利益と欲、お金により情報が曲げられて事実が伝わらない話を放射線の被曝、東京電力福島原子力発電所の事故の例から見てきています。
お金があると情報がコントロールされ、お金を持っている存在にとって都合の悪いことを書くことが難しくなります。現在はマスコミに広告料を支払う者たちが強いとなっています。調達力から来る電力会社などはその先頭に立つ存在です。
広告料をたくさん支払ってビジネスをしている事業体はたくさんあります。簡単な所ではテレビで目にする自動車、ネットワーク、薬、ゲーム業界などです。
業界に存在する問題は多くの人の知るものもたくさんあります。今回は今まで気にしていた中でも特に問題を感じるゲームの人への影響について解析してみます。
1999年4月20日、アメリカのコロラド州のコロンバイン・ハイスクールで、その学校の生徒の2人が銃を乱射し、13人を殺害し、24人を負傷させ、自らも命を絶つという事件がありました。
この事件についてはいろいろな背景が語られていますが、二人が重度のゲームマニアであったことが最も語られていたようです。
この2人はゲームにのめり込むことで、単に射撃の腕前を上げるだけでなく、人として持つ人の命を奪う事へのためらいや抵抗感をなくしていたのでした。
アメリカでは他にも若者による銃の乱射事件は起きていますが、この事件と同様に銃を適切に扱うだけでなく、時には戦略的に被害者達を追い詰め、正確に被害者達を狙撃して行くのです。この2人が特別なわけではなく、ゲームにのめり込むとこの様なことが可能な状況が作り出されやすくなるのです。
ゲームによる狙撃の疑似体験が役に立つだけではありません。大きな問題は人を殺すことに対して持っているためらいをなくすことです。
ゲームのない時代にも戦争はありました。兵士達は戦場で引き金を引くことになるのですが、第2次世界大戦当時の狙撃兵でさえ、露出した敵兵には2割弱の者しか引き金を引けなかったとのことです。
兵士といえども、人を殺すことには大きなためらいを持っていたのです。でもこのためらい、タブーは戦場では勝利へのロスにつながるので、現在では対策が取られています。
アメリカ軍ではシミュレーションプログラムにより、実際の戦闘を疑似体験する訓練を積みます。すると、普通は新兵の半分が始めは引き金を引けないのですが、この訓練を経た者たちは、始めから引き金を引くことにためらいを感じなくなるのでした。
これらの現実は、人としてのタブーをゲームにより取り去ることが出来ることを示しています。実際に犯罪の例を見てみると、ゲームの内容をそのまま模倣する物がたくさんあり、多くの犯罪がこのタブーを取り去る訓練により実行されてきているのでした。
この様な事件はそれほど多くないと感じるかも知れませんが、多くの若者に見られるやる気のなさを、ゲームに感じている人はたくさんいると思います。
ゲームはその販売量を増やすために、ゲーム中毒を起こしやすいように作られている物がたくさんあります。一般に以下の5つの要素を意識して作られているとのことでした。
1)ゲームを終了させる中毒
2)競争の中毒
3)熟練の中毒
4)探索の中毒
5)高得点の中毒
ゲームをする時に脳内に起きることは、麻薬を使っている時と変わらない物になってきているのです。ゲームが中毒性を求めて作られる以上、避けて通れないのです。
ゲームが面白くて熱中している状態では、脳内にドーパミンをあふれさせる状態をシミュレーションして作り出しており、体にはアドレナリンをあふれさせています。
麻薬を使って作り出す物と同じ状態が、ゲームによっても現実に作り出されるのです。この繰り返しはゲーム中毒であり、その結果は麻薬中毒と変わらないほどに人格が破壊されて行きかねないのです。
ゲームの影響を「すぐリセットするという安易な考えが生まれる。」に感じている人もたくさんおられると思います。
人を殺す、暴力をふるう犯罪も増えてきていますが、それ以上に問題なのが、やる気のなさと、実生活で必要なことが我慢できずにリセットを求める反応です。
ゲームではリセットすればやり直しが出来るので、多くの若者がリセットを求めて仕事を変わろうとします。問題に直面しても解決しようとする姿勢にかけるのです。これでは学ばなければいけない問題を繰り返すことになります。
ゲームはどんどんプレーヤーを導いて行き、その世界にのめり込むことを求め、その世界の中は脳内に麻薬が出るほど面白い世界です。これに現実を比較すると、始めから本当に面白いと言える仕事は、正直少ないのではないかと思います。
ゲームのように面白く技術を習得できたり、知識を増やして行けると良いのですが、まだまだこの様なゲームソフトは脳トレなど少ないのが現実です。
職業訓練においても、軍事教習のように実利を兼ねた物はまだほとんど存在しないのではないでしょうか。
ゲームは人の精神あり方を左右出来る物であり、その野放しな利用は麻薬の乱用とほとんど同じなのです。今のソフトのあり方が若者の世代のあり方に影響を与えており、この分野でも私達は若者の未来を奪っているのです。
年金や仕事でも私達は若者の未来を奪っています。たくさんの政府の負債、卒業者の就職内定率の低下はこの現実を表しています。
ゲームにしろ広告主の批判を許さないのがマスコミなのであり、この問題に向き合うことが遅れています。
この先説明が切り口を変えて続きますので、来週掲載致します。関係する向精神薬のお話しと精神分析や脳科学、薬の現状をお伝えしたいと思います。
医療の分野にはまだまだ分からないことがたくさんあります。その中にあって自己の利益のみを誘導する姿勢など、私達が知っている方がよいと思う事をお伝えしたいと思います。
今日はグアテマラからお送りしています。来週ネットがうまく繋がらない場合は、帰国後の20日にメルマガを更新致します。
先週お伝えしたソフトウエア販売ですが、このHPでカタログを公開しています。10月27日より販売開始で予約販売を始めました。ご検討よろしくお願い致します。
稲生雅之