2012年と伴星の軌道について   2月27日

 太陽の伴星の軌道についてご説明する前に、2012年12月21日のマヤの暦の終わりと言われる日について解説したいと思います。
 まず、マヤの暦の日にちの書き方の説明から致します。暦は以下の数字の組み合わせで書かれています。

バクトゥン 144,000 x 0~19の整数
カトゥン    7,200 x 0~19の整数
トゥン       360 x 0~19の整数
ウイナル       20 x 0~17の整数
キン          1 x 0~19の整数
表記は
(バクトゥンの整数、カトゥンの整数、トゥンの整数、ウイナルの整数、キンの整数)
となります。

 マヤの前回の大きな周期の終わりは(13,0,0,0,0)で表されています。これは
144,000 x 13 = 1,872,000 日
となり、よく言われる約5,125年となります。

 1,872,000日間の意味ですが、これは暦の表記法から来る周期です。バクトゥンは13回あるので、その周期なのです。恐らく13人の神々に対応しているのでしょう。
 暦の性質を見てみると、キンとウイナルの最大値は20x18=360日となり、激変前の1年を表しています。つまり、トゥンは私たちで言うところの1年に相当しますので、この数字は多くの人にとって、その人の年齢などなじみのある数字になっていたでしょう。

 前回見てきたマヤの重要な数値には続きがあって、1,366,560の100倍が存在していました。これは、
1,366,560 x 100 = 136,656,000
1,872,000 x  73 = 136,656,000
の2種類で表わすことが出来ます。

 結局、重要な周期の100倍が、暦の表記の73倍になることを教えてくれていますので、より大切な数値としては1,872,000よりも1,366,560になるようです。また、もし暦の区切りと一致すれば、73回に一度、37万年に一度の珍しい物なのでしょう。
 言い換えれば、もともとこの区切りでは歳差運動の大きな区切りは73回に一度しか表現できないのです。

 私たちは10進数の世界になれていますので、この数字の意味がぴんとこないかもしれませんが、あえて言うのならば、私たちの暦の年が999年から1,000年になるというレベルの変化に相当すると思います。表記法が周期よりも大切であったと言うことではないようです。

 元々暦の伝えてきた歳差運動周期から見ると、その時はピラミッドの示すオリオン座のリゲルの指し示す時だと思われます。その時は2040年くらいであり、多くの人の言う2012年とは外れた物になっています。この意味でも暦の表記の問題であり、13バクトゥンのサイクルの終わりと歳差運動の周期は一致しなかったようです。

 メキシコの太陽のピラミッドの周辺には、365個の神々の像が飾られているそうです。この事実は、激変後の1年が365日になってからあの場所に作られた可能性が高いことを示していると思います。
 それでも暦の表記法を360日から365日へ変えられなかったのです。暦のそれぞれの日に神が宿るとしてきたので、当時の宗教的な意味合いから、柔軟に暦を作り直すことが難しかったのだと思います。この様なことからも、旧来のシステムを拡張する形での365日への対応が必要だったのでしょう。

 2012年12月21日がもし正確な暦の区切りだとしても、歳差運動の周期とは合わないので、特別に危険な日ではなく、カレンダーの区切りでしょう。
 もし前文明のマヤの人が、次回の歳差運動の周期に合わせて暦の始まる日を調整してくれていたのであれば、その日は歳差運動の周期に重ねることができたでしょう。この意味では暦の正確な日は既に失われているといえると思います。

 最後になりましたが、太陽の伴星の軌道について説明したいと思います。
 ギザのピラミッドから読み取れることは
1)4,320 x 6 = 25,920年が重要である。
2)4,320 x 7 = 30,240年も重要である。
3)第3ピラミッドの体積比が、大ピラミッドの10%になる。
  第3ピラミッドの体積比が、残り2つのピラミッドの5.4%になる。
4)AD2040年からBC10,425年までの期間が重要である。
となります。

 伴星は太陽に近づいたり離れたりをしているはずで、現在の歳差運動速度は加速中です。現在の速度から推定する歳差運動周期が25,920年ですので、これが第2ピラミッドの体積比6/7の6に相当する以上、7はこれよりも遅い数値になります。
 暦で見る場合には、一周期の平均速度が必要になります。平均周期で考えれば、もっとも近づく点や離れる点を周期的に表せることになります。

 4,320 x 8 = 34,560年は、結果として遅い方でした。6と8の平均が7で、7倍が単純に平均値となり、暦からみると3つの数値の中でも前回ご説明した30,368年にもっとも近くなっています。
 最終的には正確な軌道を計測し、計算して結果を出すことになりますが、現状では太陽の伴星は見えないために、歳差運動のより正確な計測により軌道を推定することになるのではないかと思います。

 伴星の質量には太陽の10%か、5.4%かの選択肢があり、どちらかは明確になりません。太陽系の他の惑星との関連で5.4%の可能性の方が高いと感じていますが、この数字の他に意味があるかなど、実際に伴星が天文学的に見つけられるまで分からないのではないかと感じています。

 天体の動きに関するケプラーの第3法則という物があって、太陽の重さと伴星の重さ、あとは回転の周期により平均半径を計算可能です。周期を30,368年、質量を5.4%に選ぶと、その結果は、
近日点距離(最も太陽に近い点) 約  894天文単位
遠日点距離(最も太陽に遠い点) 約1,083天文単位
となりました。1天文単位とは、太陽から地球までの平均距離です。偶然かもしれませんが、この数字を比にすると、ほぼ赤ピラミッドと屈折ピラミッドの体積比になっています。

 実際のパラメーターを計算するには他にも注意が必要です。
1)パレンケの遺跡より1,359,540が見つかっている。これから推定すると、歳差運動周期は30,214年くらいになる。
2)BC10425年は、歳差運動周期が最速値の場合です。平均値を使って推定する必要があるので、実際にはBC13,000年くらいです。
3)伴星の重量比は、太陽が軽くて伴星が重いケースもあり得る。

 伴星の存在と現状の太陽系が矛盾しないかを調べると、伴星の存在と近日点の通過時期を伝えたくなる理由が分かる気がします。
 太陽系には8つの惑星と、たくさんの準惑星、多くの小惑星、彗星が存在しています。
 まず、太陽系に惑星から彗星まで存在するように、伴星にも同様に惑星から彗星までが存在しているはずです。太陽系の場合大きな物は900天文単位まで遠ざかる物が存在しています。

 伴星と太陽の距離は遠ざかったり近づいたりで、距離にして90天文単位近く変わります。すると、それぞれの星の遠い位置にある準惑星から彗星までが、相手の重力にとらわれる可能性が出てきます。
 太陽系には近日点が76天文単位、遠日点が960天文単位で直径が1,000km以上のセドナと呼ばれる大きな準惑星サイズの星が存在しています。

 単純には、太陽系の重力よりも伴星の重力の方が弱いので、まだ太陽系に属しているという感じです。ただ、太陽系内部でいつ他の準惑星の影響を受けてもっと遠くに飛ばされるかは分からないのです。飛ばされるようなことがあれば、伴星に捕まえられることになるかもしれません。

 この意味での例が、彗星にあります。太陽系に入ってくる彗星には様々な軌道がありますが、太陽系をよぎって通り過ぎる物もあり、その軌道になる原因は分からないままです。
 この様なケースで伴星の存在を考えると、伴星から飛び出してきた物が太陽系に入り込む可能性が出てくる事になるのです。極端に言えば、月のような大きさの天体が、伴星側から太陽系に送り込まれ、惑星の衛星になると言う可能性が出てくるのです。

 結局2040年頃が、太陽系に対して伴星から彗星や小惑星のような小天体が送り込まれるリスクが最も高まると思えます。極軸の動いた激変時には、この様な小天体が関係していたのかもしれません。
 地球では、地球に衝突する天体の観測はすでに行われています。まだ大きなリスクのある物は存在しませんが、有名な小惑星アポフィスなど現実に衝突の可能性のある物も存在するので、注意が必要です。

 太陽の伴星が歳差運動を作り出す理由ですが、これは太陽が南北で重さが異なり、遠くにある伴星と傾いて釣り合うことにより起きる可能性があります。太陽の重心が中央にないので、伴星に対して傾いてしまうのです。この傾きが伴星に向いて軌道を1周すると、軸の傾きである歳差運動も1周することになるのです。

 太陽は南側の方が安定していることは既に計測されており、黒点のでき方が北側で遅れると言われています。加えてマウンダ-極小期という太陽活動の低下した時期があるのですが、この時期には南側にしか黒点がでなかったとのことです。
 これらはすぐに重さのバランスの違いを導くわけではありませんが、その可能性を否定しないレベルのデーターにはなると思います。

 太陽の伴星について調べてきた中で、今までは意識していなかったことが新たに分かってきています。
 この存在により太陽系には天変地異のリスクが出てくることになります。

1)歳差運動の周期に合わせて、伴星の最接近時には彗星などの小天体が太陽系に送り込まれやすくなる。2040年頃を中心に100年単位の長い期間になると思われる。
2)地球は、月と太陽や伴星からの重力の影響によるエネルギーを激変前よりもたくさん受け取るようになっている。それら外部の天体により地球は形状を歪ませているが、その歪みが月や太陽に向かって動いているので摩擦として熱エネルギーになる。
 このエネルギーが今までよりも1年に5回転分(365-360日)増えている。長期に渡って考えると、地球の内部も含む全体へ熱エネルギーが供給され、蓄積されてきている。その結果新しいバランスを求めることになる。

 少し前に火山の活動が活性化してきている可能性のあることを調べています。この活性化の理由に直接つながるのかは分かりませんが、激変前よりも地球内部には熱エネルギーがたくさん供給されています。この評価は今後必要になるでしょう。火山の活動を長期に評価できる状況ではないので、この先この情報が整備されることにつながると良いと思います。

 太陽の伴星の現在の位置ですが、銀河系の中心と太陽の結ぶ線の延長線上に近い位置にあると思います。歳差運動の傾き方向がこの位置を示してくれています。
 この位置関係により何かが起きると言うことはないと思います。2040年頃にはその線上から抜けていますし、天体に働く力から見ても特別な変化を生み出す物ではないと思います。

 今回の検討で分かったことをまずはお伝えしたかったので、3回に分けて説明してきました。専門的な内容が多くて分かりにくかったことと思います。
 これから今までの説明を図を多用して分かりやすく説明し直し、本にしてお届けすることになると思います。私たちが本来注意すべきは2012年12月21日ではなく、もう少し先の2040年くらいの未来であることをお伝えしたいと思っています。

稲生雅之
補足
 エジプトの赤ピラミッドと屈折ピラミッドについて、位置を大ピラミッドで計算していました。そのミスを修正すると指定する時期は2080年くらいになります。このときオリオン座の大星雲は指されていませんでした。
 今回平均値の30,240年に意味があることが分かりましたので、その平均の示す点BC4,200年頃で調べると

赤ピラミッド     オリオン座の左肩ベラトリックスに重なる。誤差1度
屈折ピラミッドの上部 同上
屈折ピラミッドの下部 南側 銀河の中心 誤差1度
           北側 黄道回転軸・歳差運動の回転軸中心 誤差0.5度

となりました。
 赤と屈折ピラミッドは損傷が激しいので、精度には問題があるかもしれませんが、歳差運動の周期とその天空上の重要な位置を指し示しており、本を出すまでに誤差の意味他を調べて公表したいと思います。
 いずれにしても、ギザの3つのピラミッドと赤、屈折ピラミッドが歳差運動を表現しようとしたことは間違いないといえるでしょう。そして、歳差運動の原因を調べることを促しています。