今年から来年にかけての未来を予想するために、いろいろな本を読んだりネットで情報を集めたりしました。もう少し理解を進めたい分野もあるのですが、現状での今年の予想をしておきたいと思います。
既に膠着経済と円の隠れた覇権として見てきた部分をお伝えしています。それらをまとめると、2013年につながって行く未来が見えてくると思いました。
今まで何度もアメリカについて行きたい人たちと、中国について行きたい人たちについて紹介してきています。未来を見て行く上で重要と思っている彼らの情報操作について、今回は少し深く触れたいと思います。
まず、アメリカについてです。
1)アメリカはお金に病んでいて、政府は一部の資本家に乗っ取られている状態です。本来の民主主義にはほど遠く政治システムは形骸化しています。ロビー活動などの弊害によりお金がある者たちが政治を動かす形になってしまっています。
これを止めたいのがティーパーティーであり、ウオール街を占拠せよのデモなのです。この動きを資本家の方向を変えようとする煽動に乗っ取られないように進めて行き、アメリカの民主主義を取り戻せば、再びアメリカには人々の未来が見えてくると思われます。
2)アメリカの資本家について行きたい人の情報操作は一方的です。日本の国債は1,000兆円もあって、もはやカバーできないとしています。でも、比較するとアメリカにはもっとたくさんの負債があるのであり、地方の債務を合わせて全部で100兆ドル、8,000兆円もあるのです。同様に見る日本の負債は2,000兆円と言われていました。
アメリカの有識者はこの数字を理解しており、財政破綻は避けられないと考えているのです。政府関係者はこの情報に触れないようにしていますが、その延長線にティーパーティーがいるのであり、負債が増える前に自分たちの責任を取りたいのです。多くの米国民がこの事態に気がつくまで残された時間は少ないでしょう。
アメリカの現在の支配層は、今までの延長上に未来を見ているようです。情報を操作して有利に事を運びたいのですが、彼らの求める新しい通貨の発行には日本の円の実力が邪魔であり、格付けなど情報操作にはまだ時間がかかるようです。
アメリカの国民が自国の破産状態を知った時に、どの様な状態になるでしょうか。多くの責任ある市民は、自分たちで責任を取ろうとするでしょう。負債を抱えた一部の資本家には責任が必要であり、情報公開が求められることになるでしょう。
次は、中国についてです。
3)中国については、まだまだ経済がうまく行くという話と、難しいという話があります。GDPの成長過程において、人口の多いインド、ロシア、ブラジル、インドネシアの様に成長の問題に直面しない理由は、本当はないのです。
現実に今まで長期に達成してきた8%の経済成長率は既に維持できなくなっています。リーマンショック以降に作り出した不動産バブル、大きな負債の解消には、経済の長期停滞かインフレの利用などの、人民の苦しむ道が避けられないのが過去の歴史の実例です。
4)13億人の人々の作る市場規模は確かに大きな物である。でもこの市場を適切に制御出来なければ、成長は止まるし混乱にも陥る。人々の生活を犠牲にして環境などの問題を隠しても、既に始まっている気象の変化などの大きな流れには逆らえないでしょう。
中国の環境破壊による飲料水と疾病への影響は、既に無視できない物になっています。多くの人々が健康に影響を受ける状態にあり、気象などの変化は大きな流れを生み出しやすい状況です。残念ですがウイルスの感染も止めにくい状況になっているのです。
情報操作としては、13億人の市場の成長を前面に出してきています。人民の大きな犠牲を伴う経済成長であり、ごく一部の人しか利益を得ていない物です。政治に繋がりを持たない普通の人々の不満が高まっており、共産党の強権なくして安定した社会にはなり得ないのが現実です。
既に成長にはブレーキがかかっています。この先この経済を強権だけで制御出来るか、市場と社会に問われることになるでしょう。
続いてEUの国債問題についても触れておきます。
5)EUの債務問題に関連して言われている解決策は、多くの場合ドイツが資金を提供してEUの共通債券を発行し、過去の負債に責任を持つことです。
この解決策を押す人たちは、ギリシャが破綻して以前の自国通貨に戻ることは、大混乱を生み出す事につながり解決策として考えられないとしています。
ギリシャが破綻して困る人たちは、この破綻に賭けたCDSを発行したアメリカの銀行であり、関連する資本です。
解決策は他にもあります。リーマンショック時のように責任を持って債務処理を行えばよいのです。ユーロより離れるギリシャの自国通貨は切り下がりますが、そのメリットとして輸出は有利になり、これを生かして経済を作って行くことも可能になるのです。
CDSにより多くの資本は利益を得てきていますが、その利益が吹き飛ぶ経済状況になっているのが現実です。
その利益を吹き飛ばさないためにドイツにしろフランスにしろ、負担を求められています。本来負担できない程の量のCDSの処理が必要なのであり、各国の国民の税金で、ほんの一部の資本家の救済をどこまでするべきか、本当の議論が必要になってきています。
大きすぎて負担できない6京円の想定元本と言われていますが、これは彼らほんの一部の人たちの支払う保険金の総額なのであり、これだけの資金が市場から消えたわけではないのです。加えて保険である以上、全てのCDSが負担処理になる事もないのです。
国の金融決済システムを残せば、生産活動、実体経済は回転して行くことが明らかです。
最後は不安を煽られている戦争についてです。
6)イランの核は、イスラエルの核保有が卑怯な物であることを浮き彫りにするように進む気がしています。イスラエルは黙って200発もの原爆を持っているのに制裁もされなければ、戦争さえも起こそうとしています。IAEAとは公正な機関でしょうか。
イランは戦争に向けて資金の流れを止められようとしていますが、戦争を望む側には、アフガニスタンからの撤退や、サウジアラビアなどの周辺国に武器を売りつけるなどまだ準備が必要な様子です。
イスラエルの核保有は既にアメリカの政府高官の認める所となっています。エジプトを始めとするイスラエルの周辺国が、このイスラエルの不正な核を告発して行く準備は出来て来ていると思います。イスラム国になったエジプトはイスラエルには脅威でしょう。
自国のみが有利な立場に立ち、それを維持する政策を実施してきたのがイスラエルです。この優位が保てなくなったので、焦っているのはむしろイスラエルの方です。
未来に向けて多くの国々が核爆弾の所有を望む中で、イスラエルが先制核攻撃では自国の安全が保証できないと気づく事になると思えています。
イラク戦争によりアメリカは負債を増やすことになり、軍事費を含む債務は本当に大きくなっています。実質破産が避けられないでしょう。
これに加えてさらにイランと戦争をすれば、アメリカの債務は今よりも遙かに大きくなるのです。今回はドルの維持という事よりも、イスラエルのための戦争であることが現実的な意味です。アメリカにとってこの戦争が実行できる物なのか、国民がこれを是とするのかどうか、問われることになると思います。
もちろん不正なテロが911の様に起こされてイランが攻められるシナリオもあるかも知れませんが、既に対立しているこの状況下では難しい物になってきています。
2012年日本の覚悟 の解析結果
過剰な負債から来る貿易の減少、経済の縮小に対する覚悟が必要である。尖閣での戦争、イラン、イスラエルの核爆弾に関する戦争にも覚悟が必要になる。
中国の不動産の負債、EUの負債、アメリカ国債など過剰で不正な負債の処理に対して覚悟が必要になる。
戦争、平和、自由、支配、公正、偏向、食糧危機と情報公開につながっている。
平和になる上で、各国が各国の問題に向き合うことになる様です。日本はそこから出てくる日本に関連する問題に向き合う必要があります。アメリカの負債、中国のバブル、EUの負債など、それぞれの国々が自国の問題に向き合えば、経済はマイナス成長になり、貿易も減少して厳しい時代になるでしょう。
中東戦争の危機は石油価格を上昇させるかも知れませんが、すぐには戦争にならない気がしています。
この様な流れはもはや避けられない物になりつつあり、自国の問題を他国になすりつけたり、不正を通じた有利な地位の獲得は、その後に大きな問題を残すことになります。
2012年は各国の問題が明らかになる流れを持っており、この問題に対応する覚悟を決める事を迫られる年になると思われます。
貿易の減少と、経済規模の減少の中で、今までの社会を回転させて行く必要があります。新しい金融システムを模索する中で、再び経済を発展させるまで、経済を成長させるまで、努力する必要があるのでしょう。
これから今までの情報操作による支配が崩れることになるので、情報の公開を通じて多くの変化が起きてくることになると思います。
稲生雅之