キプロスの銀行が一時閉鎖に追い込まれ、ユーロの信頼が揺らいでいました。主にロシアのタックスヘイブンとして機能していたらしいのですが、ギリシャ国債投資が焦げ付いて今回の危機を起こしています。銀行再編で処理されるようです。
ロシアのお金持ちを救うためにドイツの税金が投入されるのはおかしいと言うことで、キプロスにも犠牲が求められ、貯金の一部が没収される形になりました。高額の貯金ほど厳しいようです。
キプロスのタックスヘイブンとしての機能は損なわれ、ロシアの資金は他のヨーロッパのタックスヘイブンに移ってゆくであろうと言われています。
タックスヘイブンにある資金とはどれくらいあるのでしょうか。正確な情報は存在しませんが、少し前には1,000兆円相当、昨年で約2,500兆円がプールされていると言われています。
この中でのキプロスの位置は大きな物ではなく、ロシアの資金も2兆円規模と言われています。
ロシアのお金持ちの資金がキプロスにあると思いますが、この金はプーチン大統領にとっては課税対象として国内に戻るべき資金であり、ロシアの国内政策上困った事態には至っていないと見えています。
元々タックスヘイブンと言えば、欧米の銀行の利用する物が主流であって、その規模が桁違いに大きくて約2,500兆円もあるのです。
今回の問題はキプロスの銀行の投資の失敗が表面化し、支援を仰いだことにあります。では、他のタックスヘイブンにある資金は、本当に損失を隠すことなく存在しているのでしょうか。
普通に考えると、多くの銀行が損失を抱えているはずです。この損失をどの様に処理すると表面化しないかは、彼らタックスヘイブンの銀行の手口なのでしょう。日本でもオリンパスが損失を飛ばしていましたし、AIJの消えた年金もケイマン諸島のタックスヘイブンが絡んでいます。
欧米のタックスヘイブンにある資金は、欧米の大手銀行とその関連機関によって動かされています。政府その物ではなく、民間の金融機関の別動部隊のような物です。
ロシア崩壊という歴史的な経緯からロシアの資金は少なくて、タックスヘイブンの資金はほとんど欧米系と考えられるようです。
今日本で起きているアベノミクスですが、元々安倍首相の言葉から始まった物です。円安が引き起こされたことで、日本の経済にとっては良いことのように言われています。
この円安では、ヘッジファンドの方が10億ドル儲けたなどと言われており、大きな資金を動かす事で、円安の流れが作り出され、そこに多くの人々が乗っかっています。
安倍首相の将来政策に経済が賭けているとも言える物です。少なくとも、円高が円安になるような現実の経済指標の変化は起きていませんでした。
タックスヘイブンにある資金が大きく動くことで、また、金融機関の投資資金が大きく動くことでこの動きが作り出されたのでしょう。この先はどうなるでしょうか。
彼らの資金は利益を求めているのであって、日本の国益や円の水準などは二の次です。さらに、彼らは短期の利益を求めています。この期限はいつなのでしょうか。
普通に、単純に考えると、安倍首相が7月の選挙で勝って政策を自由に出来るまででしょう。法律が2/3の議席で自由に生み出せるとなれば、消費税も防衛費も自由に動かせるので、政府の望みはこちらにあると考えるのが普通でしょう。
一方のタックスヘイブンの資金ですが、動かした円を元に戻すのではなく、行きすぎるところまで動かすと、さらに利益を上げることが出来るのです。
実際にどうなってゆくかはこれから調べてゆくのですが、タックスヘイブンについて調べた現状を載せたいと思います。
タックスヘイブンという言葉に、戦争、平和、自由、支配、公正、偏向を加えて6種類で評価しました。
この中で安倍首相、安倍総理、安部政府を最も多く含む言葉はタックスヘイブン+偏向でした。同様にアメリカ、イギリス、ユーロ、ロシアについても評価しましたが、アメリカの一番は同様にタックスヘイブン+偏向でした。
安倍首相の求める利益と、タックスヘイブンの求める利益が重なり、利害関係の調整がうまくできたので、現在の円安が起きていると思えています。これが偏向の中身でもあるでしょう。欧米の金融機関の得意な情報操作のたぐいです。
安倍首相が選挙に負けてこのまま円安が定着すると、タックスヘイブンの資金には損失が発生するかも知れません。その時何が起きるでしょうか。
この種のタックスヘイブンの資金を損失処理するという実績が、今回のキプロスの騒動の結果です。
欧米のタックスヘイブンは自分たちの資金がどうなるかを、どこまで考えているのでしょうか。自分たちは大丈夫と考えていると思いますし、リーマンショックの時のように政府が守る限り大丈夫でしょう。オバマ大統領次第ですが、米国債の債務上限を気にしているアメリカにどれだけの余裕があるのでしょう。
次に問題が起きたとき、本当に前回同様に政府が救済措置を行うのでしょうか。タックスヘイブンにある資金を不正な物として非を鳴らすことが、キプロス問題を経たロシアにも出来るようになりました。政治的にタックスヘイブンの資金にNOが言えるのです。
一部の人の利益にしかならない不正なお金を取り締まるべきは政治であり、この政治の力を国民がどの様に使うべきかを考える時が来るのでしょう。
稲生雅之