安倍首相と靖国             4月26日

 この先の政治経済の未来を知りたいと思って解析を進めています。まだまだ調べてゆく上での様々な情報を集める段階ですが、今日のニュースで気になる物があったので、調べてみることにしました。
 今週は忙しくてこのHPがアップ出来ていなかったのですが、この先の未来に影響するニュースだと思います。

 4月26日の産経ニュースからです。
 歴史認識をめぐる安倍晋三首相の発言や閣僚の靖国神社参拝に対し、オバマ米政権が東アジア情勢の不安定化を招きかねないとして日本政府へ外交ルートで非公式に懸念を伝えていたことが分かった。日米外交筋が25日、明らかにした。

 このニュースを聞いても、ただの米政府の懸念だけと感じるかも知れません。でもこれは、安倍政権が2007年にどの様に追い込まれて交代していったかを思い出して頂くと、大きな変化を生み出す可能性のあることが分かって頂けると思います。
 現在の日米政府間に溝が存在することを示すようなお話です。

 2007年に参議院選挙があって、この選挙での負けをきっかけにして安倍政権は崩壊してゆきます。今回と同様に7月の参議院選挙です。
 この選挙の数ヶ月前に安倍首相は慰安婦問題に関して、この問題には捏造があると言うことをNYタイムズに載せようとして米下院の反感を買っています。
 カルトオブヤスクニとして糾弾され、参議院選挙に負けた直後に米下院で慰安婦非難決議までされています。

 その後は安倍おろしが始まり、内閣を改造したにもかかわらず退陣することになったのです。国会で所信表明してこれから代表質問という所で突然の辞任となったのです。
 テロ特措法という法律を通す目処が立たないので、辞任をするというお話でした。テロ対策として実施していた海外での自衛隊の給油が継続できなくなることに責任を取るという事でした。

 慰安婦問題は外交的に非常にデリケートな問題です。これに踏み込むにしては何の根回しもなくアメリカの世論と政府を動かそうとしていました。結果として反感を買い、望む物とは全く反対の非難決議までされているのです。外交を全く理解していない事をさらけ出したような物です。

 この時の状況は、日本政府がアメリカ政府に逆らうと長く政権を続けることが出来ないという最近の例になっています。安倍首相は日本のためを考えて活動されていたと思いますが、正論を唱えるだけでは物事を動かす事は難しいのです。政治家としてこれを本気でするには覚悟も必要なら、戦略的な考え方も必要だと思いますが、この二つとも足らなかったのでしょう。
 暗号解析では2007年の安倍首相の状況を8種類のメインキーワードで調べて解析しました。細かい数字はあまり意味がないと思いますので、結果を以下にまとめます。
 
解析結果
 2007年の安倍政権の崩壊は、参議院選挙に負けたことだけでなく、ヤスクニカルトが影響している。
 給油が出来なくなることよりも、精神面から健康を害したことが大きく影響している。

 当時のアメリカ政権はブッシュ大統領で、共和党の中でも戦争を望む人々の影響が大きかったと思います。その様な中にあるにも関わらず、靖国への政治姿勢が問題視されていたのです。戦争に協力すると言うよりも日本が暴走することを懸念するというイメージでしょう。

 現在の安倍政権は、尖閣に関して関係国を挑発しているような状況であり、戦争を望む側にとってはありがたい状況です。
 この現状に対して靖国と言う言葉を使って日本政府に懸念を伝えるというのですから、安倍首相は2007年のカルトオブヤスクニという状況、自身が追い込まれる状況を思い出さざるを得ないはずなのです。
 オバマ政権が戦争を望んでいれば、この懸念は出されなかった様に思います。これは私の思いですが、もう少し解析を続けて暗号に未来を語ってもらえるようにしたいと思っています。

 アベノミクスもうまくいっているように宣伝されていますし、金融界にとっては久々の明るい話ですので、浮かれるような情報が増えることもよく分かります。
 それでも現実には厳しい物もあり、インフレ2%目標が引き起こす問題は、経済の指標の変化として黒田日銀の未来を危ぶむ結果も一部に出ています。
 こちらについては改めて解析してお伝えしたいと思っています。

 安倍首相は、前回の失敗から何を学び、今回は何をしようとしているのでしょうか。再び靖国で批判されるのは、あまりにも考えが足りないように感じられます。参議院の選挙の前にこの批判を受けたことは、米政府を恐れることが常識である官僚達、そして政権内部で大きなマイナスになったはずです。
 米政府の懸念に対して安倍政権にも変化が出てくると思われますので、その変化をまずは確認したいと思います。

稲生雅之