答えることが可能です。この中ではF15の安定度にはこちらも現実の姿を認めにくいところですが、陽子3個と中性子一つで90度刻みの配置をするか、それとも列の位置を2から3に変えて陽子3個で擬似的に120度刻みを実現するか、この選択くらいしかない気がしています。
少なくとも電磁気的には安定度が増すので、核力を加味しても安定するはずなのでした。この状況はそのままに原子核においてその安定度にクオークの電荷が強く影響していることを明確にしているでしょう。
ここまで見てきたように、電磁気的な結合力を核力と組み合わせることで、原子核の安定度の評価が出来ると言えるでしょう。以下の3種類でその特徴が明らかです。
a)閉殻構造を取る時に原子核は安定度が増す。
b)背骨から遠ざかる列が増えるに従い、電磁気的結合力が低下し核力に頼る必要が出る。その為に4列目以降では陽子比で中性数を増やさないと核が安定しない。
c)軽元素においては配置により電磁気的な安定度が損なわれるケースがあり、電磁気的な説明が必須になる。
実際には核が球なのかおにぎり型なのかでも変化しますが、これは将来の原子核の電磁気と核力のシミュレーションが解けるところまで進んで、議論が可能になるでしょう。
ここに挙げている原子核の特徴は、過去の理論である液滴モデルやガスモデルでは説明の出来ない現実です。私達は少し遅れましたが、電磁気を核内理論に取り込むことで、原子核の理解が一歩進んだのでした。残る未開の部分を、空間理論の進展に合わせて、どんどん解き明かして行きましょう。あの世が作り上げていると言えるこの世であり、その姿を知る事で、あの世の高度な科学の一部を私達も理解するのでした。
12)分極による酸素原子の状態変化
O16という酸素原子が、水素や他の元素と結びついて電気的な分極が外部に向けて起きる時に、酸素原子のO16がHe4とC12に分かれてクラスタ化して、一つの原子核を構成する部分を説明します。厳密に数式では解いていませんが、この分離がないと水の記憶も無ければ水晶のらせんの力との反応も無いでしょう。電磁力と核力を解析的に解いて、この状況を証明出来るかが今後の課題です。
この説明でも分かると思いますが、クラスタ化は電子側の影響を強く受ける分極が起こすのであり、核力だけの問題ではないのでした。この部分はまだ未開の物理なのでこれを解く部分こそまずは解析的な力の比較であり、これが可能な状況を見つけてこその電磁気です。
この意味ですが、中性子も陽子も分極した大きさを持つ物として扱い、核全体だけではなく電子軌道も含めた評価が必要になるという事です。まだ誰もやっていないだけの面倒くさい計算を繰り返して現実が評価できる時に、クラスタ化が常温でも分極により起きると分かるはずです。クラスタとしては重水素と窒素の組み合わせにならない部分も解析的に出てくると思うのでした。これも電気的安定度の反映です。
分子の軌道に出てくるこの種の異常を見てみます。O16と似た電子配置が取れるSとSeで比較します。SもSeも内部においてOと同じ様にHe4の核が分離してクラスタ化し、核としてエネルギー準位が持てる場合に電子軌道側に影響するはずなのでした。
物質名 腕の角度 腕の長さ
H2O 104.45度 95.84pm 本来109.5度
O3 116.8度 127.8pm 本来120度、ベンゼン環同様
H2S 92.1度 133.6pm 本来90度
O2S 119度 143.1pm 本来120度、ベンゼン環同様
H2Se 91度 146pm 恐らく本来90度
O2Se 固体のため比較にあまり意味なし。配置で角度が決まるため。
まずはH2Oの電子軌道にどの様な影響が出ているのかを説明したいと思います。酸素原子の電子数は8個であり、このうち2個が最内核のs軌道で、残りがp軌道でしょう。
これに取り付く水素原子には電子が一つであり、電子はs軌道における安定配置を求めて、酸素の電子と共有結合をします。水素は2個あるので酸素から電子を2個、共有軌道に当てはめる事になるでしょう。自由でなくなる酸素の電子がs軌道の2個と合わせて合計4個になるのでした。それ以外に外部と内部に反応できる電子が残り4個です。
原子核から見ると4個しかそれなりに動ける電子がないです。球の表面積で考えると、電子一つで1/4のエリアをカバーする必要があるのでした。これはそれなりに制約を受けると言えるのですが、この先の説明で納得をお願いする部分です。
この項目の始まりにO16がHe4とC12に分離する話を書きました。当然ですがその時の電子配置は核が大きく分離しない限りは酸素と同じでしょう。これが崩れると、電子軌道にも外部に分かるほどの変化になるのでした。
C12の周りをHe4が、電磁気的なバランスと核力のバランスを加えた物で安定してエネルギー準位を付けるのです。核力側は電磁力に守られるので、小さな核力の距離でも安定して核力を維持出来るのでした。C12とHe4の分離が起きないという意味です。
C12とHe4が分離する直前の状態を考えます。当然ですがC12には2個のs軌道の電子と残りの4個がp軌道です。同様にHe4にもs軌道に2個でしょう。
ここで不自由な電子の数を思い出すと、水素に2個、共有結合で奪われています。これは恐らくは当然ですが、C12の中からの負担でしょう。残る2個こそ自由に動けるのでした。この時この2個の電子は半球ほどのエリアをカバーする必要があるのでした。
電子の見方をここで変えます。C12には6個の陽子があるのですが、この6個に対して束縛を受けていない電子が2個しかないのです。これで内部の陽子達の反発する力を上手くカバーできるのか疑問に感じて欲しいのでした。SとScとの比較でOは非常に問題を抱えているとなるのでした。陽子が電子とバランスしないのでばらけやすくなるはずです。
同様にHe4には2個の電子がつくことになるのですが、この影響がいつどの様に始まるのか、重要になるのです。He4核がC12から離れれば離れるほどに、自由に振る舞っているはずの4個の電子のうちの2個を自分のs軌道に奪うべく制約を強めるのでした。
ここでさらに変化の続きです。He4核は普通に考えて4個の原子核でありC12との比較では球に近いでしょう。C12側ですが、背骨が4個の原子で、2列目が4個x2で予想となって背骨方向に長いのでした。ここに陽子が分布するのであり、普通に考えて縦長の電荷を持つのでした。この周囲をHe4が周回するので、軌道の安定度は背骨の垂直方向に主に回転するとなるでしょう。
これがHe4軌道を偏極させることになるのでした。He4が必要とするs軌道をドーナッツ状に作り上げてしまう結果を生み出すのです。他にももう一つあって、ここに影響する自由な電子が残り2個です。これをドーナッツの穴を通して互いが見える配置にすると、電気的にも釣り合いやすいでしょう。核の電荷の自由度よりも、電子配置の自由度により偏極が起こされることが推定です。
そしてこの結果が現れている物こそ、H20の電子軌道の異常な角度です。約5度ほども軌道の角度が小さくされており、He4の陽子に引かれる事でこの変化が起きているのかと思います。これも実際には難しい話になるので、分子における電子軌道も、原子核におけるC12とHe4の軌道も計算してこその、実際の姿でしょう。He4が実際にどの程度s軌道に電子を奪うのか、状況により1つだったり2つだったりするのかなど混成の電子軌道を計算するのは試行錯誤でしょう。
O3でも同様に考えることが出来て、ここでは120度に対して3.2度ほどの減少なのでした。これも同様に軌道計算すべき物となるのでした。様々なパラメーターを選ぶ上での比較例であり、自由度が少なければ解くのもその分容易になるでしょう。
O3でも角度は減少ですので、He4の陽子の引きつけなのかがまずは問われるのでした。
続きでこの議論が難しくなります。Sでの比較にすると、He4による確度の減少と増加があるのでした。
まずはH2O同様に水の記憶みたいな物を探せるかですが、H2SもO2Sもその種の情報を探すことは出来ずでした。H2SeもO2Seも同様です。He4の分離があるかどうかを電子軌道の異常だけで探せる物かは持ち越しでした。
角度を動かす量で見ると、Sで2度、Seで1度ですので、電子の取り巻きが増える分、分極が少なくなって変化も小さいのかと思える所です。
まずはここまでを理解出来るので、C12とHe4における核と電子の軌道を、H2OとO3でシミュレーション計算するところから始まりでしょう。言うは簡単ですが、これを実行する原子核の専門家達の悪戦苦闘は今から想像できるところです。結果としての水の記憶は既に証明されているので、続きを物理に出来る様に頑張りましょう。
今後の為に参考情報にも触れておきたいと思います。
He4への分離がどの様に起きるかですが、H2Oへの結合が出来た時点でHの周りにまとわりつく電子の影響で、酸素原子核には分極の影響が、分子としての電子軌道からもたらされます。この続きで酸素原子核の近傍を通り過ぎる電子の電荷に反応して、He4として核が剥がされてくるのだと思います。元々陽子が8個もあるので、近傍を通り過ぎる電子のお誘いに弱点があるくらいは感じられるでしょう。外れやすい方向に引っ張られると、我慢できなくなる感じです。
O16は背骨が4個、その周りに2列目が4x3=12個で取り巻いていると思われます。この中の両端の4個がHe4になれると思います。実際には背骨の端の一つがこの中に加わり、残る一つが再び背骨の端に移動して安定すると思います。
恐らくですが、H2O分子になると、その直後にこの分離が起きてHe4クラスターとなり、相応しい電子軌道に移行するのではないかと思います。実際にはこれもシミュレーションする必要があるのであり、分極による角度の減少を確認出来たところで、この状況にも対応すべく進んで行けるのではないかと思います。
あと水についての興味深い実験です。2008年の記事からの抜粋です。
「大型放射光施設SPring-8に整備した軟X線発光分光装置で、水の電子状態を0.35 eVという世界最高の分解能で観測し、水には主に「水素結合の腕が大きく歪んだ構造」と「氷によく似た秩序構造」の2種類があることを発見しました。」
この記事によれば、2種類が混在している状態こそ水の正常な状態であるとなります。温度による状況の変化と、水で生じるピークと氷で生じるピークの二種類が混合している様子が計測されているのでした。原論文は以下です。
High resolution X-ray emission spectroscopy of liquid water: The observation of two structural motifs
T. Tokushima, Y. Harada, O. Takahashi, Y. Senba, H. Ohashi, L.G.M. Pettersson, A. Nilsson, S. Shin
Chemical Physics Letters 460 (4-6), 387-400, published online 22 April 2008
水分子の腕の角度について調べたら出て来たのですが、偶然にも研究者の方が知り合いで、納入していた軟X線の検出器がこちらの思う様に動かせなくなって、大きく迷惑をかけた方達でした。名前が売れるとこの種の残念な話も出てくるので、ここに過去の失敗を載せるのも自分の反省には良いかと思っています。あの世の連中の配慮という物でしょう。
ここまでの議論はこちらも水と氷の中間と言うよりも変化する物としての議論です。He4の分子におけるクラスタの位置によりその腕の角度が変わるくらいはすぐに分かるのであり、ここに何らかの自由度が反映されているのかと感じるのでした。
続きがこちらにとっての重要事項です。このレベルが計測できるのであれば、このレベルの原子や分子に作用するらせんの力の実験を進めて欲しいと思うのでした。
氷の状態の大きな結晶に振動を加えると、ピエゾ素子レベルで産み出す振動ですが、分子構造に従いらせんの力の発生が起きてきます。分子構造として水晶での検討はしてありますので、水晶でも良いのです。らせんの力による酸素原子の変化を確認したいのでした。
ピエゾ素子の振動数に応じて、酸素原子の状況がどの様に変化するのかが知りたいのです。これはピエゾで振動を直接制御するケースと、真空でも液体でも良いので媒体を介して、送信機としてピエゾ素子つきの振動発生、受信側にはピエゾなしでの共鳴が可能な構造のみで、エネルギーの存在と分子、原子レベルでの影響を確認したいのでした。
いきなりエジプトのピラミッドを作っていた時代で恐縮ですが、椀状岩という用途不明の大きな岩があり、パラボラのようなくぼみに、音叉を刺したと思える痕跡を残しています。ここにある物こそケイ素を使ったらせんの力の発生器なのでした。科学が理解出来ないと分からない物ばかりなのが、エジプトの洗練されている先史文明の姿なのでした。
当時はこれと、これまた用途の分かりにくいトランペットを使って、人間の想念をらせんの力として増幅して組み合わせていた様子です。こういった物は質量制御の技術を完成させてからだと簡単に再現できるでしょう。
やりたい実験に戻ると、らせんの力を発生させて、陽子や中性子の核の中で、疑似ボーズ粒子化しているクオーク・ペアを、ある程度で良いので回転させたいのです。この回転が可能になると、その速さに応じた範囲で電気抵抗を非常に小さく出来て質量制御技術の基礎になるのでした。
もちろん重量物を軽くすることが目的ですが、もう一つも重要な技術であり、軽くすると柔らかくなって、岩をトーフのように扱えるはずなのでした。これは遺跡に残る加工の痕跡から、今でも出来ない速度で回転するドリルが使われているからです。こんな物は昔も作れないので、出来る事としては材料側が柔らかくなるのでした。
非常に大きな技術の進歩になることまではすぐに御理解頂けるでしょう。関連する物性の実験がてんこ盛りになるでしょうが、科学の進歩として順番に進んで行く必要があるのでした。科学者の皆さんの努力に期待します。
3に続く
稲生雅之
イオン・アルゲイン