エネルギーの未来            9月4日

 2030年に電力に占める原子力発電の割合が議論されています。政府が公表した世論調査によれば、0%、15%、20~25%の3つの選択肢の中から、47%の人が0%を選んだとのことです。
 これに対して経団連などは反発しています。

 経団連の8月13日公表の資料によれば、企業からの0%、15%の回答はゼロであったとのことです。
 今時の環境問題を検討して自社の対応を公表している企業にして、この様な結果になるのかと思ったのですが、この資料をよく見ると多くの企業団体の意図は他にあることが誰にでも分かる状況でした。

 この統計資料の調査対象ですが、135団体に対して回答のあった物はたったの24%です。さらにその中の62%の企業団体が3つのシナリオでは選択できないとしています。
 この事に対して経団連はもっと高い数字が必要と言いたいようでしたが、情報が不十分で判断できないというまっとうな意見も添えられていました。

 回答はたったの33団体であり、38%が20~25%を選んでいますが、数にすると13社・団体にしかならないのです。
 これを経団連は自分たちの意見として公表するのですから、企業全体の意志にはほど遠い可能性があると思います。現実に24%しか回答がこない時点で、経団連に利用されることを避けていると考えるのが妥当と思います。

 次は8月27日のロイターのニュースからです。
 こちらの資料は経団連のような余計な圧力がかからないらしく、大企業・中堅企業400社を対象にして行われていますが、270社程度、67%の回答率だったとのことです。
 2030年において15%原発比率を支持する回答が4割で最も多かったとのことです。あと15年での廃止は非現実的であり、世論から見て原発新設も厳しい。老朽原発の代替を別エネルギーに求めてゆくと、15%になるのが必然的ではないかとの意見が、例として添えられていました。

 このなかでは、0%が2割もあるそうです。原発事故はコントロールできないことが明らかで、事故後の撤退コストが無限大であり、民間企業の事業ではないとの意見です。
 経団連では0%、15%はゼロ回答でしたが、こちらの調査では6割がこのゾーンに入っています。結局経団連の調査に協力しなかった企業の望みは、この0%、15%にあったのではないかと思えます。

 経団連のアンケートでは、企業名を明記して回答すると思われ、0%、15%を選択すると暗黙の嫌がらせが起きるのかも知れません。一部の人が経団連を私的に利用しているような状況です。
 現実にメディアには広告宣伝費を通じて反原発活動を抑える圧力が今もかかっています。今回のこの数字は24%がその種の圧力に従わざるをえないという結果でしょう。

 47%もの多くの人の望む、原発比率0%の世界は実現できるのでしょうか。様々な困難もあると思いますが、その可能性は様々に調べられると思います。 
 今回はエネルギーの未来をグラフで追いかけてみました。1945年から2044年までをグラフにしています。
 この中では、原子力を原子、石油などの化石エネルギーを化石、太陽光、地熱発電などを自然、木炭やバイオエタノールなど再生可能エネルギーを再生としてそれぞれグラフ化しています。

 キーワードはエネルギーとし、ここに西暦を加えて使っています。見ている物は日本だけでなく、世界のエネルギーのつもりです。
 第2次世界大戦からの100年間を見ることで、この時代の流れ、この先の変化を予想したいと考えました。

 グラフは4つあります。それぞれ簡単に説明します。
1番目・エネルギーを1945~2044年でグラフにしたもの
2番目・1番目の中から、現在の利益を追求し未来を考えないものを選び出したグラフ
3番目・1番目の中から、未来を考え永続性を追求するものを選び出したグラフ
4番目・1番目の中から、原子転換により放射能が無害化される未来を選び出したグラフ

 1番目は現在までの現状を表すグラフと考えます。
 2番目の現在の利益を追求するグラフの未来では、全体に原子力が高めに出てきます。化石エネルギーもそこそこに使われて、今の経済の延長上を見るようです。環境変化による温暖化を対策する必要に、今以上に迫られるでしょう。

 3番目の未来を考えるグラフの未来では、原子力が低下し、化石エネルギーが上昇しています。グラフを100年全体でみても、2020年位からこの傾向が顕著になります。
 4番目のグラフは、これまで紹介してきている原子転換による放射能の無害化を実現する未来です。太陽の伴星という本にも詳しく書きましたが、けっして夢物語ではないのが現実です。

 この4番目のグラフでは、2015年位からの変化が予想できます。この中では原子力だけでなく、化石エネルギーも低下し、再生エネルギーが上昇し、より地球に環境にやさしい世界になっていると思います。
 これらの未来への選択は、私たちが行ってゆくものです。今の恣意的に見える経団連に代表される現在利益を求める未来では、地球環境は非常に厳しくなると思います。

 未来の永続性を考え、今の原子力を減らし、化石エネルギーまで減らすことができれば、温暖化の進展は低く抑えられ、汚染された環境を元に戻すことにも可能性が開けてきます。
 企業の6割、私たちの約半数が望む原子力依存の低い世界は、私たちが達成できる未来として描かれています。未来の永続性を考えて原子力を減らしてゆく未来として、その可能性がグラフに示されています。どのようにこの未来を選んでゆくか、今後の私たちの行動に左右されていると思います。

 4つのグラフは、グラフの違いを比べると分かるように、2015~20年くらいに私たちの未来が選択に応じて大きく変化してゆくことを表していると思います。原子力が減らされる3番目か4番目のグラフの未来になることを願っています。
 日本の原子力の未来を調べる作業も進めています。まだ途中ですが、2015年位から原子力に関連する未来の変化を感じる状況です。もう少し詳しく調べてまた改めて公表したいと思います。

稲生雅之
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