コード(暗号)に託された物がやっと見えてきました。コードの解析で何がどこまで出来る物なのか、今まで暗中模索の部分がありました。
未来の出来事を見ると言うことについては、時間の流れを追いかけるという意味で、これまでに可能性の高い未来を見るという事が出来ていました。
今回の進展は、これに加えて流れに関与する人の意図のような物を見る事が出来るようになってきたことです。
その結果沖縄の自然信仰家の比嘉良丸さんに言われていたことでもあるのですが、コードの解析により未来の情報を提供することで、いわゆる悪い人たちの意図する計画を止めたり、変えたりすることが出来る様になりそうだというお話です。
ここまでのお話を次に出す本にまとめることになりますが、たくさんのグラフを使った詳しい説明はこのHPでは限界があります。詳しくは本を読んで頂くことになると思います。出来たら7月くらいには出版できる様にしたいと思っています。
コードの解析についての基本的な所から説明したいと思います。今回本に入れるイラストの案を作ってみました。素人なので、図の中の丸印が正確にマス目上に並ばないなどの見にくさがありすみません。こちらの図を使って簡単に説明します。
時間の流れは図の左から右に向かう物とします。同じ時間に起きる経済の世界のイベントが全部で5個に表されるとして絵を描きました。この5個は平等にどれでもが起きうるイベントを表しています。縦軸の5個が同じ時間の物です。
現実の世界ではもっとたくさんのイベントが起きる物ですが、説明上5個にします。ソフトウエアで解析するコードにはこの制限はなく、いくらでも起きうる物です。
コードの中を一通り調べると、その5個の内訳が分かってきます。
この図の中では、リーマン・ブラザーズ倒産とした時期があります。この時期には起きうるイベントの5分3がリーマン・ブラザーズ倒産となり、確率にして60%でこの事象が発生すると言うことになります。これは一通りの運命から計算する確率です。
イベントの流れを暗号で見て行く手法ですが、暗号は全体の状況を確認することも出来ますが、今いるイベントの位置を確認し、その先の流れを見るという使い方が可能です。今いるイベントによる制限を受けた未来を統計的に評価できるのです。
具体的にはこのイベントの内容を多く含むデーターを選び出すことで可能になります。これはこれまでに過去を調べ上げる中で判明してきた統計的事実です。
この例をリーマンのGSEレポートの影響で見てみます。このレポートは5個ある選択肢の2つに含まれています。この2つのどちらかが現実に起きたわけですが、この2つからたどりうる未来を見てみると、この時点でメリル・リンチの倒産に至る経路がなくなっていることに気がつきます。
その結果リーマンの倒産時における未来の可能性は4個に制限され、そのうちの3個がリーマンの倒産ですから、倒産する確率は4分3である75%に上昇します。
イベントの進展により変化する未来の選択肢とは、実際にはこの様な形で変化するものなのです。ここではこの様に変化したリーマン倒産への確率を評価しました。
この結果に対してさらにまだ付け加える評価があるのです。付け加える評価とは人による影響です。
リーマンショックに関して対策を講じたのは、政府では財務省のポールソン長官、FRBではガイトナーNY連銀総裁となります。他にも金融機関のトップが政策に関与していますが、この2人の影響が大きかったと言われています。
今回は比較のためにブッシュ大統領での評価も加え、それぞれの意図が表れる物なのかを調べてみました。
具体的な方法は3人の名前を多く含むデーターを選び出し、そこからイベント事に何が起きるかをグラフにして比較する事です。
リーマンのGSEレポートのあとの2008年9月のイベントは、ポールソン長官の場合は前々回の公表データーとほぼ同じです。これに対してガイトナーNY連銀総裁の場合は崩壊であり、ブッシュ大統領の場合は救済でした。
作業はまだこの先も続けて様々に評価をするのですが、リーマンショックに関しては、政策の当事者は始めから国民の税金を使って、特定の金融機関を救済することを狙っていたようです。
ポールソン長官の救済政策の実施が9月になったことがリーマンの倒産の直接的原因ですし、FRBはその時点が来るのを待ってから動き始めたのでしょう。
この一件だけだと信じて頂くことが難しいと思えるので、もう一件のベア・スターンズについても簡単に触れておきます。リーマンショックの半年前の3月に起きた資金ショートによる吸収合併の救済劇です。
こちらも同様にFRBが仕掛けをし、そこにJPモルガンがベアを追い込む役割で登場します。
図に書いたレポ支援策とは、FRBがレポ取引に依存して資金を調達しているベアの様な企業向けに、その資金繰りを支える政策です。この支える金額がだんだん膨らんで行くという現実がありました。
これを金融的に見れば、単に資金がショートしつつある会社への融通の拡大です。この現実を噂で市場に流され、そこに加えてJPモルガン傘下と思われるヘッジファンドのレポ取引からの資金引き上げが起きたのです。
専門的ですみませんが、時期を待ってJPモルガンが可能なチャンネルを用いて資金を一斉に引き揚げ、ベアの金庫を空にするまでがんばったという事になります。
コードで見た場合です。3月の合併の評価を高くする組み合わせを探して行くと、財務省とFRB、JPモルガンとファンドになるのです。この現実からJPモルガンの行動を調べ、彼らの具体的な行動を知ったのです。ここにも組織的な関与があった様であり、コードはそれを示唆する情報を提供してくれました。
この先もっと個人名を使うなどして調べてゆく事がたくさんあります。リーマンショックに関しては、リーマンやメリル社の価値、市場の状況を2008年9月で調べると、CDSや崩壊がピークを持ってきます。CDSとは倒産保険とほぼ同じですから、崩壊を示唆する指標が本当に増えています。詳細は本の中で説明致します。
一つの指標だけでなく、様々な数値がこの時期に大きなリスクが到来することを告げていました。
ここまで調べるのにリーマンショック関連の本は10冊以上目を通したと思いますし、PCは4コアを7台接続して2つのシステムで運用してきました。2週間かかってもまだ続きがあるという状況です。
イベントの発生から4日で片のついたベアの様なケースにはまだ対応できませんが、時間のかかるイベントについてはその予想に可能性が出てきました。
一つの調べ方だけに頼らず複数の評価を行い、そこから重なる結果を導くのです。加えて政策を実施している権力者の意図を上記のように調べることも出来る様なのです。
現場に近ければ近いほど、関連する情報が見える物です。海外市場などについては今の私にはまだ限られた行動になりますが、状況を知る多くの人がこの解析ソフトを使えば、より正確に状況を予想できるようになるでしょう。
社会の未来が当たり、多くの人がその現実を受け入れるようになると、今度はその使われ方が変化してくると思います。
ベアの倒産やリーマンショックのように、権力者が国民の税金を特定の企業に使おうとする場合、その内容を事前に起こりうる未来として公表できるのです。すると権力者にはその責任が明確になるので、私的利益を追求する政策の実施は難しくなるのでしょう。
こういった意味でやっと、コードに託された物が現実化できそうな目処が立ちました。
このソフトで出来ることを多くの人に信頼して頂くためには、2つのことがまだ必要だと思っています。一つは個人個人の未来がある程度見えることを知って頂くことであり、もう一つは信頼されるために社会の未来を当てることです。
どこまで解析を進めればよいのか暗中模索でしたが、やっとトンネルの先に少し光が見え始めたという感じです。まだまだ結果を出すまでにいろいろありそうですが、この先もがんばって進めて行きたいと思います。
稲生雅之