ギリシャの国債の利回りが20%にも到達し、またデフォルトの危機が起きています。今回はGDPの減少に伴い財政赤字削減が公約を達成できないとなったところから危機になっているようです。
7月の始めに救済策について検討しいろんな対策をしたのに、2ヶ月と持たずに財政再建計画が上手くゆかなくなっています。
当時無理な計画であることは分かっていて、何らかの時間稼ぎをしてきたのかも知れません。ギリシャは自国の問題とまだ正面から向き合えていないようです。
ギリシャの問題とは、税収が少なく財政赤字が多いのに、他のユーロ諸国と比較して公務員が多いこと、年金が多いこと、福祉政策が充実していることなどです。
この様な部分にメスが入りつつありますが、まだ赤字対策が十分とは言えないので、市場にNOを突きつけられているのでしょう。
今はEU諸国の税金によりつなぎ融資を受けている状態ですが、財政状態の良いドイツなどの国々からは、自国の税金を他国に振り向けることへの是非が問われています。
ギリシャでは脱税が横行していたらしく、政府支出に対する税収も十分ではありませんでした。積み上がった赤字を粉飾することでEUに加盟しましたが、この粉飾が続かなくなったところからギリシャの危機が本格的に始まっています。
危機対策の緊縮財政に対して、ギリシャでは死者の出るデモが起きたくらいなので、国民の意識は今の自分を守ることに向いているようです。
EUにはギリシャをユーロ通貨システムから分離する仕組みがまだ決まっていません。この事もあってギリシャ国民が半ば開き直る形で救済を求めるデモを起こしているのかも知れないのです。でも、これからEU内部で話し合いが進んで、ユーロからの分離や新しいユーロの仕組みを考えることになると思えます。
ドイツではギリシャのデフォルトに備えて、自国の銀行の持つギリシャ債券を処理する検討を始めています。ギリシャは財政再建計画を2ヶ月と守れない国なので、ドイツとしてはこれ以上の救済措置に協力しかねるという意思表示かと思っています。
ギリシャが自国の元通貨のドラクマに戻り、自国の問題に自国の力で向き合うことを願っているのでしょう。こうなると苦しいのは、ユーロ利用国として責務を果たさず自国の問題に向き合えないギリシャです。
欧州全体では、欧州中央銀行(ECB)はこれまでにアイルランド、ポルトガル、スペインとギリシャの国債を買い上げて保有しています。これらの国々はECBによって救済措置を受けており、イタリアもこの流れに乗る手前まで来ています。
ギリシャだけの問題であれば、まだ処理も色々と考えられると思うのですが、ここまでの国々が問題を起こしているとなると抜本的な対策が必要になるでしょう。
ユーロ通貨の新しい仕組みを作りだし、その実行をする必要があるのです。どの様な形になるのか分かりませんが、それまではECBが問題のある国々の国債を買い支えて行く事になる可能性が高そうです。
その結果は、紙幣の増刷によるインフレとなります。
EUとギリシャの2012年 の解析結果
ECBの国債買い付けによりインフレになるかも知れない。ヘッジファンドによる空売りや格付けなどが、債務者ギリシャにユーロからの分離や崩壊(デフォルト)を促すことになる。
ギリシャとECBの不良債権に対する情報公開により、金利のクラス分けなどユーロは再構築されることになるかも知れない。
戦争と平和、自由と支配、公正と偏向につながっている。
現状ではインフレを避けて通ることは難しいと思いますが、リーマンショックの再来は避けられると思います。ドイツもギリシャもまだ打てる対策があり、ECBが対策を決めるまでを時間稼ぎ的に対応することが出来ると思います。
まだ自国の問題に向き合えていないのですが、金利が上昇し、問題と向き合う中で情報を正しく公開して行く事になるのでしょう。
その場しのぎの対策を繰り返すことはどんどん難しくなり、嫌でも自国の赤字に向き合わないと、ユーロとしてまとまっていることは出来なくなると思います。
現状では財政の状況別に金利を分ける必要性が高いと思います。国別か、グループ別かは分かりませんが、今回の国債関連の問題を解決するには良い方法かも知れないと思います。既に多くの人に語られている物です。
ユーロはアメリカのドルに対抗して作り出された通貨であり、これまでも一定の役割をはたしてきています。ドルも自国の問題と向き合わされるべく、動かされています。QE3と呼ばれる金融支援策がもうすぐ実行されるのではないかと思います。ドルもインフレに向かって確実に動いています。
インフレの処理も含め、ドルもユーロも新しい通貨、新しいシステムに変わって行くのではないかと思います。各国が自国の問題に向き合えるまで、経済崩壊の危機は各中央銀行により先延ばし出来ると良いと思います。
稲生雅之
PS また太陽面が規模の大きなフレアを繰り返す状況になって来ています。ここに太陽の高速風が重なるタイミングになりますので、今日から16日くらいまで、対策をお願いしたいと思います。今回は場所が広くフィリピン海プレートに関連する部分と福島です。
具体的には東海、東南海、南海、奄美から沖縄方面です。お住まいの地区に加えてこの地区のゆっくり地震のイメージをお願い致します。
フレアの発生があった場合はそのフレアの掃除もお願い致します。この下の部分にフレアの情報を追記しますので、ご参考頂ければと思います。